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監査論の問題について

いつもいろいろな方に答えを頂きありがとうございます。 監査論の下記の問題が分かりません。 問. 借入金残高及び借入利率の変動が大きい方が、その変動が小さい場合よりも、借入金残高、借入利率及び支払利息の間に存在する関係を推測するのが容易な事が多い。 答え. ×誤り 借入金残高及び借入利子率の変動が小さい場合には、変動が大きい場合に比較して借入金残高、借入利率及び支払利息の間に存在する関係を容易に推測できる。 なぜ、小さい場合の方が、大きいよりも容易に推測できるのか? 良く分かりません。 よろしくお願いします。

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noname#138471
noname#138471
回答No.1

 非常に極端な例を考えると理解しやすくなる場合は多々あるものです。以下に2つの具体例を作ってみました。 (1) とある企業の経営者から、前期の財務諸表と当期の財務諸表を渡されて、たった1時間内で当期の財務諸表は適正であるという意見を表明してもらいたいと依頼を受けたとしましょう。こんな短時間では、2期分の財務諸表を比較する「分析的手続」か、経営者への「質問」くらいしか監査手続はできないでしょう。  すると、前期の財務諸表には借入金が250億円、固定負債に長期借入金としてが計上されていたのに、当期には50億円しか借入金が計上されていないことが分かりました。どうしてこんな減り方をしたのか経営者に質問すると、  > 営業キャッシュが余ったので、返済期日を待たずに3ヶ月ごとに50億円ずつ一気に返済してしまったんです。 という回答を得ました。  ついでに支払利息を見てみると、10億円が計上されています。この高額のわけを経営者に質問すると、  > 債権者が一風変わった人で、月ごとにサイコロを振って出た目のパーセンテージの年利率の利息を要求するのです。最初の頃は1%だったのに、後で6%も要求される月もありましてねえ。 という回答を得ました。 (2) とある企業の経営者から、前期の財務諸表と当期の財務諸表を渡されて、たった1時間内で当期の財務諸表は適正であるという意見を表明してもらいたいと依頼を受けたとしましょう。  こちらは、前期も当期も長期借入金が250億円を計上しています。さらに支払利息は10億円です。経営者に詳しく質問すると、  > 年利が4%で一定だったんです。250億円×4%=10億円。おかしくないでしょう。 という回答を得ました。  (1)と(2)と、どちらが通常の経済に照らして理にかなっているでしょうか。そして、借入金残高、借入利率及び支払利息の間に存在する関係を容易に推測できるでしょうか。それによって監査手続は大きく変わってくるはずです。  私ならば、(1)に分析的手続は適さない、むしろ実際の返済額や利息の実績額をチェックしたいと判断します。  それに比べて(2)は分析的手続が適し、昨年の借入利率がもし2.5%しかなかったら支払利息の額から借入額の簿外処理を疑うなどしたいと判断します。実際の借入金額は10億円÷2.5%=400億円かもしれないのですから。 <追記> 受験上は年に1回だけ利息を支払うという設例が多いですが、実務では借入金の利息は月ごとに支払うのがふつうです。

sinkocyo
質問者

お礼

詳しく回答を書いて下さってありがとうございました。 答えはもう返ってこないと思いましたが、助かりました。 とても勉強になりました。 (2)の方が分析手続きだけでよい=変動が小さい場合には、容易に推測できるという事ですね? ありがとうございました。

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