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青年が女性のコートを破る話
昔現代文の問題集で読んだ小説を探しています。 舞台は戦後の日本。 青年が食べ物を持って歩いている。 そこに女性が現れて、食べ物を乞われる。 青年は女性が着ているコートを破かせてもらうことを条件に出す。 女性はしぶしぶ了解する。 青年は少し破ると、そこから女性の垢にまみれた肌が見える。 青年は食べ物を渡してその場から走り去る。 こんな内容だったと思います。 タイトルは木偏の漢字1字だったような気がします。 当時面白いと思い、今になって無性に読みたくなりました。 よろしくお願いします。
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かなり気になったので一所懸命思い出しました(笑) ◆三木卓『鶸』 多分これだと思うのですが、どうでしょうか。 お書きになったこととかなり違うものの、急所が合致するので。 少年と少女。少女が売っている餅を少年が買ってやる条件にレインコートを少し破らせろというんです。 ------- 「待って」少女はいった。「いいわよ」少年は身体を戦慄が走りぬけるのを感じ、もう少しで叫び声をあげるところだった。「よし」少年はいうとふりむいた。そこには冷たく光っている少女の眼があって少年をじっと見すえていた。少年は恐れを抱きながら少女の傍に近づいた。すると防寒帽とレインコートの襟のあいだから肌が見えたが、それは垢で灰色だった。少年はなるべくそこを見ないようにしてレインコートの袖をつかんだ。少女は身を震わせ、一瞬身をひこうとした。しかし少女はすぐに思いとどまり、逆に少年に近づこうとさえした。 ------- ソ連軍が進出してきた敗戦まもない混乱状態の、場所はたぶん中国、新京(現・長春)の街中。子供たちもぎりぎりの状態で生きている。この小説の忘れがたいシーンの一つです。
お礼
ああ、これです! なるほど、かなり違いましたね。 まさかレインコートを破る条件が餅を買うことだったとは(笑)。 「木」の位置も名前のほうにあったとは(笑)。 やはりここは名シーンなのですね。 さっそく本屋で買って読もうと思います。wktk すばやく、本文までつけていただき、ありがとうございました。