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性分離と細胞死の意味

「死の本」というのを読みました。 種保存に「性分離」と「細胞死」が役割としてあるとありました。細胞死の方は胎児の指の形成の例で指間の細胞死があるので浮き彫りとしての指が形成されるという説明で理解しましたが、性分離のせいで種が保存される理由がわかりません。単性で生殖なしで子供を宿す種が仮にあったとして比較上どこが利点なのでしょう?生殖によって優勢の遺伝子を自然選択するのですか?それならわかるが人間の価値観ではなく自然上、優劣はあるのでしょうか?

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  • ruehas
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回答No.3

こんにちは。 あの長ったらしい文を良くぞ読んで下さいました (^ぉ^) ワープロで原稿を作成し、投稿ページに移した瞬間「やベー、長すぎる!」、ページがパンクするかと思いました。 その上、噛み砕いて解釈して頂いているのが、返信の文章から良く判ります。ない知恵を絞ってでも回答した甲斐があるというものです。 まずは、説明不足、質問コーナーから。 >1.「無性生殖」と「雌雄同体」の違いがよく考えるとわからないことに気づきました。予想ですが、「無性」は倍倍ゲームで増殖するとの事ですので、1個が2個に2個が4個になる。1個が2個になるのは「生殖」と言えるのですか?あ、生殖というと「セックス」と同義と思ってましたが、「生む」という事なのか。つまり無性生殖とは細胞分裂のように増えることでしょうか?「雌雄同体」は雌雄両方の生殖器を全員が持っていて、どっちかがオス役をやれば相手はメスやくをやるという「両刀」のことでしょうか? 辞典には 「無性生殖:精子と卵など性細胞による有性生殖 以外のすべての生殖をいう」 「生殖:生物が自己と同じ種類の個体をつくり,子孫をのこす働き」 とあります。 これによれば、大腸菌が分裂するのも「生殖」に含まれることになりますね。 そして、「性細胞」を使わないのですから「無性生殖」です。ここには植物の無性生殖、ジャガイモの栽培、球根の株分け、植木の挿し木なども含まれます。 また、辞書を引けば 「セックス(2):性的欲望。また、性交すること」 ですから、これは有性生殖の範疇ではないでしょうか? 結論、「大腸菌には性的欲望はない」、多分、ないんでしょうねえ……。 では問題です。雌雄同体、この禁断の愛は許されるのでしょうか? (カタツムリの伊藤君でしたっけ? パプア君の漫画に出て来るの) 「雌雄同体:動物のうち,卵巣と精巣とを同一の個体にもつもの。▽ミミズ・カタツムリ・ナメクジなどがその例。繁殖するときは,交尾して他個体と精子を交換する」 これには参りましたね、交尾して精子を交換するとは、私、初めて知りました(マジで驚いた)。 しかもですよ、線虫の仲間には自家受精するものまでいるんだそうです。どうやら「両刀」ぐらいでは済まされないらしいです (^ぇ^; >2.まとめのところで「それなりの寿命も必要」とはなぜでしょう。後に出てくる説明の「有害な因子を除く為」でいいのですか?いいのですよね? 失礼しました。取っ付けたような文章になっていますね(実際に取っ付けたんですが)。 寿命が必要というのは、有性生殖する生物が生殖可能になるまでに時間が掛かるという意味で使いました。大腸菌は、ほぼ産まれたそのときから生殖、すなわち分裂が可能なのですから、繁殖速度の違いを強調する意図で書いたつもりです。 >3.両親の染色体がまざりあうタイミングがわかりません。「受精の時ではない」と言われてます。なぜ受精の時でないかというと兄弟がみんな同じになってしまうからと。その前に「遺伝子の組み替えが行なわれるのもこのときなんです」とありますが、「このとき」とは前文のどれをさしているのでしょうか? 「このとき」とは、減数分裂のときです。遺伝子の組み替えが行なわれるのは減数分裂のときということです。 