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大隊、中隊、小隊の命名規則について。
質問です。 (陸軍で)連隊の下に大隊、中隊、小隊とありますが、それの命名規則はどのようになっているのでしょうか。 (特に番号の振り方) 例えば、その連隊に111個も小隊がないのに第111小隊という名称がついているのを何かで聞いたか読んだかした記憶があります。 これは、第一大隊の第一中隊の第一小隊という意味なのでしょうか。 その他、命名規則や一般的な編成について教えていただけませんか。 連隊全般についてもお時間ありましたらお願いいたします。
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こんばんは。今年は寒い冬になりましたね。 >第1連隊第1大隊第1中隊第1小隊の、この小隊だけを、ないしは中隊だけを指すときにはどう呼んでいたのでしょうか。 例えば、新兵が配属されるとき、辞令には何と書いてあったのでしょうか。 隊や部隊を呼称するときのルールはありませんので、そのときの状況で臨機応変にやっていたと思います。例えば連隊の兵営(宿舎)内では誰もが顔見知りですので、単に「第3中隊」とか、中隊長の名を取って「山田中隊」とか言えばよかったと思います。 平時の兵営内の単位は連隊・中隊・班(内務班ともいい、これがそのまま小隊になり、3,4個集まって中隊になります)となっていて、大隊や小隊という単位はありませんでしたので、平和時の兵士の生活基本単位は中隊と考えてください。当時よく軍隊では「中隊長は父親、班長は兄と思え」という言葉が聞かれたようですが、当時の中隊の扱われ方が良く分かるかと思います。 戦時のしかも前線ではちょっと違ってきます。南方の小さな島では多くの部隊が入れ混じって闘うことはほとんどなかったので、それほど詳細に自分の所属する部隊を申告する必要はなかったかと思いますが、中国戦線やインパール作戦時では複数の師団が同時に戦闘行動を起こしていました。師団の兵力は平時で1万2~3千人、戦時でこの役倍近くにまで膨れ上がるので戦線が交錯し、かつ戦況によってはばらばらに敗走したときなど、まとまった部隊行動はなかなか取れない状況下では、最低でも所属連隊から申告することが必要となりました。 余談ですが、インパール作戦時には各兵団に漢字一文字の呼称名が付けられていましたので、このような際は「自分は菊兵団です」とか「龍兵団にいました」とか言っていたようです。 以前に書いたように大隊以下の部隊は、他の連隊の指揮下の大隊や中隊とナンバーが重複しますので、重複ナンバーのない連隊からの申告が間違いのないところということでしょう。 新兵の配属の時はということですが、新兵さんは入営(いわゆる入隊ですね)した時点で、ほとんどが地元の連隊所属の中隊に配属され、そのまま軍隊生活を続けるということになります。 >Wikipediaで見たところ、連隊は番号が重複することがないそうですが、件の連隊が歩兵連隊である場合、歩兵第111小隊ということになるのでしょうか。 (数字以外の名称が付けられていない場合) この場合は単に第1小隊です。連隊番号は重複はしませんが、大隊以下の部隊ナンバーは重複しています。終戦前までに日本陸軍には連隊が430個近くありましたが、これを単純に計算すると最後の連隊の小隊になると3万台のナンバーになってしまいます。 ただ連隊にしても他の兵科兵種(砲兵・騎兵・戦車・輜重・工兵などなど)にも連隊があり、1番からナンバリングされていますので、重複する連隊番号があるといえばあるのですが、これは申告の際に自分の兵種を頭につけて連隊番号を言えば済みます。 >数個連隊で一個旅団、数個旅団で一個師団となっているそうですが、師団や旅団はどのような(例えば普通科とか戦車とか)連隊が配属になっているのでしょうか。 また、師団や旅団という大きな物から見たときの小隊や中隊の呼称や取り扱いについて教えていただければ幸いです。 (これも、番号以外特段の名称が与えられていない場合で) まず部隊編制についてですが、これは平時と戦時とではかなり様相が違ってきます。 師団ですが陸軍の中では戦略単位と捉えられており、この部隊だけで総合的かつ自己完結的な戦闘行動が取れるようになっていますので、歩兵・砲兵(山砲、速射砲、野砲など)・騎兵(これは次第に消えていきました)・輜重(補給)・工兵などの連隊が。通信・衛生・野戦病院・武器勤務隊などと共に行動していました。 これに作戦内容によっては戦車連隊が付属した場合もありましたが、これらがすべて揃った師団はなかなか編制されなかったと思います。 旅団は陸軍の歴史の中でも編成がもっともめまぐるしく変化した部隊で、一言では説明しにくいのですが、師団全体が出動するほどでもない作戦の場合に、2個歩兵連隊の基幹部隊に戦車、騎兵、工兵などの部隊を臨時に配属させて、いわゆるミニ師団のような使い方をしたことが多かったようで、これを「混成旅団」といいます。 中隊や小隊の取り扱いということですが、師団や旅団から見た中隊や小隊の呼称はこれはもう千差万別で、番号で呼んだり隊長名で呼んだりしたのではないかと思います。戦時は防諜のために通称号と言われる、言ってみればニックネームのようなものが付けられていました。