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チャールズ皇太子は何故 the Prince of Wales ?
イギリスの皇太子や皇太子妃は何故 the Prince(ss) of Wales と呼ばれるのでしょうか。素人考えでは、the Prince(ss) of England ではないのかという気もするのですが。何故 Walesという地名が出てくるのでしょうか。どなたかご存じの方で教えて頂けましたらと思います。
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まず第一に、私たちが一般的に言うイギリスとはイングランドのみを指す訳ではないですよね。U.K.の事な訳です。 連合王国ですから、スコットランドやウェールズも含んでいる訳ですね。細かいところは省きますけども。連合王国の件に関してはあらためて質問されるなり調べるなりされると良いでしょう。 で、プリンス・オヴ・ウェールズなんですが その昔、ウェールズの首長はプリンス・オヴ・ウェールズと呼ばれていた訳です。ところが、イングランド貴族たちと争ったり、逆にイングランド貴族たちと結んでイングランド王に対抗したりなどが絶えないので、イングランド王はウェールズの平定を目指します。 1282年にエドワード一世が当時のネイティヴのプリンス・オヴ・ウェールズであるルーリアン・アブ・グリフィズ(Llywelyn ab Gruffydd)を討取りました。ところがルーリアンには後継ぎが無く、ウェールズ首長の家系が断絶したことに対して、ウェールズ人が非常に反発を持ったんですね。 そこで、1301年に王は長男であるエドワードにプリンス・オヴ・ウェールズの称号を与えて、まあ、ウェールズ人に対して懐柔策をとった訳です。 この息子の方のエドワードがのちのエドワード二世です。 これ以後、イングランド王家の継承者(と言うか長男ですね)にはプリンス・オヴ・ウェールズの称号を叙位することが慣例化しました。 そして、それ以前のプリンス・オヴ・ウェールズと区別するためにルーリアンまでをネイティヴ・プリンス・オヴ・ウェールズと呼びます。 また、様々な理由からプリンス・オヴ・ウェールズになりながら、イングランド国王に即位していない方もいますし、プリンス・オヴ・ウェールズとを経ないで国王になった方もいます。 以上、森護「英国王室史話」中公文庫を参考に回答しました。 たいへん面白い本ですから御一読されることをお薦めします。
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- d-y
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皆さんのおっしゃるとおりで、それほど付け加えることは無いのですが・・・ 一番のポイントは、Prince of Walesの“Prince”は「王子(=王様の息子)」の意味ではなく、「大公」の意味であるということ。 つまり、Prince of Walesは、ウェールズの王子様ではなく、ウェールズの王様(と言うとちょっと不正確な言い方になりますが、要するに君主)だということです。 Prince(大公)が君主である国は、ほかにはモナコやリヒテンシュタインがあります。 英語で言うとPrinceなんですけど、これらの国では「モナコの王様」「リヒテンシュタインの王様」と言ったりもしますね。 昔、イングランドの王様がウェールズを征服したとき、皇太子にウェールズ大公の名跡を継がせて、ウェールズを重視しているというポーズをとったのが、イングランドの皇太子がPrince of Walesを名乗るようになったきっかけだそうです。 ウェールズ大公を空位にしておくと、反対派の地元有力者が勝手にウェールズ大公を名乗って反乱を起こすのではないかという心配もあり、それを防止する意味もあったようです。
お礼
早々にご回答を頂き有難うございました。御礼申し上げます。
補足
d-yさんの解説でPrinceは「大公」を指すということを初めて知りました。言葉には色々な意味があるものですね。
- Agee
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『研究社 リーダーズ英和辞典』の"Prince of Wales"の項に、「英国国王の法定推定継承人である長男に国王によって授けられる皇太子の称号。もともとはウェールズのケルト族の首長の称号だったが、現用の意味はウェールズを征服したEdward 一世がのちのEdward二世にこの称号を授けたことに由来する」とあります。
お礼
早々にご回答を頂き有難うございます。参考になりました。
これは英語のモンダイではなくて、歴史のモンダイです。 と言いながら私もよく覚えていないので、詳しい方よろしくお願いします。 まあ、ぐぐったら大まかな話はすぐ分かると思いますけど・・・・とりあえずウィキペディアか何かで。 (読んだけどちょっと分かりにくい)
お礼
私もこれは純然たる歴史上の問題だと思ったのですが、英国史に詳しい方も、「英語」のジャンルでおられると思い、お尋ねしたしだいです。 お許し下さい(^^;
お礼
早々に大変わかりやすい解説をして頂き有難うございます。 イングランドとスコットランドの長年にわたる抑圧と忍従の歴史など、イギリスは歴史的に見て複雑な民族の流入や王国同士の確執の長い歴史を持つということは聞いていましたが、johnnybluesさんの解説で、その一端を垣間見たような気がします。杜護氏の著書も時間を見つけて読んでみようと思います。大変興味深い解説を楽しく読ませて頂きました。御礼申し上げます。