余りにも鋭い指摘ですので、ちょっと言い訳します。 「行なわれるのも――」書いたならば前文との関係があることになりますよね。うっかりしてました。 遺伝子組み替えの記述はあるにはありますが、上の、上の、更に上の方ですよね。それから、遺伝子の組み替えが「受精のとき」に起こると思っているひとが結構多いという先入観があったので、「も」と強調したのかも知れません。 実は、今日正にそのような質問があったので飛び付いて回答したのですが、とんでもない恥をかいてしまいました(自分のせいだから仕方がないですが)。 >■ここが一番の質問点なのですが(おいおい)、女性は「強い男」に惹かれるのでしょうか「やさしい男」に惹かれるのでしょうか?又、「違うもの」にあこがれるのでしょうか「同じもの」に親しみを感じるのでしょうか?...もしかしてこの答えも「多様性」という事になるんでしょうか?ええっー、まじで~?。 はい、ズバリ「女性は誠実な男性に惹かれます」。 多くの生物学著書には、動物の繁殖に於ける交尾の選択権はメスにあると書かれています。これは、種にとって優秀な遺伝子を選択して保存するという重大な使命がメスに課せられていることを意味します。かつて進化論に触れ、生物の面白さに獲り付かれた若者は、ある日この事実を知り、大変悩みました。当然です。 冗談じゃねえぞ、何か突破口はないのか? ありました。 本当にメスは優秀な遺伝子を嗅ぎ分ける能力を持っているのか? 種にとって優秀な遺伝子というのは、自然選択が決定するものであって、メスや女性の価値観とは違うではいか。だいたい、環境が変わればその基準も変わるのだから、幾らメスだって未来のことまで判るわけがない。 さて、ここで話を摩り替えます。 では、どうしてメスに交尾の選択権があり、オスは必死に求愛行動を取らねばならないのでしょう? 実は、そこには歴然とした数の原理、売り手と買い手の市場原理があったのです。 もちろん、大概の生物のオスとメスの数は大体同じなのでしょう。ですが、精子と卵子の数を比べるならば圧倒的に精子の数の方が多いことになります。しかも、今日交尾しても、明日には精子はたっぷり出来上がっています。卵子は精子よりも市場価格が高くなるのは当たり前のことです。 男性はひとりで行なう行為に精子をふんだんに使いますよね。女性がひとりで行なう行為に卵子は使いません。卵子は貴重ですから、そんなことはできないのです。 そして、メスが子供を宿す機会と、オスが射精する機会となれば比較になりません。つまり、全く単純なことなのですが、オスは複数のメスを相手に生殖を行なうことに全く障害がないのです。 さて、人間の社会ではほとんどが一夫一婦制であり、暖かく安定した家族制を主体としています。 もうお判りでしょうが、つまり、純粋に生物学的観点からも、人間の社会では多くの女性が浮気をしない誠実な男性を求めているということになります。 ただ、私としても、これは合理的と認めなければならない観測結果があります。 オスがメスの気を引くために行う行為は幾つもありますが、中でも、プレゼントは人間、動物に限らず極めて有効です。 アジサシという鳥の仲間は、メスのために餌を獲って来て求愛します。これを「求愛給餌行動」と言うのだそうですが、要は食い物作戦ですね。これがまた、メスのために取る餌の量が多いオスは、やがてヒナに運んで来る餌の量も多いことが観測されているんだそうです。これは参った! つまり、男性には誠実さだけではなく、やはり生活力も必要だということです (^ぅ^; 人間も動物である以上、女性には交尾の選択権が与えられているのかも知れません。そして、それが種の保存、人類の未来を担うためのものであるならば大変な重責です。ですが、私は一概にそうであるとは思いません。 このようなメスの本能も、女性の価値観も、全ては自然選択の結果でなければならないことは、この質問を通して、質問者さんと私の間で確認されたと考えています。 ならばそれは、自然選択、自然の節理、全てが天の意思、ということになります。 「天の意思」何時からそんな話になったんだ。 ですからね、「出遭い」というのは、本来そういうものなんですよ(えへ、結局これが言いたかった)。