これが「通称号」と呼ばれるもので、部隊を固有の番号で呼ぶことはかなり抑えられていました。師団や連隊をそのまま言えば敵にこちら側の戦力や規模が知られるためで、師団・旅団は「兵団」、連隊・大隊は「部隊」、それ以下は「隊」という具合です。 例えば第25師団の師団長が高木で、第2連隊長が佐藤、第4中隊長が吉田なら、「高木兵団、佐藤部隊、吉田隊」となります。 一般的に軍隊というところは年数が経てばたつほどその組織は複雑になることが常識的で、一般の官庁や役所よりも事務処理が煩雑な組織と言っても良いほどでした。もちろん軍隊内にもきちんとした法やルール、決まりごとなどがあったのですが、これらも戦況によっては現場の部隊で拡大解釈されたり、あるいは平気で無視されたりしたようです。 これも余談ですが、陸軍黎明期のころは部隊のナンバリングはそのルールがしっかりしており、師団は東京の部隊を第1にして、その後の師団は北から順に番号を振って、当時の旧制高校のナンバリングと同じ手法を取っていました。 以上ほとんど基本的な立場からの回答しか出来ませんでしたが、参考になれば幸いです。
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- KITAIKKI
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こんばんは 補足質問了解しました。ただ時間が今はあまり取れないので、良かったら1,2日ほど待っていただければ幸いです。その際はがっつり書かせていただきます(笑)
お礼
ご回答ありがとうございます。 たびたびすいません。 はい、お時間があるときにご教授いただけましたら幸いです。 よろしくお願いいたします。
- KITAIKKI
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日本陸軍の部隊(通常大隊以上が「部隊」と呼ばれ、それ以下は「隊」と呼ばれていました)の番号の振り方ですが、例外を除いてざっくり言えば、師団から連隊・旅団まではその編制順に番号を順次付けていました。 大隊以下はそれぞれの連隊・旅団で1番から始まっていました。ですので第15連隊第1大隊第1中隊第1小隊があれば、第34連隊第1大隊第1中隊第1小隊も存在したということですね。 明治21年5月に編制された東京の第1師団から始まって、昭和20年7月姫路で編制された最後の第355師団まで、このルールはほとんど変わっていない筈です。唯一近衛師団だけは例外で、第1師団から第3師団のナンバーが通常の日本陸軍師団ナンバーと重複していますが、これは頭に近衛の文字が付くことで区別していました。他にも戦車師団や高射師団がありましたが、これらは省きます。 部隊の命名ですが、一般的には師団や連隊番号を明らかにしたくない場合(防諜の意味で)によく付けられており、その場合部隊の指揮官の苗字を付けて、指揮官が佐藤大佐なら佐藤部隊と呼んだりしていました。また軍管区を付けて呼ぶ場合もあって、中部軍管区の歩兵第61連隊ならその番号も変えて、中部第24部隊などと呼んでいました。 航空隊などは航空軍や航空師団に漢字一文字を当てたりもしており、第6航空軍などは「燕」の文字を使い、各部隊の頭に「燕」を付けさらに部隊ナンバーも変更していたようです。 部隊編制や連隊全般ということですが、正直扱う範囲が大きすぎてとても簡単には説明できそうにもないので、申し訳ありませんがこれは割愛させていただきます。もしピンポイント的な回答が出来そうな質問でしたら、喜んでお答えさせていただきます。
お礼
ご教授ありがとうございます。 大変勉強になります。 ご回答くださり、本当にありがとうございます。 馬鹿で恐縮ですが、第1連隊第1大隊第1中隊第1小隊の、この小隊だけを、ないしは中隊だけを指すときにはどう呼んでいたのでしょうか。 例えば、新兵が配属されるとき、辞令には何と書いてあったのでしょうか。 Wikipediaで見たところ、連隊は番号が重複することがないそうですが、件の連隊が歩兵連隊である場合、歩兵第111小隊ということになるのでしょうか。 (数字以外の名称が付けられていない場合) > その場合部隊の指揮官の苗字を付けて、指揮官が佐藤大佐なら佐藤部隊と呼んだりしていました 山崎部隊は最後までよくやった。 でおなじみのアレですね。 > 部隊編制や連隊全般ということですが、正直扱う範囲が大きすぎてとても簡単には説明できそうにもないので 申し訳ございません。 確かに質問が漠然とし過ぎておりました。 一般論として旧陸軍や陸上自衛隊の○○第○連隊について、でしょうか。 数個連隊で一個旅団、数個旅団で一個師団となっているそうですが、師団や旅団はどのような(例えば普通科とか戦車とか)連隊が配属になっているのでしょうか。 また、師団や旅団という大きな物から見たときの小隊や中隊の呼称や取り扱いについて教えていただければ幸いです。 (これも、番号以外特段の名称が与えられていない場合で) なんかまだ曖昧ですいませんが、お時間があるときで結構ですのでご教授いただけませんか。
お礼
お礼が遅くなってしまい申し訳ございません。 ご丁寧かつ詳細な解説、誠にありがとうございます。 非常にわかりやすく、大変勉強になりました。 本当にありがとうございます。 それでは、寒い日が続きますが、お風邪など召されませぬよう。 失礼いたします。