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整備新幹線について
北陸新幹線や九州新幹線を建設していますが建設費用は国の負担だけではなく地元の負担(県や市町村)も大きいと聞きます。もしこれらの新幹線が完成したときにはいままでかかってきた建設費用及び運営費用を国や地方の負担なしで賄える思いますか?新幹線の運賃収入のみでできたら理想的なのですが。
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以下述べます歴史的経緯から、運賃収入のみで賄えるとは思えませんが。 JRの前身の国鉄は、国や地方(県)からの税金等の援助無しで、自力で資金調達して新幹線を建設しました。 つまり、建設財源は、税金による補助が一切無く、例えば、郵便貯金等の財政投融資など、金融市場からの高金利の借金でした。 東海道新幹線は世界銀行からも借りました。 国鉄として最後に開業した新幹線である東北・上越新幹線は、東海道山陽に比べて沿線人口が少ないし、需要もそんなに多くないので、 せっかく開業しても、東北上越新幹線からの純利益が、高金利の借金(建設債務)と並行在来線の赤字で食い潰されて、 国鉄の経営に何ら貢献せず、国鉄の赤字(長期債務)が雪だるま式に増えてしまいました。 並行在来線の赤字とは、これら東北・上越新幹線の並行在来線は、東海道山陽と違って沿線人口密度が稠密ではなく、過疎地も多く、 稼ぎ手の特急が新幹線に移行すると、赤字ローカル線に転落しました。 これらに続く東北盛岡・新青森区間、北海道、北陸、九州などの整備新幹線は沿線人口や需要などでもっと条件が悪く、 整備新幹線について否定的な考えが世間では醸成され、整備新幹線の建設は凍結されました。 国鉄の赤字がどうにもならなくなって、その改革として、国鉄は1987年に分割民営化されました。 膨大な赤字(長期債務)の大半はJRが相続せず、国民負担になりましたが、20年以上経った今現在も消えずに存在し、20兆円台残っています。 JR発足後、バブル景気の頃、バブルの影響で、地域開発にどうしても必要との地方の声に応じて整備新幹線建設凍結が解除されました。 その際、先述の東北・上越新幹線の反省から、国鉄と同じ方法で建設するとJRの経営に悪影響を及ぼすという事で、 建設財源として国や地方による税金での補助を認め、つまり整備新幹線の建設を公共工事とし、 なおかつ新幹線開業後にJRの経営に悪影響を及ぼす並行在来線の赤字区間をJRから経営分離する自由も認められました。 赤字を理由に経営分離された並行在来線は廃止か、地方自治体が出資する第三セクター方式の事実上の県営鉄道が運営を引き継ぎます。 以上記述しました経緯により、地方(過疎地)の新幹線の建設財源は運賃収入のみで賄えるとは思えません。 ちなみに、中央リニア新幹線は、地方(過疎地)の整備新幹線と違って、JR東海が税金をあてにせず自力で資金調達して建設する予定です。 つまり、開業後、建設借金を運賃収入のみで返済出来る、賄えるという事です。 本州の国鉄を今現在のJR東日本とJR東海とJR西日本の三社ではなく、東と西の二社で分割していたならば、 とてもじゃないけど、JRが自力で中央リニアを建設する事はありえないでしょう。 JR東日本と西日本、東海と違って、どちらも赤字ローカル線を多く抱えておりますから、余裕無いです。 取り敢えず、以上です。
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- 20100920
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そもそも東海道・山陽新幹線とその他の新幹線の路線では建設の経緯が全くことなるのでそのことは念頭に置かなければならないでしょう。 東海道新幹線が出来るきっかけは当時東海道線の線路容量が逼迫し将来の列車の増発がままならなくなると予測するので 複々線あるいは別線を検討したことから始まりました。 元々戦前に弾丸列車構想があって標準軌の高速新線を作る構想があって一部の区間で実際に工事に着手していたのです。 戦争の影響で中止されましたが新幹線として蘇らせたにすぎないのです。 確かに今ほどお金持ちではなかった日本でしたので世界銀行から借金して建設しましたがもし同じ工事を現代に行ったら不可能だったかもしれません。 なので元々そこまで需要も無い路線に新幹線を建設すれば平行在来線がどうなるか位子供でも予測できるでしょう。 この様な議論も満足になされずに強引に新幹線を建設したことに大いに問題があると私は思います。 欧州のように在来線と軌間が同じなら駅をそのままに高速のバイパスとして建設するなどで在来線のネットワークが生かせるのですが。
補足
”東海道新幹線を作った理由は需要が逼迫していたから”ということを認識でき、他の整備新幹線が このようなことと無縁であると確認できました。ただ東海道新幹線の建設に世界銀行から借金しておこなったことまでは知りませんでした。
- ndkob2011
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残念ながら全てを賄うことは困難です。 1、建設費が巨額なため、回収期間が数十年かかります。(線区の収入による) 仮に黒字となっても、自治体に支払う義務はありません。JRは株式会社ですから。 民営分割時の負債を完済している会社はありません。 全JRは巨額な借金を持っているのです。 2.、並行する在来線がある場合、その負担は自治体となっている。 この場合、黒字となった第3セクターは無い。国や県からの補助を受け続けていくわけです。 とりあえず。
お礼
新幹線とは無関係ですが大阪の某大手私鉄の地下新線の場合建設費の回収に30~35年かかると鉄道の雑誌に記載されているのを見たことがあります。(3年前の10月半ばに完成)回答をありがとうがざいます。
お礼
新幹線は黒字になっても並行する在来線の赤字で補助または第三セクター化せざるえない状況になってしまうのですね。詳しい歴史的経緯を説明してくれてありがとうございます。新幹線の問題にあたったら読み直してみます。