MONKEYMONKEY
質問者

お礼

しかし、プレゼントが鳥類レベルまでいっても有効だとはいいことを聞きました。 さて、乱射などあらっぽいことをうそぶいてしまいましたが、本当はロマンチックな私です。「天の意思」「出遭い」。いいですね~。しかし、それでは含みありすぎ。もう少しおかたりを。 坂本龍一は甲斐バンドらを馬鹿にして音楽をエモーショナルでやってられないよ、と、コンピューターで作り出す。しかし、コンピュータではいちいち根拠を問われる。なぜ「ド」の次「ミ」がくるのかを。いい音楽と悪い音楽の違いに根拠はあるのかと。公式はあるのかと。それを追求していくと遺伝子の問題に行き着き、無根拠追求は神秘主義に傾倒すると、柄谷行人と同意していた。「なぜ働くのか」さえ適当な理由をつけて日々がんばっているが、結局根拠などない。結局毎朝の占いが気になる。

MONKEYMONKEY
質問者

補足

ありがとうございます。「減数分裂」などお話を聞いて自分で反芻(半数だけにね)しているうちにそういえば理科の時間に習っていた事を思い出しました。田沼さんは(今、はっと思い回答者さんの文を読み返す...ニュートンの人も田沼さんではないか!?。い、今ごろすいません!。)。で、田沼さんはドーキンスの「利己的な遺伝子」に対して「もちろん”運び屋”に対して利己的ではあるが、遺伝子は、新たなる遺伝子を生かす為に自らに死をプログラムしているという点で”利他的”な存在で、遺伝子の本質はその”自死性”にある」としている。「死は宇宙への愛に他ならない」と。ここへきて改めて「ブレードランナー」がいい映画だったと再認識。「4年の寿命」のアンドロイドを追う刑事。短い寿命のアンドロイドを哀れむ刑事であったが、結局だまし舟のように、自分が追っていたのは自分自身だったと気づく。ブレードランナーは意図せずとも「生命の寿命」という最深のテーマに「最接近」していたことになる。死に行くアンドロイドが刑事の命を救うシーンは「利他性」と「自死性」をあらわす象徴的なシーンとなっている。しかし、くれぐれもそれは意図されたものではない。「偶然にも」そういう映画が出来上がった。そして最後に遺伝子のいたずらとして刑事の遺伝子にアンドロイドに恋するようにプログラムさせる。naze偶然katoiuto→まず作者がPKディックで第一脚本家がハンプトン・ファンチャーでファンチャーがおんだされて、第二脚本家のデビッド・ピープルズが手を加えてさらに終始監督のリドリー・スコットがいじりまわし、肝心のラストのきめ台詞は俳優のルトガー・ハウアーの現場での思いつきときたもんだ。現場は絶えず対立が起こり、決してみなが同じ方向を向いてできたというような美しい現場ではなかった。生命にも似た「奇跡的な出会い」うーん。何しろある素晴らしい台詞(忘れた)で、誰が書いたか誰も覚えてないのがあるんだから。完全に混乱して誰もコントロールできていなかったにもかかわらず...。まるで遺伝子に命ぜられるように。■無性生殖と雌雄同体の違いわかりました。というか最初から分かれよというね。読解力なさすぎで、その上勘もわるい。あほですいません(という言葉もうんざりでしょう)。■染色体の混ざり合うタイミングとかも読解力というか単に注意力のなさといいますか、なんと言い訳、いやお詫びしてよいものやら。いや、しかし改めて驚きました。完全に「セックスして受精して混ざる」と思っておりました。精子の段階で既にシャッフルされている。減数分裂こそ運命の分かれ道。■恋についてですが、よく読んだら田沼先生もおっしゃってる「死があるから自分とは何かと問えるのであーる」と。僕は正しい(そうですよね?ruehas先生)。で、いきなりの「誠実な男に惹かれる」という回答。うーんしかしですね、先生、恋の敗北者のこの僕が何者かって他でもない生まれつきの「誠実な男」なのですよ!?なぜこの僕がこんな遺伝子レベルまで遡って悩んでいる(悩んではいないけど)のですか?そう、生来誠実に生きてきたこの私の後頭部に鈍痛が走ったのは中学の時。「アウトサイダー」という映画の原作を読んだ時。主人公の誠実なCトーマス・ハウエルとあっちゃこっちゃ手ぇ出すええかげんな脇役のマット・ディロン。ヒロインは私の永遠のアイドルダイアン・レイン。マット・ディロンがドライブインシアターでダイアン・レインにちょっかいを出し、それを勇気を出して「やめろよ」と追い払うCトーマス。もう完全にCに感情移入できるような憎い演出に私も「ええぞー、俺がんばれ」状態。そーしてあこがれのダイアンとお近づきになる物語が始まるのだが、、、、、大どんでん返し(映画にはつきもの)。ダイアンは粗野なマット・ディロンにドライブインシアター以来恋していたのでした。あ・なんじゃそらー。それ以来、「あっちゃこっちゃ手ぇ出す男こそもてるのだ」に切り替えましたよ。なにしろダイアン・レインですからね。当然ですよ。それを今更誠実だと言われてもこまります。と、興奮してる場合ではない。しかし、回答者様も実は同じ事を言っているのではないか。そう「生活力」。確かにCトーマスはびびりながら「やめろよ」と言っていた。これではあかん。うーんだいたいわかってきたぞ、そもそもいくら誠実でも子孫を残せなかったらなにもならない。びびってる男より押し倒してくれる男の方がいいに決まってる。そういう事ではないでしょうか?(知らんちゅーねん)。それに精子の無駄打ち度のお話からすると「あっちゃこっちゃ」の乱射性の方が自然の摂理に合致しているようなイメージなのですが、どこかで間違ってしまっているでしょうか?。

