何度かお答えさせて頂いていますUmadaです。
何年かに一度くらい英文で論文を書いており多少の経験はありますが、それほど自信はないので参考程度に。
訳し方はいろいろあると思いますが、
A. However, we have no information about the origin of the shape A, whether it was formed by the/a collision with the/a ball or present originally.
(しかしながら我々は、形態Aの起源、すなわちボールとの衝突でできたのかもともとあったのかについての知見は持ち合わせない)
*形態Aの原因について比較的中立な立場をとる場合。ボールとの衝突によるのかもしれないし、もともとあったのかも知れない、と考えている。informationを"clear evidence"「確固たる証左」とする表現もある。この場合は「原因はボールとの衝突であるだろう」という筆者の推測が窺われることになる。
B. However, it was not clarified that the shape A was created by the/a collision with the/a ball or present formerly.
(しかしながら、形態Aがボールとの衝突でできたのかもともとあったのかは明らかになっていない)
*Aと同様、形態Aの原因について比較的中立な立場の場合
C. However, it is still under discussion whether the shape A was created by the/a collision with the/a ball or present originally.
(しかしながら形態Aが、ボールとの衝突でできたのかもともとあったのかについては議論のあるところである)
*衝突でできたことに対しやや懐疑的である場合の書き方。ただし、衝突でできる可能性を否定してまではいない。
D. However, we could not ascertain the origin of the shape A, whether it was created by the/a collision with the/a ball or not.
(しかしながら、形態Aの起源がボールとの衝突かどうかを突き止めることはできなかった)
*衝突でできたのだろうという推測は持ちながら、その確証がまだ得られていない場合の書き方
あたりいかがでしょうか。
最初をHoweverで始めたのは、その前が「形態Aが見られた(見つかった)」という議論であろうことを推測してのものです。日本語でもそうですが接続詞をうまく入れると文章の流れが見え易くなります。なおご存じの通り、改まった文章では文頭の「しかし」にButを使わず"However"を用います。同様に文頭のAndも避け、"Furthermore"にします。
theとaの使い分けは教科書に書いてある一般的なルールの他に、多少自分で経験しながら覚えていく必要があります。それより前の文章でcollisionについて述べられていたり、あるいは全く述べられていなくてもその分野の人なら知っているような特定のcollisionならtheを使います。そうでない一般的なcollision(例えば、ごく普通の鉄球を床に落とすような場合)ではaを使って下さい。A案でoriginの前の冠詞はtheにしていますが、これはaにすると「原因の(のうちの一つ)についての情報は持ち合わせない」となって意味が弱くなってしまいます。前段でshape Aについて述べているのであれば当然その背後に形成の原因も示唆されますから、ここはtheが適当だと考えます。
ballについても同じで、何か特殊なボール(そのボールを使わないとshape Aはできない)との衝突であればthe、ありふれたボールならaです。
日本人は「存在する」の訳語として何気なくexistを使いますが、大抵の場合はpresentが適当な訳語で、existは適当でないことが多いのでご注意ください。presentは既に世の中に存在することは分かっているが、その場所にあるかどうかを論じる場合(「試料の表面にフッ素が存在することが分かった」のような場合)に、existは存在自体が論じられている場合(「神はこの世に存在するや否や」のような場合)に使うそうです。
お礼
ご回答ありがとうございました。 非常に丁寧にいろんな場合を想定して英作していただいて とてもありがたく思っています。 たしかにこの文章の前後によって訳し方は変わりますしね。 冠詞やexistのことなどとても勉強になりました。 また分からないことがあったらよろしくお願いいたします。