大日本帝国陸軍の場合ですと、
歩兵小隊長:少尉、中尉
歩兵中隊長:大尉
歩兵大隊長:少佐
歩兵連隊長:大佐
※ 歩兵連隊には二人の「連隊付 中佐」がいる。
※ 歩兵以外の騎兵や工兵の連隊は中佐が連隊長であるのが普通。
旅団長:少将
師団長:中将、大将
《平時の編成ではここまで。師団長は天皇が直接任命する「親任官」で、海軍の艦隊司令長官に該当する》
戦時になると、師団の上の組織が編成されます。
軍:二個師団以上で編成。軍司令官は中将、大将
方面軍:二個軍以上で編成。方面軍司令官は中将、大将。
帝国陸軍で「方面軍」が置かれたのは支那事変以降。
総軍:二個方面軍以上で編成。方面軍『総』司令官は大将。「**総軍」という名称ではないことが普通。
※ 日露戦争の際は、総軍に該当するのは「満洲軍」一つでした。
大東亜戦争の際は、最終的には
1) 関東軍
2) 支那派遣軍
3) 南方軍
4) 第一総軍
5) 第ニ総軍
6) 航空総軍
の6つの総軍がありましたが、最初の3つは「**総軍」という名称ではありません。
平時の陸軍では、師団長より上のポストというのは
参謀総長、陸軍大臣、教育総監
※ この3つの職を「陸軍三長官」と言い、陸軍で最高の職とされ、いずれかの職に就いた後は原則として「軍事参議官」となり、予備役編入を待つことになりました。
くらいしかありませんでした。そのため、支那事変以降に「軍」や「方面軍」や「特設師団」が多数編成されるようになると、既に予備役となっていた大将や中将が召集されてその職につきました。
なお、上記は大日本帝国陸軍の場合ですが、第二次大戦のドイツ国防軍に対比しますと、概ね
(日)師団 = (独) Division 師団
(日)軍 = (独) Korps 軍団
(日)方面軍 = (独) Armee 軍
(日)総軍 = (独) Heeresgruppe 軍集団
となると思われます。
お礼
返信ありがとうございます。 返信内容を拝見させていただき、あることに気付きました。 もしかしたら、私の質問内容は「陸軍」だけが対象になっているのではないかと。 そういえば、軍隊には陸軍以外にも、「海軍」や「空軍」もあるんですよね。 単純に考えすぎていたかもしれません。 詳しくいろいろと教えていただき、ありがとうございました。 とても勉強になります。