その他の回答 (2)

  • ruehas
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回答No.2

こんにちは。 私の拙い説明に丁寧な返信を頂いて大変恐縮です。質問コーナーが設けられていますので、何処が説明不足だったのかが一目瞭然です。再度発言の機会を与えられてありがたく思います。 四項目に渡る質問ですので、少々長くなるかも知れませんが、一生懸命答えますからカンベンして下さい(今から冷汗;)。 >1.危険なのに現に大腸菌というクローン方式が存在するのはどう理解すればいいのでしょう?なぜそうなのかというか。 >2.性が分離したのは、生物が子孫を残すための「生殖」という作業を「有性生殖」として効率良く行なうためだというのは、なぜでしょう?単一性で全員が全員と生殖可能という状況とどう違いますか? 当然の質問だと思います。有性生殖の優位性を説明することばかりに目を奪われて、一番肝心なことを忘れていました。多くの生物が進化の過程で有性生殖を選択し、遺伝子の多様性を生存の武器としたのは事実です。ですが、この世ではまだ進化は終わっていません。ですから、どちらが正しかったのかはまだ結論が出ていないわけです。ご指摘の通り、それがこのふたつの質問に共通する点だと思います。有性生殖の優位性と共に、無性生殖にもメリットがあります。改めてその違いに就いて説明をさせて下さい。 有性生殖では遺伝子を積極的に組み替えて、その結果を自然選択に委ねますが、大腸菌のような無性生殖生物が自らの遺伝子を進化させるためには突然変異に頼ることになります。 ご承知の通り、突然変異の起こる確立は大変低く、しかも、それが種にとって必ずしも有利に働くわけでもありません。有性生殖生物の進化にも突然変異は関与しますが、何時どの個体にその能力が備わるか判りませんから、いざ環境の変化が起こったとき、それではまず間に合いません。 ですが、大腸菌は一匹が二匹、二匹が四匹と、短期間で膨大な数の繁殖を行いますので、突然変異の回数も大幅に増えて来ます。運良く、その中にひとつでも環境の変化に適応できる突然変異を手にしたならば、大腸菌は絶滅せずに生き延びることができます。そして、養える餌がある限り、あっという間に元と同じ規模のコロニーに成長してしまいます。これが大腸菌の生き残り戦略であり、1番目の質問に対する回答です。 2番目の質問ですが、仰る通り、「無性生殖」「雌雄同体」「一般的な有性生殖」、これらを比べると、繁殖の機会を得るためには有性生殖が最も不利ということになります。そこで、敢えて「性の分離」が選択された目的は、繁殖に必要な機能や負担をオスとメスで分担するためだったと考えて良いと思います。 卵細胞というのは、人間の中で最も大きな細胞のひとつなんだそうです。そんなものと一緒にキン○マもぶら下げていなければならないというのは余り合理的な話ではありません。分担によって負担を軽くするメリットは他にもあると思いますが……、つまらない例で申し訳ないです。 妊娠、出産、そのための体の準備などを考えると、女性の負担の方が遥かに重いような気もするのですが、その分、男性が腕力によって種の繁栄に貢献していたという、古き良き時代もあります。現在は、家事も子育ても分担が社会の常識です (^ぇ^; たいした説明ではありませんが、このふたつの質問に関してこれまでを纏めると、 まず、無性生殖には「短期間でたくさんの子孫を残せる」というメリットがあります。それに比べると、有性生殖は繁殖の機会も限られ、時間も掛かりますので、安全、確実にそれを実行する必要があります。また、それなりの寿命も必要でしょう。 ネットを検索していたら、有性生殖のメリットに就いて、「個体単位で環境に適応しやすい」という言葉が見付かりましたので、それを使わせて頂きます。「個体単位」という言葉には、私には逆に、大腸菌は繁殖力というものを武器に、種全体が、生存と絶滅を賭けた力任せの戦いを挑んでいるのではないかというイメージがあります。 >3.減数分裂ってなんですか? 