唯の一般人ですが、アイヌ文化や言葉に関心があり、少しばかりユカラ等の物語を読んでいる者です。
中には過激なものもありますが、ご質問の言葉に雰囲気が近いと思われる言葉を探してみました。
【ぶち壊す】toy'ko'perpa (トイコペルパ)
【潰れる】toy'ko'pene (トイコペネ)
【壊す、破壊する】wente (ウェンテ )
【潰す、こねる】nina (ニナ)
【こねて潰す】nina'nina (ニナニナ)
【叩きつける、投げる】sir'ekatta (シリエカッタ)
【ぶち殺す】toy'ko'rayke (トイコライケ)
【~をめった打ちにする】wen'kikkik (ウェンキクキク)
最後の「ウェンキクキク」だけローマ字表記が見つからなかったので、読みから推測して当てました(元の表記では「ク」は小文字表記です)。
なお、回答の参考にしたのは、以下のサイトです。
「アイヌ語電子辞書」
ttp://homepage3.nifty.com/tommy1949/aynudictionary.htm
(直リンクを避けるため頭のhは外しました。アイヌ語の語彙が豊富で、出来れば、左上にある「back」をクリックして、トップページも ご覧下さい。内容が充実した興味深いサイトです。)
「ようこそ、様似アイヌ言語文化研究所へ」
http://city.hokkai.or.jp/~ayaedu/hazime/home.html
1.アイヌ文化のページ
(↑こちらをクリックしてお入り下さい。アイヌ語の方言辞書が載っています。また、こちらのサイトでは伝統芸能、歌や踊りの紹介があります。)
* * * * *
アイヌ語の読みについてですが、アイヌ語はローマ字表記が主です。
読み方は特殊なものもありますので、以下のように幾つか書き出しました。
アイヌ語は比較的カナ表記が し易い言語と言われていますが、日本語にはない発音もいくつかあり、その大部分が単語(音節)の末尾に子音が来るものがそうです。
これらは、カナ表記するとき小文字で書かれます。
例えば、「ye」は「イェ」、「we」は「ウェ」、「wo」は「ウォ」と言うようにです。
他にも、「ca, ci, cu, ce, co」 と表記したときのカナ表記は「チャ, チ, チュ, チェ, チョ」 で発音は日本語と同じです。
*1「cis」(泣く)と表記した場合、カタカナ表記は「チシ」で、私のパソコンでは正しく表記できませんが、シは本来、促音表記のように小さく書きます。
また、音節の尾音 -s は、通常 sh(シ)(東京人の箸の「シ」の発音)のように発音します。
「sa,si,su,se,so」は、「サ、シ、ス、セ、ソ」と読みますが、アイヌ語ではサ行とシャ行の区別がありません。
そのためアイヌ語ではサ行・シャ行のローマ字表記は「s」に統一して表記します。
*2 「sumari」の意味は「キツネ」ですが、アイヌ語の読みとしては、「スマリ、シュマリ」の二通りあります。
また、アイヌ語に良く出てくるのが「r」の発音です。
これらは、カナ表記で小文字で「ラリルレロ」と表記するのが通例です。
出てくる場所によって少しずつ音が違って聞こえます。
前の音がア段の音であれば「ラ」に、イ段の音であれば「リ」に近く聞こえます。
*3 kar:カラ(作る)、pirka:ピリカ(美しい)、ker:ケレ(靴)
こちらも、先ほどの「cis」のカナ表記と同様に、私のパソコンでは正しい表記ができませんが、カラ、ピリカ、ケレ の「ラ、リ、レ」はそれぞれ小文字で表記するのが原則となっています。
発音は、日本語のラリルレロよりも軽く、あいまいなものとなります。
更に、特殊なのが「tu」の発音です。
水族館でも見ることが出来る、くちばしの美しい鳥エトピリカですが、これもアイヌ語で「etupirka」と表記します。
etu :エトゥ(くちばし)、pirka:ピリカ(美しい)
と、二つの単語から出来た言葉です。
*4 「tu」は、英語の「two」や「today」の最初の音とほぼ同じ発音です。
こちらの読みの解説は、
『アイヌの物語世界』中川 裕/平凡社ライブラリー
「アイヌ語のローマ字表記(カナ表記)、発音について」
http://www.geocities.jp/ainuitak/hyoki.htm
を主に参考にし、補足を加えて書いています。
リンク先では、ここでは書ききれなかった読みや発音について詳しく書かれていますので、是非ご覧になって下さい。
『アイヌの物語世界』は安価で入手しやすく、アイヌの伝承や文化についてなじみ深い著者が、詳しい記述が平易な文章で書かれており読みやすい良書です。
更に、こちらも併せて読まれると、更に言葉や文化に対する理解が深まると思います。
『アイヌ神謡集』知里 幸惠/岩波文庫
『カムイユカラと昔話』萱野 茂/小学館
二冊目は中古本しか手に入らないかも知れませんが、どちらも図書館で借りることが出来ると思います。
ともに著者がアイヌで、言葉と文化を愛し造詣が深い方達なので、お読みになれば感銘を受けられると思います。
作中にある解説にも大変感慨深いものがあります。
アイヌの世界観の知識が少しでもあると、言葉を覚えるのが楽しくなると思いますので、お時間があれば手に取ってみてください。
また、この場をお借りして、紹介文にある著者の敬称を失礼ながら省略させていただきましたことを お詫びいたします。
お礼
ご親切に、本当にありがとうございます!! とっても助かります! ありがとうございました!