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商法・表見代理人について

商法の表見代理人についての質問です。 表見代理人の適用がある場合の要件の一つに ・外観の存在=実質的に判断するとありまして、 その理由が、「営業所が営業所たる内容を備えていない場合、本条による治癒の対象ではない」となっています。 本条による治癒の対象ではないというのはどういう意味でしょうか?

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回答No.1

どこに書かれている内容なのか分からないので、前後の文脈が分かりませんが... そもそも、表見代理というのは、「代理人らしい外観」を信頼した取引相手方を保護する趣旨の制度です。 表見代理人は、あくまで代理人「らしい」だけなので、真正の代理人ではありません。したがって、その効果も本人に帰属しない、すなわち無権代理であるのが基本です。無権代理である以上、勝手に代理された本人を保護する必要があります。 そこで、本人保護と相手方保護のバランスを調整する必要があり、その基本的な考え方が「外観」法理です。いかにも代理人らしい外観を作り出した場合には、実際に代理権が授与されていなくても、相手方からすれば代理人であると思われても仕方ないから、本人が責任を負いなさい、ということです。 営業所についていえば、「どこそこ営業所支配人」などの肩書きを与えた場合、相手方から見て「なるほど営業所の支配人だ」と思うような外観があるか、ということです。たとえば、ほとんど営業実態のない「営業所」の支配人だといわれても、(法律上の意味での)支配人だとは思わないのがふつうなので、本人(本店)に責任を追及することはできないことになります。 これは、あくまで「本来的に無効だが、誰がそのオトシマエを付けるのか」という話です。 ただ、事実上の問題としては、「有効な代理行為」があった場合と変わりません。けっきょく、相手方に対して責任を負うのは、本人だからです。そうすると、無権原の代理行為という瑕疵が、あたかも有効になったかに見えます。その意味で、表見代理の規定によって、「瑕疵が治癒される」といえます。 しかし、上述のように、表見代理の規定は、そもそも「オトシマエの付け方」の問題であって、「無効なものを有効にする」話ではありません。あまり区別せずに「瑕疵が治癒される」と書かれていることもありますが、その本当の意味が「瑕疵がなかったものと(法律上)みなす」ということなのか、「ダメなものはダメだが、オトシマエは付けろ」ということなのか、見極めが必要ということです。

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