「減数分裂」というのは、精子や卵子など「生殖細胞」を作るときに染色体の数を半分に減らしてしまうという特別な細胞分裂です。 有性生殖を行なう生物の細胞は「二倍体」と言い、染色体が2セット入っています。染色体は幾つかの遺伝子を一纏めにしたもので、ヒトの場合は23個が「一倍体」、2セット計46個で「二倍体」です。ふたつあるのは両親からひとつづつを貰うからです。 両親もそれぞれ染色体を2セットづつ持っていますが、全部貰ってしまうと四倍体になってしまいます。同じ貰うにしても、小遣いならば多いに越したことはないのですが、これでは困ります。そのため、子供を作るための精子と卵子は「一倍体」で、染色体が半分づつしか入っていません。体細胞の分裂とは違い、精子や卵子は「減数分裂」よって作られた特別な細胞です。 このように、減数分裂とは子供に遺伝情報を引き渡すための分裂なのですが、実は、遺伝子の組み替えが行なわれるのもこのときなんです(厳密には染色体の組み替えと言わなければならないのかも知れませんが、この辺り、ちょっと自信ないです)。 我々は両親から貰った遺伝子をふたつ持っていますが、子供を作るときに渡して上げられるのはその半分です。とはいえ、どちらかひとつを選べというのでは両親に義理が立ちません。そこで、精子なり、卵子なりを作るときに、ふたつの遺伝子を混ぜ合わせてやるわけです。 同様に、我々が貰ったのは、母親が持っていた、おじいちゃんとおばあちゃんの遺伝子を混ぜ合わせて、そのときに作ったものです。つまり、我々は両親から遺伝子をひとつづつ貰うのですが、我々の身体の中ではまだそれは混ざり合ってはいません。それでも、ふたつの遺伝子は協調して働きますので、結果的には両親各々の性質や体質のどちらかが繁栄されているということになります。 では、どうして受精のときに手っ取り早く混ざり合ってしまわないのでしょうか? それは、予め混ざり合った二倍体を作ってしまうと、同じ両親から産まれる兄弟同士が全く同じ性質になってしまうからです。遺伝子はその都度混ぜ合わされるので、兄弟でもその組み合わせは異なります。このことも、種の多様性に大きく関わっています。 単細胞の分裂によって繁殖する大腸菌は一倍体ですし、太古の昔、生物はみんな一倍体でした。 二倍体生物が誕生したのは15~20億年くらい前だそうです。生物は二倍体に進化することによって、有性生殖と共に、減数分裂による遺伝子の組み替えという手段を獲得したんですね。 >4.ここから考えると医療ってものがなんであろうという気もしてきました。劣勢のものも優勢のものも生き残るという作業である。あたりまえだけど。ただ、種の保存には逆行することなのでしょうか? これは大変難しい問題ですが、意見を述べるのであれば、私は「判らない」です。 これでは質問の答えになりませんねえ。 実は、質問を拝見したとき、「死の本」ということだったので、真っ先に思い付いたのは、以前「ニュートン」に掲載されていた、東京理科大学の田沼靖一博士の書いた記事でした。そこには、アポトーシスや有性生殖を例に挙げて、生物の「性と死」の関係が説明されていたからです。最初の回答でそれを書こうとも思いながら、やや質問とずれてしまうので止めておいたのですが、この際ですから、更に長くなることをお詫びした上で(今さら何を)、簡単に紹介させて頂きます。 それによりますと、そもそも「死」というのは、生物が有性生殖を獲得したことによって発生したものなのだそうです。今から20億年前、二倍体生物が出現するまで生物に死はありませんでした。 大腸菌は個体間で遺伝子がそっくりそのままコピーされたクローンであると申し上げました。これがどういうことなのかと言いますと、生物である以上個体には寿命がありますが、クローンにとっては、それは「不死の世界」であるということなんです。 ですが、有性生殖によって産まれる遺伝子はその都度組み替えが成されているのですから、この世に同じものはひとつとしてありません。そして、それは個体固有のものですから、個体が死ねば無くなります。つまり、生物が有性生殖を獲得したことによって、初めて遺伝子も寿命というものを持つようになったというわけです。 