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Cuはメッキ、Alはスパッタ、なぜなのですか?
半導体配線プロセスについてご存知の方教えてください。”半導体配線プロセスでは配線材料がCuの時はCuをメッキで成膜しますが、Alの時はAlをスパッタで成膜する”と聞きました。なぜ、Cuはメッキ、Alはスパッタなのでしょうか?
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>Alはメッキではいけないのでしょうか? どうだろう。Alをメッキでつけること自体は可能だと思いますけど。 ただ、メッキってのは、普通は必ず種がいるんで、例えば、Cu配線だった、絶縁膜をエッチングして溝を作った後、(Cu拡散バリアをつけた後)、まずCuをスパッタで薄くつけて、その後で、メッキで本格的にCu配線をつくります。 Cuはメッキでつける、って言ってますけど、実際には、メッキの前にスパッタで種をつけるっていう処理が必須なわけです。 というわけで、そもそもメッキには必ずスパッタの処理もいるわけで、Al配線はスパッタで全部できるので、わざわざさらにメッキの工程を付け加えるのは無駄でしょう。 あと、メッキとかCMPとかは、ゴミを撒き散らすプロセスなんで、プロセス設計者からすると、できることなら使いたくない、っていう気持ちもあるでしょうね。最近は、まあ、普通のプロセスになってきたと言えるのかもしれませんが。 10年前くらいに、Cu配線の導入を本当に検討しだしたときには、メッキとかCMPとか、そんな汚いプロセスを、本当にインテグレーションできるのか、って多くの技術者が半信半疑に思ってた時期もあります。
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- rabbit_cat
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Al配線は、Alをスパッタでウェハ全体に成膜したあとで、ドライエッチングで、配線部分だけを残すことで作ります。その後、Al配線上に絶縁膜を重ねて成膜します。 Cuもスパッタで成膜すること自体は普通に可能です。 ですが、CuはいったんできたCuの膜をエッチング(選択的に除去)するのが大変なんです。 そもそもCuはイオン化傾向が低くてエッチングが大変ですし、がんばってエッチングしたとしても酸化物が気体にならないんでドライエッチングはできません。 なんで、Alで使っていた最初にウェハ全体に配線金属膜を成膜して必要ないところを取るというプロセスの代わりに、Cuではダマシンプロセスといって、最初に絶縁膜を全面に成膜した後、絶縁膜上にCu配線のパターンの溝を作っておいて、Cuをその溝の中にだけ埋め込むというプロセスを使っています。こうすると、Cuをエッチングする必要はありません。 ですが、この方法だと、深い溝の中にCuがきちんと埋め込ままれるか(ボイドができないか)というのが問題になります。 メッキはスパッタに比べてこの埋め込み性が格段に優れているので、Cu配線はメッキを使うことが多いです。 しかも、Cuのイオン化傾向が低いという性質が、メッキに関してはプラスに効いてきます。
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ご回答ありがとうございます。Cuがメッキである理由はよくわかりました。 Alはメッキではいけないのでしょうか?Alはメッキである必要がないからなのか、それともメッキできない理由があるのでしょうか?ご存知でしたらご回答ください。
お礼
ご解答ありがとうございました。 >メッキとかCMPとか、そんな汚いプロセスを、本当にインテグレーションできるのか、って多くの技術者が半信半疑に思ってた時期もあります。 確かにそんな気はしました。素人感覚でも、(特に)CMPに関しては、使い回しの板鑢に微細加工済のウエハーをゴリゴリ押し当てる乱暴で不潔な工程に思えます。しかし、それを半導体技術として実現したエンジニアには脱帽です。 勉強になりました。ありがとうございました。