(269)二度目 bakanskyさんへの質問
最初の質問にご回答いただき、これを検討しました。
結論として、次のように指摘できると思います。
(a)この文章には婉曲な表現があって難しい
(b)大型の文章であるため、難しい。
この二つが原因して、
(c)質問者は、文節が変わると、主語を見失った。
[質問]
全体の概容は、bakanskyさんの回答に対する検討です。
このうち、(2)―d について、bakanskyさんは質問者に分かりやすく、
かなり丁寧に訳して下さいましたので、意味はよく分かりました。
そこで、直訳するとどうなるか。
試し訳を書きましたので、この点についての質問とし、ご回答いただきたいと
思います。よろしくお願いします。
(ll. 265-266) He does mischief to himself who does mischief to another, and evil planned harms the plotter most.
(ll. 267-273) The eye of Zeus, seeing all and understanding all, beholds these things too, if so he will, and fails not to mark what sort of justice is this that the city keeps within it.
Now, therefore, may neither I myself be righteous among men, nor my son—for then it is a bad thing to be righteous—if indeed the unrighteous shall have the greater right. But I think that all-wise Zeus will not yet bring that to pass.
[検討]
(1). and evil planned harms the plotter mostについて
この文は文節の区切りに注意すべき事が分かりました。
and | evil planned | harms|the plotter most
主語はevil planned であること、かつ、plannedは受動態である点がポイントでした。
(2)The eye of Zeus,| seeing all and understanding all,| beholds these things
too,| if so he will,|and fails not to mark what sort of justice is this
that the city keeps within it.について
(a)回答により、この文のtoo は前の文の副詞であること(後の文の副詞で
はないこと)
(b)if so he will は前の文の従属文として、配置されていること
このif は「譲歩」ではなく、「仮定」のifであること
(c)最後は、and文で結びとなること
(d) and fails not to mark what sort of justice is this that the city keeps within it.
について
この文章の主語はThe eye of Zeus であること。
このthatは関係詞で、thisを修飾すること。
この二点が重要なポイントでした。
*質問;この直訳は正しいでしょうか。
直訳;「ゼウスの目は、いかなる種類の正義も見逃さない事ということが、
この城市がその中に保持しているそれである」
意訳;「ゼウスの目は、この城市の中で行われている、いかなる種類の
<正義>も見落とさない」(偽証なら一層明解な気がする)
(3) Now, therefore, may neither I myself be righteous among men, nor my
son -- for then it is a bad thing to be righteous -- if indeed the
unrighteous shall have the greater right.について
(a) この文はif文であるが、次の構造である。
帰結節+for文の挿入+条件節
(b)したがって、if文(条件節)を文頭に配置すれば、分かりやすい。
If indeed the unrighteous shall have the greater right, may neither I myself be righteous among men, nor my son. for then it is a bad thing to be righteous.
(4)But I think that all-wise Zeus will not yet bring that to pass.について
(a)yet;「ましてや」の意味
(b)bring to pass;実現させる
(c)このbut文は直前の文と一体のもので、段落記号’.’は’,’に置き換えて
考えた方がよい。
以上
わざわざ名前を出していただき、光栄です。
(1)
> 主語はevil planned であること、かつ、plannedは受動態である点がポイントでした
実は、後で、evil planned について書いておけばよかったかな、と反省したのですが、Andromacke さんは、お分かりになられたようで、安心しました。
ただし、planned が「受動態」に相当するのかどうか、文法がさっぱりな私には自信を持って言えませんが、用語としては、別な言い方があるかもしれません(過去分詞?)。
語順を変えて planned evil という書き方も出来そうに思います。
(2) if so he will
実は、これも、後になって、ふと違う考えが頭に浮かびました。
これって、if he will so とも読めるんじゃないか、と。
「もしもゼウスさまが、そうお望みになれば」とも訳せるんじゃないだろうか、と(will はもちろん「意志未来」とかいうものでしょう)。
(d) Andromacke さんの意訳でよいかと思います。
ゼウスの目は、この城市の中で行われている、いかなる種類の<正義>も見落とさない
下記のように語順を変えても意味は変わらないでしょう。
ゼウスの目は、この城市の中で、いかなる種類の<正義>が行われているのかを見落とさない
(4)
> (c)このbut文は直前の文と一体のもので、段落記号’.’は’,’に置き換えて考えた方がよい。
この部分が、どの文をさしているのか、分かりかねます。
最後の But I think ... は、もちろん独立した文ですし・・・
お礼
いつもありがとうございます。 あつかましく、二度目の質問をさせていただきました。 ちょっと、気になったことについて、2件述べます。 (1) and evil planned harms the plotterについて このplannedは受動態か、能動態かについて。 「もくろまれた悪事(計画された悪事)がplotter をharmする」 と解釈されて、受動態という解釈で良いと思います。 能動態なら、「計画した悪事がplotterを」となります。 この文は「賄賂を貰った者によって、」が省略されているために、 受動態か能動態かの判別を難しくしています。結論は受動態でよいと 考えました。 (2)「ゼウスの目はいかなる正義も見逃さない」について これは文章が'justice'となっていますので、この通りです。 そして、話の趣旨は’justice’ですから、この通りです。 しかし、この文だけを見れば「ゼウスはいかなる不正も見逃さない」 の方が、分かりやすいし、読みやすいと思います。しかし、 この場面はヘーシオドスがペルセースに '真面目にやれ’と説いている 場面なので、原文の通りに訳す必要があるようです 疑問に思いましたが、読み直すと、このように考えられます。 以上