では、この遺伝子の死の役割とはいったい何なのでしょうか。 前回、有性生殖を行なう生物は、種の存続に有害な因子を取り除くことができると申し上げました。問題のある個体は子孫を残す年齢まで生きられないからです。ですから、つまり、この死というシステムは、種にとって有害な遺伝子を個体と共に末梢する役割を担っているというわけです。 同様の方法で大腸菌の遺伝子を殺すことはできません。 もちろん、先ほど大腸菌が突然変異の結果を自然選択に掛けて、生き残った時点で世代交代といったことは申し上げました。ですが、突然変異が施されているとはいえ、基本的にはクローンには不死か絶滅かしかありません。そして、何よりもここで申し上げたいのは、であるならば、死を遠ざけるための「医療」は、種の保存と逆行しているのではないかということなんです。更に、死というものが進化によって獲得されたのだというのは大変興味深いことだと思います。 本来、生物の使命は子供を産んで子孫を残すことです。人間のようにその役割を果たしてから何十年も生きているというのはそれだけでも不合理ですし、でき得るならば、年齢を重ねて劣化した遺伝子が種に保存されることは避けたいはずです。ですが、調べてはいませんが人間の寿命は高度医療が開発される前から伸びる傾向にあったのかも知れません。ここまで来ると、人口爆発が文明の歪みであることを真向から否定できるものではありませんが、哺乳動物は押し並べて多分な寿命を持っています。それを考えると、命を賭けて遡上して来るシャケが気の毒です。ですが、私は回転寿司ではサーモンが好きです(何のこっちゃ)。 とはいえ、人間の寿命が延びるということは本当に無駄なことなのでしょうか。 まず、ここでひとつはっきりさせておきたいのは、「優劣」という言葉に就いてです。進化論に於いては、それは人間の価値観でなく、自然選択が判断することであるということは質問者さんも当初から言及しておられました。そして、その辺りは極めて重要なポイントであり、解釈しだいでは、進化論は人間の社会にとって「諸刃の刃」となります。 例えば、もし、「高齢化問題」で上記のような発言をしたならば、この回答が削除されても文句は言えません(このままでも充分ヤバイ、苦労して書いたのに)。 もし自然選択が、人間の寿命が延びることを容認するとするならば、それにはいったいどんな理由が付けられるでしょうか。例えば、人間が種の存続を果たすために文明というものを利用しなければならないというのであれば、余分な寿命というのは、世代間でそれを円滑に運用するための猶予期間ということになるのかも知れません。そして、これを巻き戻すと、人間は何故文明を持つのか、何故コンピューターを使うのか、何故道具を、何故火を、ということになります。 これに就いては、進化論ではコチコチのダーウィン派と言われる生物学者リチャード・ドーキンスが、「葉切り蟻」がアブラムシの養殖を行なうという生態などを例に取り、「利己的な遺伝子」という有名な著書の中で、遺伝子の利己性が個体の外に及ぼす「拡張された遺伝子」という概念でかなり突っ込んで述べています。今からそれを紹介するのでは日が暮れてしまいますが(現在もう既に夜半ですが)、この著書の骨子は、個体(生物)は単なる「遺伝子の運び屋」であり、生物が道具を使うのは、その目的を果たすために遺伝子が仕組んだことだ、ということになります。 生物の全てが運び屋として遺伝子の傀儡だとするならば、人間が寿命を伸ばし、文明を持つことを自然選択が容認する理由は何処かにあるはずです。何故ならば、遺伝子が操ることのできるのは人間ではなく、人間の生死を裁く自然選択であるからです。ですから、人間が医療技術を獲得することが、自然選択を介した遺伝子の企みではないとは、決して言えない、ということになります。 さて、言っていることが、いよいよ上手く纏まらなくなって来ました。この辺りが私のキャパシティーの限界です (^ぅ^; 最後に、質問者さんの「感想」に就いて一言。 随分昔の話ですが、初めて進化論に触れたとき、質問者さんと同じ思いに捕らわれた、私もかつては、そんな若者でした(イエーッ!)。

