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果物の糖分

例えば、木からとってしまった柿をしばらくおいておくと甘みが増します。 木からとってしまった以上、糖分が増すとは考えられません。 そうであれば、この甘味の正体というか、原因はなんなのでしょうか。

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回答No.2

バナナ、キウィなど収穫後に熟成を待つ果実も、柿やリンゴ、ブドウ、柑橘類などの果実でも熟成に大きく影響するのはエチレンです。 成熟/熟成過程でエチレンが増えると、クロロフィル分解酵素、カルテノイド合成酵素、果肉の軟化を起こす細胞壁を変化させる酵素が増え、活性化します。その結果、果実の外見色があお(緑)から黄(あるいは赤)に変わり、果皮繊維の微細構造が崩れてなめらかに光沢を持ち、果肉はペクチンが分解され果肉硬度が低下し柔らかで舌触りの良いものになります。糖度や糖の種類以外に硬さ、柔らかさ、なめらかさが甘みの感覚には大きく影響しています。http://www.fruit.affrc.go.jp/publication/hokoku/no06/fruit6_02.pdf また成熟の過程でショ糖が転化する(酵素や酸で加水分解し果糖やブドウ糖になる)ために甘みを増す面もあります。 樹になっている状態では果実が生長し成熟するに従ってショ糖成分が増えるようですが、ブドウ糖や果糖成分には大きな変化がない可能性が高いようです。 http://mitizane.ll.chiba-u.jp/metadb/up/AN00142658/KJ00004280207.pdf  ~~~~~~~~~~~~~~~~~ 甘みを感じるのは単純な機構ではなくて、色々なことが絡んでいます。 例えば、味覚の間の交差も良く知られた現象です。塩味は甘味を増強するので調理では塩を入れて甘みを増します。渋柿は中に含まれているタンニンを不溶性の状態にすることで、糖分をストレートに感じる状態にして販売されます。また同じ糖分を含んでいても酸味の強い果実は甘く感じません。 また、長く口に入れていると甘みの感じが薄れてきます。その慣れも糖によって影響が違います。 http://www.nissui.co.jp/academy/taste/01/02.html 糖の濃度を高くすると甘みが強くなるのですが、糖によってその上限も違います。 果実によって含まれる糖の種類も違います。http://www3.ocn.ne.jp/~eiyou-km/newpage189.htm  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「甘みの正体」 舌に味覚受容体細胞があってそこを刺激すると甘みを感じるのですが、実に色々なものが甘みを感じさせるし、その条件も色々なので、単純に甘みの正体を言えるのではないようです。糖の種類でも、温度でも、量でも、他の味覚成分との関係でも変わります。舌触りで滑らかさねっとり感/硬くぱさぱさざらざらも大きく味覚に影響します。 合成甘味料のスクラロースはショ糖の600倍さを感じやすいそうです。ネオテームは7000倍とのことです。蜂蜜の主成分は果糖とブドウ糖で、やや果糖が多い。ショ糖が含まれていたとしても5%以下程度。低温で結晶化するのはブドウ糖。 ショ糖の甘味度を 100 とすると、ブドウ糖の甘味度は 65–80、果糖は 120–170 だそうです。 果実に多く含まれる果糖は砂糖(ショ糖)よりも甘く感じる糖ですが、温度を40℃まで上げてしまうとショ糖と同じ程度になってしまいます。果糖が一番甘く感じる温度は10℃くらいです。(果糖は高温では砂糖の 60% の甘味度しかなく、40 ℃ 以下でないと砂糖よりも甘くならない。一番甘く感じるのは10℃)  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 柿の場合、収穫後にへたの部分から水分が失われるストレスが引き金になって、エチレンが生成され、そのエチレンが果肉部分でのエチレンを生成させ、それがさらに引き金になって果肉部分で大量のエチレンを発生させる。エチレンは前述の通り、果皮の色素を変化させ黄色あるいは柿色に変色させるとともに、果肉を柔らかくします。そして若干糖が転化するのかもしれません。(柿で糖がどの程度転化しているのか、私は未確認です) 桃でも、柿でも、西洋なしでも、リンゴやバナナでも、熟成するとおいしく、未熟性のものはおいしくありませんが、糖分そのものの量は樹になっている時の成熟の最終段階で急増して終わりますので、果肉の柔らかさ、滑らかさが、食感や甘さ感に大きく影響していると思います。  糖の転化も多少はあるのだと思いますが、収穫後の具体的な数値計測結果を知りません。  ===================== 木からとってしまった柿をしばらくおいておくと甘みが増す一番の理由は、果肉の細胞間にあるペクチンなどがゲル状になって柔らかな果肉となり舌触りが良くなると同時に、糖分が水溶液に溶けた状態に近くなって味覚受容体細胞をよく刺激するからではないでしょうか。 (若干は、ショ糖が分解して果糖ができたことも関係しているかな)

noname#155817
質問者

お礼

お答えいただきありがとうございました。 感激ものでした。

その他の回答 (1)

  • rimurokku
  • ベストアンサー率36% (2407/6660)
回答No.1

熟成される(デンプン質が糖分に変わる)と言うこともあり、時間とともに乾燥して水分が抜け糖分が凝縮されることも有るでしょう。 また、柿の場合に限定すれば、渋み成分がかたまって甘みが強く感じられることもあります。(渋柿の渋抜きの様に) 当然、乾燥フルーツは水分を抜いているんで大変甘くなっています。 しかし、いずれの場合も収穫後に中の成分が糖分に変わることがあっても、絶対量が増えると言うことはないと思います。

noname#155817
質問者

お礼

お答えいただきありがとうございました。

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