- 締切済み
MRI 分解能を決めるのは
こんにちは,MRIについて教えて下さい. 単刀直入ですが,どんなことがMRIの分解能を決めるのでしょうか. MRIは色々と磁場,電磁波を作り出す部品が入っているようですが, 均一磁場用の電磁石,傾斜磁場コイル,照射コイル,受信コイル, とあることを勉強しました.素人判断では,傾斜磁場コイルではないかと思うのですがどうでしょうか.どれだけ急な傾斜を与えられるかに掛かっているのではないかと思いました.傾斜が緩やかだと,ある位置と隣の位置で共鳴周波数の変化が小さいのかと思います.自分では真っ当な考えかと思いましたが,もしかしたらとんでもない的外れなことを言っているのかと危惧もしております.回答,修正,指摘,コメントなど頂ければと思います. ところで傾斜磁場コイルはどのようにして傾斜した磁場を作っているのでしょうか.二番目の質問になってしまいますが,勉強させて頂ければと思います. 宜しくお願いします.
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
みんなの回答
- sewingcough
- ベストアンサー率57% (99/173)
> なるほど,回答ありがとう御座います. > 磁場勾配の大きさが分解能に関わっているということですが, > するとなぜMRIのスペックを示す時に大抵が, > 均一磁場用の電磁石(または永久磁石)の磁束密度が > 代表的に表示されている(「XXXテスラ MRI」など)のでしょうか なるほど。それはもの凄くいい点にお気づきになりました。 というか全く説明しなくて申し訳ございません。 強磁場化することで確かに分解能は向上します。 静磁場が大きい=磁束密度が高くなるに従い プロトンの共鳴周波数は大きくなります。 一つは高感度化、つまりコントラストと撮像時間の改善です。 プロトンの共鳴周波数は大きいということは ゼーマン分裂が大きいということ、つまり、 プロトンスピンの基底状態と励起状態との間で エネルギー準位の差が大きくなるということです。すると ボルツマン分布に従い準位間で占有率の差が大きくなります。 MRIではこの準位間の占有率の「差」こそが そのまま検出可能なプロトンスピン数に相当するので、 ゼーマン分裂の大きさ=感度という図式が成り立ちます。 もう一つは、いま問題にしている高分解能化です。 磁気共鳴においては、共鳴周波数が大きければ 一般に周波数に対する分解能が向上します。 これはスライスやエンコードの分解能向上を そのまま意味しますので、強磁場化により 分解能が向上すると言って差し支えないでしょう。 また、技術的にも強磁場化した方が 磁場勾配を大きくできるのだと思いますが、 私は技術者ではないのでそれについては 残念ながら明確な回答ができません。 といっても、医療用は日本では3Tが上限 (アメリカなら4T)なんですけどね~。
- sewingcough
- ベストアンサー率57% (99/173)
> 素人判断では,傾斜磁場コイルではないかと思うのですがどうでしょうか. > どれだけ急な傾斜を与えられるかに掛かっているのではないかと思いました. > 傾斜が緩やかだと,ある位置と隣の位置で共鳴周波数の変化が小さいのかと思います. > 自分では真っ当な考えかと思いましたが,もしかしたらとんでもない的外れなことを > 言っているのかと危惧もしております. いえいえ、的外れなんてとんでもない。大正解です(笑) 磁場勾配が急=共鳴周波数の勾配が大きいので、 小さなVoxelでも隣り合うVoxelとの共鳴周波数の違いが大きくなります。 なのでスライス選択も、位相・周波数エンコーディングも 高分解能化が期待できます。 > 傾斜磁場コイルはどのようにして傾斜した磁場を作っているのでしょうか 静磁場コイルからの静磁場を一定にして、 グラジエントコイルという別のコイルから 付加的な磁場を供給することで傾斜磁場を作ります。 NMRをご存知ならシムコイルを想像するとわかりやすいと思います。 シムコイルでは普通は磁場を均一にしてやるのですが、 傾斜磁場を作る場合はそれをわざと不均一にして 磁場が線形になるように調整してやるイメージです。 グラジエントコイルの画像をネットで探したのですが いい画像が見あたりませんでしたので、 巨瀬勝美先生の本などを参考にしてください。
お礼
なるほど,回答ありがとう御座います. 磁場勾配の大きさが分解能に関わっているということですが, するとなぜMRIのスペックを示す時に大抵が, 均一磁場用の電磁石(または永久磁石)の磁束密度が代表的に表示されている(「XXXテスラ MRI」など)のでしょうか?
お礼
補足して頂きありがとう御座います. とても勉強になります. またひとつお尋ねさせて下さい. 「共鳴周波数が大きければ 一般に周波数に対する分解能が向上します。」 というのは,どういうことでしょうか. 共鳴周波数が大きくなったところで,各位置間での周波数の「差」が 大きくならない限り分解能は向上しないと思いますが. 繰り返しの質問で恐縮ですが,宜しくお願いします.