MONKEYMONKEY
質問者

補足

ありがとうございます。お礼は1000字までらしいです。補足なら入るようです。 ...あまりのエキサイティングなお話にしばらく放心状態。はっ(我に返る)、いや、こんなにスリリングなお話をお伺いできるとは。大変なことです!!!。 ◆まず、どしろうとのあてずっぽうまじりの質問の意図を完全に把握していただき、◆じゃあ、このあほにはこういう単語を選んで言ってあげようという気遣い、◆常識にしばられず、あらゆる可能性を切り捨てない平衡感覚。◆そして「場」を考えればありえない「非ヒューマニズム」にも言及してくださる誠実さ(なぜなら質問の意図がそこにあるから)。全てにありがとうございます。 ■有性生殖は無性生殖より複雑化したものだが、どちらが正解だったかという答えはまだでていない。素晴らしい。有性と無性すら生物の「多様性」と見ることもできるでしょうか?生命の保存という観点からみるとどちらかが生き残ればいいと言う意味で多様性。 ■大腸菌のシステムよくわかりました。突然変異が増殖してコロニーを築く。「M・リローデッド」のエージェントスミスを連想しました。 ■性分離の意味。驚くべき理由。なるほど。つまり「専門化」ですね。オスは投げる専門、メスは受ける専門。ピッチャーは投げる、キャッチャーは受ける。 ■有性は固体で環境適合、無性は団体で死んだり生きたりして適合を力任せに図る。 ここまででわからないところ 1.「無性生殖」と「雌雄同体」の違いがよく考えるとわからないことに気づきました。予想ですが、「無性」は倍倍ゲームで増殖するとの事ですので、1個が2個に2個が4個になる。1個が2個になるのは「生殖」と言えるのですか?あ、生殖というと「セックス」と同義と思ってましたが、「生む」という事なのか。つまり無性生殖とは細胞分裂のように増えることでしょうか?「雌雄同体」は雌雄両方の生殖器を全員が持っていて、どっちかがオス役をやれば相手はメスやくをやるという「両刀」のことでしょうか? 2.まとめのところで「それなりの寿命も必要」とはなぜでしょう。後に出てくる説明の「有害な因子を除く為」でいいのですか?いいのですよね? ■「減数分裂」とは生殖細胞に限り、精子と卵子は「合体」が予定されているためにあらかじめ染色体が半数にされると言うことですね。 ここでまた質問 3.両親の染色体がまざりあうタイミングがわかりません。「受精の時ではない」と言われてます。なぜ受精の時でないかというと兄弟がみんな同じになってしまうからと。その前に「遺伝子の組み替えが行なわれるのもこのときなんです」とありますが、「このとき」とは前文のどれをさしているのでしょうか? ■「そもそも「死」というのは、生物が有性生殖を獲得したことによって発生したものなのだ」これ凄すぎます。昔人間が不死を求める物語である「火の鳥」など読みましたが、われわれはとっくの昔に「不死」を捨てていたとは。もともと「不死」だったとは。 ■医療についての疑問はそれも含めて遺伝子の命令だと考えれば納得がいくというわけですね。胎児の指が生と死の出し入れによってあたかもコンピューターの「0」「1」のように形成されるということを学んでおきながら、「悲しい」とは私もヒューマニズムの殻をやぶれていませんでした。劣性が死んで優性が生き残るシステムでありながら、生と死の違いに「0」と「1」という差異しかないのならば、劣性が生きる事すら問題ではない。逆に優性が生き残る事に価値があるわけではない。 ■昔、一人暮らしをしていたとき。流しの下に入れっぱなしにしておいた「大根」。ある日扉を開けてみると、大根の横っ腹から直径1cmほどの「根」が一本にょきにょきと垂直に上に伸び、流しの底に到達し、干からびていました。生き残りへの執念。しかしこれは大根の形状からすると明らかに「奇形」でした。その奇形ぶりに私の全身が鳥肌化しました。 ■「2001年宇宙の旅」のディスかバリー号は木星を目指した(過去形になりますね)。 ■「エイリアン」や「遊星からの物体X」は別の生物を触媒とし自らの「運び屋」としました。 ■要するに地球もいつかは滅ぶのであれば、火星や他の銀河へ遺伝子を運ぶために人は生まれ進化したという事でしょうか。人間は大根の根でしょうか? ■ここが一番の質問点なのですが(おいおい)、女性は「強い男」に惹かれるのでしょうか「やさしい男」に惹かれるのでしょうか?又、「違うもの」にあこがれるのでしょうか「同じもの」に親しみを感じるのでしょうか?...もしかしてこの答えも「多様性」という事になるんでしょうか?ええっー、まじで~?。

