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民法「無権代理行為」の問題で……
こんにちは。民法の「無権代理行為」の問題の解説でわからない箇所があったので教えてください。 問「無権代理の相手方が、代理権のないことにつき、軽過失で知らなかった場合、無権代理人の責任(117I)を追求できるか。(117条の「過失」に「軽過失」が含まれるか?というのが問題)」 解「表見代理が成立する場合には、無権代理人の責任を追及しえないとする立場から、117条の「過失」を通常の過失と考えると、117条が機能する場面がほとんどなくなってしまうとして、117条の過失を重過失に限定する。→しかし、表見代理が成立する場合にも、無権代理人の責任を追及しうると解すべき。(117条の「過失」を文理に反して、重過失に限定する理由はない。→さらに、実質的に見ても、無権代理人の責任が無過失責任とされていることの均衡からは、相手方に軽過失がある場合にも無権代理人の責任を追及するのは妥当でない。よって、通常の過失と同様、軽過失も含むと解する」 上記解説の最後の、 →相手方に軽過失がある場合にも無権代理人の責任を追及するのは『妥当でない』 ときているのに、なぜ →よって、通常の過失と同様、軽過失も含むと解する。 という結論になるのかがわかりません。過失に軽過失が含まれるのなら、『妥当である』が正しいのではないでしょうか。 どうかご指導お願いします。
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問題文を正確に読めていないだけです。 【XはAの無権代理人Yと契約、XはYに代理権がないことについて軽過失あり】 「前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が……過失によって知らなかったとき……には適用しない」(民法117条2項) 1.117条2項の「過失」は重過失に限定→軽過失あるXはYに117条責任の追及可 2.117条2項の「過失」は軽過失も含む→軽過失あるXはYに117条責任の追及不可 > 相手方に軽過失がある場合にも無権代理人の責任を追及するのは妥当でない。 この部分は→の右側のお話です。追及不可にすべきだということ。 > よって、通常の過失と同様、軽過失も含むと解する この部分は→の左側のお話です。どちらも2.の方だから、筋が通っているでしょう? 要するに、軽過失のXに責任追及を認めるべきではない→だから、責任追及できない場合を定めている117条2項に軽過失も含めるべきだ→117条2項の「過失」には軽過失も含む、ということです。
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書き方がわかりにくいのですが、要するに、「表見代理が成立する場合には無権代理人の責任は追及できないという前提で117条2項の過失を重過失に限定する説」に対して「両責任は並存していずれも追及できると解すべきで、117条2項の過失は重過失に限定する必要はない」という説(最判昭和62年7月7日)の根拠を述べているのですよね? その根拠は、 1.117条1項の責任が表見代理が成立しない場合の補充責任と解する理由はない。 2.重過失に限定するのは条文の文言に反する。 3.無権代理人は無過失責任という重い責任を負うのだから相手方もそれにふさわしい主観事情を備えているべきである。たとえ相手方の過失が軽過失だとしても相手に過失がある以上、"無権代理人の重い責任を負わせるのは妥当でない"。そこで、相手方に軽過失がある場合にも無権代理責任は追及できない、つまり軽過失もまた117条2項の「過失」に該当し、同条同項を適用すると考えるべきだ。 ということなのですが、3をもう少し詳しく言えば、 3-1.無権代理人の責任は無過失責任で非常に重い。 3-2.無権代理人の責任が重いこととバランスを取るために相手方にも相応の責任を負わせるべきである。 3-3.であれば、相手方に軽過失という落ち度がある場合には、無権代理人の責任を認めるべきではない。 3-4.つまり、相手にたとえ軽過失に過ぎないとしても過失がある以上、117条1項により保護するのは無権代理人の責任が重くなりすぎるので妥当でない。 3-5.だから117条2項の「過失」には軽過失も含むものとして、相手方に軽過失がある場合にも117条2項により117条1項の適用を排除して無権代理人は117条1項の責任を負わないと解するべきだ。 という理屈です。 筋はきちんと通っていますよ。 もし「相手方が軽過失の場合にも無権代理人の117条1項責任を追及するのが"妥当"」ならば、117条2項は「117条1項の適用を除外する規定」なのですから117条2項が適用にならないようにしなければなりません。すると、117条2項の「過失」には「軽過失を含まない」ものとして「軽過失の場合には、117条2項が適用に"ならない"。よって、117条1項が適用になるので無権代理人は117条1項の責任を負う」と考えなければなりません。
お礼
丁寧に回答していただいてありがとうございます。問題文がよく読めていなかったようですね。。申し訳ありません。色々詳しく書いていただいているので、この質問のページをプリントアウトして参考資料にさせていただきます。今後また質問する事があると思いますが、また見かけることがありましたら、どうぞよろしくお願いします。
- utama
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「前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が・・・過失によって知らなかったとき・・・は、適用しない。」 すなわち、相手方に「過失」がある場合は、無権代理人の責任を追及できないという意味ですよね。 ここで問題になっているのは、相手方=責任追及する側の過失です。無権代理人側の過失の有無は問題にならない(無権代理人は無過失責任)ということときちんと区別しましょう。 相手方に軽過失がある場合は無権代理人の責任を追及できないというのですから、責任追及できない場合の「過失」に軽過失が含まれるということでおかしくありません。
お礼
回答ありがとうございます。問題文がよく読めていなかったようです。。申し訳ありません。今後また質問する事があると思いますが、また見かけることがありましたら、どうぞよろしくお願いします。
- kasutori
- ベストアンサー率26% (308/1163)
117(1) 他人の代理人として契約した者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得る事ができない時は、相手の選択肢に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。 (2)前項の規定は相手が知っていたとき、もしくは過失によって知らなかった時、または制限行為能力者の時は適用しない。 これが無権代理人の責任です。つまりは善意無過失・追認無し・取り消し権の行使無し・無権代理人が行為能力者って事です。つまり過失の重軽は聞いてません。 重過失・軽過失に関しては判例があります。(最判昭62・7・7) 原審は過失を重過失と読むべきとしましたが、最高裁はそれを破棄し、文言通りと解しました。基本、相手方の選択肢は責任追及だけではないから って事です。てか、問題文はこの判例ですね。
お礼
回答ありがとうございます。今後また質問する事があると思いますが、また見かけることがありましたら、どうぞよろしくお願いします。
お礼
回答ありがとうございます。とてもわかりやすかったです。 それに問題文がよく読めていなかったようですね。。申し訳ありません。今後また質問する事があると思いますが、また見かけることがありましたら、どうぞよろしくお願いします。 他の皆さんも、本当にどうもありがとうございました。 頑張って勉強します!