  • ruehas
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回答No.1

こんにちは。 「死の本」面白かったですか? 荒俣宏に京極夏彦、このふたりの名前を聞いただけで科学あり、哲学あり、オカルトもありかな、って感じです。 >単性で生殖なしで子供を宿す種が仮にあったとして比較上どこが利点なのでしょう? 大腸菌など、単細胞の微生物がそうですよね。大腸菌は生殖をせず、分裂によって子孫を増やします。 この場合、遺伝子は分裂するときに別の個体にそっくりそのままコピーされますので、大腸菌は全ての個体が全く同じ遺伝子を持つクローンということになります。ですが、これは大変危険なことです。 例えば、もしそこにその種族の持つ遺伝子では対応できない環境の変化や伝染病が発生したらどうなるでしょうか。みんなが同じ体質なのですから、一匹残らずあの世行きということになってしまします。 ですが、ヒトも含め、有性生殖を行なうより進化した多くの生物は、個体の遺伝子がひとつひとつ違いますから、そう簡単に絶滅することはありません。この遺伝子の「多様性」を産み出しているのが「生殖」です。 性が分離したのは、生物が子孫を残すための「生殖」という作業を「有性生殖」として効率良く行なうためだったのだ思います。そして、種の存続のために「生殖」という手段を取るのは、遺伝子を組み替えるためです。組み替えられることによって、その種の遺伝子は環境の変化や様々な病気などに適応、対応するためのバリエーションを持つことができます。この遺伝子の「多様性」が環境適応能力となって種の存続にとって有利に働きます。 組み替えを行なうためには複数の遺伝子が必要です。ですから、生殖はふたつの異なる個体の協同作業でなくてはなりません。生物はそこに生殖細胞の「減数分裂」という手段も獲得しましたよね。 >生殖によって優勢の遺伝子を自然選択するのですか? そんなことはありませんよね。 幾ら有性生殖だと言っても、優秀な遺伝子を産み分けることができるわけではありません。 それが正常な遺伝子であれば生存が許されますし、もし、障害を持った遺伝子を持って産まれて来たならば寿命を全うするのが難しくなるという、だたそれだけのことですから、自然選択の原理は有性生殖も細胞分裂も変わることはありません。ですがその結果、問題のある遺伝子を持つ個体が子孫を残す確立は必然的に低くなります。 ここで注目しなければならないことは、生殖を行なう生物は、それによって種の存続を脅かす因子を遺伝子単位でひとつずつ取り除いているということです。それを刳り返すことによって、そのような遺伝子は種の中で数を減らし、やがて優良な遺伝子とその組み合わせだけを残して消え去ります。遺伝子の組み替えを行なわない大腸菌にはこのようなことはできませんから、有性生殖が自然選択をより巧みに応用した生存手段であると言うことはできるかも知れません。

MONKEYMONKEY
質問者

お礼

ありがとうございます。 ■死の本は 古来、哲学として人間が死をどう考えてきたか、あの世、宗教、をへて、生物的に死と生は分けがたいなどの話の中で生まれながらに細胞は死をプログラムされていて、そもそも胎児の形成が死と生の出し入れによって成立しているなどの話でした。 ■性分離編 なーるほど、よくわかりました。毎度生殖の度シャッフルが起こって指紋のごとく無二の個が生産される。たとえば3人対1でじゃんけんをするのに、3人ともグーを出すと相手(病原菌)がちょきを出せば全員生き残るが、パーを出されると全滅してしまう。全員生き残りより一人でも生き残る事を優先するなら3人はグーとチョキとパーを出すべきで、必ず誰かは生き残る。という事ですね。 ■優劣の選択はない編 これは少し悲しい話ですね。 劣と劣の組み合わせも差別なく生まれうるわけです。生まれてから(劣がゆえに)死んでゆく。劣は生まれて死ぬ事によって種の保存の片棒を担いでいる。うーん悲しい。単純に美しくも「確率」に委ねられているのですね。 ■質問 どしろうとなため、大変わかりやすくご説明いただけましたが、まだわからないところがあります。 1.危険なのに現に大腸菌というクローン方式が存在するのはどう理解すればいいのでしょう?なぜそうなのかというか。 2.性が分離したのは、生物が子孫を残すための「生殖」という作業を「有性生殖」として効率良く行なうためだというのは、なぜでしょう?単一性で全員が全員と生殖可能という状況とどう違いますか? 3.減数分裂ってなんですか? 4.ここから考えると医療ってものがなんであろうという気もしてきました。劣勢のものも優勢のものも生き残るという作業である。あたりまえだけど。ただ、種の保存には逆行することなのでしょうか? ■感想 こういうレベルで「恋愛」まで考えちゃうと不思議な気持ちになりますね。強いものに惹かれるとか、似たもの同士が、或いは逆に自分にないものにあこがれるとか、遺伝子がどこまで恋愛に作用してるのでしょうかね。

MONKEYMONKEY
質問者

補足

締めさせていただきます。 ほんとに感謝感謝です。 僕は最近回りにこの話題ばっかりしています。 勉強になりました。