何が分かれば問題が解けそうなのかを考えてみて下さい。
(2)
線分PQの長さを求めるためには何が分かればよいのかを考えます。
点Pと点Qの座標が分かれば、線分PQの長さが求められそうですよね?
なのでまず、「点Pと点Qの座標を求める」事から始めます。
この(2)の問題の中では、点Pのx座標は3だと書いてあります。
これを元に点Pのy座標を求めます。
点Pは直線y = -2x + 8上の点です。
なのでこの直線の式にx = 3(点Pのx座標)を代入すれば、
点Pのy座標が計算できます。
y = -2 × 3 + 8 = 2となり、点Pの座標は(3, 2)だと分かります。
次に点Qの座標です。
点Qは点Pの真横(つまり同じ高さ)にあります。
「高さが同じ」ということは、「y座標が一緒」ということですよね?
よって点Qのy座標は2です。
これを元に点Qのx座標も求めます。
点Qは直線y = (1/2)x + 3上の点です。
よってこの直線の式にy = 2(点Qのy座標)を代入すれば、
点Qのx座標が計算できます。
2 = (1/2)x + 3
この方程式を解くとx = -2なので、点Qのx座標は-2です。
よって点Qの座標は(-2, 2)です。
点Pの座標が(3, 2)、点Qの座標が(-2, 2)なので、
PQの長さは5となります
(なぜそうなるのかわからない時は、実際にxy座標に点Pと点Qをかいてみてください)。
(3)
長方形PQSRが正方形になるためには、
縦の辺と横の辺の長さが一致すれば良いですよね。
よって
(縦の辺の長さ) = (横の辺の長さ)
という方程式を立ててしまえば良いんです。
ところが各点の座標が分からないと、線分の長さは計算できません。
つまり問題文では「点Pの座標を求めて欲しい」と書いてあるのに、
この問題は「点Pの座標がないと解けない」んです。
こういう困った事態に対応するために、中学数学では「文字式」を習うんです。
点Pの座標が分からないと問題が解けないので、とりあえず点Pの座標を文字式でおいてしまうんです。
こうすると「点Pの座標は分からない」状態でも、「点Pの座標を使って計算する」ことができますよね。
あまり文字を増やしても計算が大変なので、
今回はとりあえず分からないものの中から1つだけを選び、
それに文字式を割り当てます。
とりあえず、点Pのx座標をaと置いてみます。
これを元に点Pのy座標を求めてみます(ここから先やることは(2)と同じです)。
点Pは直線y = -2x + 8上の点です。
なのでこの直線の式にx = a(点Pのx座標)を代入すれば、
点Pのy座標が計算できます。
y = -2 × a + 8 = 2となり、点Pの座標は(a, -2a + 8)だと分かります。
次に点Qの座標です(こちらもやることは(2)と同じです)。
点Qは点Pの真横(つまり同じ高さ)にあります。
「高さが同じ」ということは、「y座標が一緒」ということですよね?
よって点Qのy座標は-2a + 8です。
これを元に点Qのx座標も求めます。
点Qは直線y = (1/2)x + 3上の点です。
よってこの直線の式にy = -2a + 8(点Qのy座標)を代入すれば、
点Qのx座標が計算できます。
-2a + 8 = (1/2)x + 3
ここからxを求めます。
-2a + 8 = (1/2)x + 3
-2a + 5 = (1/2)x
xの係数(1/2)を消すために両辺に2をかけます
-4a + 10 = x
よってx = -4a + 10
以上より、点Qのx座標は-4a + 10です。
まとめると、点Qの座標は(-4a + 10, -2a + 8)となります。
点P、点Qの座標の求め方は(2)と同じでしたよね。
基本的に座標に数字を使っても文字式を使っても、
やることは同じなんです。
今回は縦の辺の長さも知りたいので、点Rの座標も求めます(線分PRが縦の辺なので)。
点Rは点Pの真下にあるので、点Rと点Pのx座標は一緒です。
よって点Rのx座標はaです。
点Rはx軸上の点です。つまり高さ0の点です。よって点Rのy座標は0です。
以上より、点Rの座標は(a, 0)となります。
点Pの座標は(a, -2a + 8)、
点Qの座標は(-4a + 10, -2a + 8)、
点Rの座標は(a, 0)と分かりました。
これで正方形の縦の長さ(線分PRの長さ)と横の長さ(線分PQの長さ)が計算できます。
縦(線分PR)の長さは点Pと点Rの高さ(つまりy座標)を考えればよいです。
PRの長さ
= (点Pのy座標) - (点Rのy座標) (y座標が大きい方から小さい方を引きます)
= (-2a + 8) - 0
= -2a + 8
横(線分PQ)の長さは点Pと点Qの横方向の位置(つまりx座標)を考えればよいです。
PQの長さ
= (点Pのx座標) - (点Qのx座標) (x座標が大きい方から小さい方を引きます)
= a - (-4a + 10)
= 5a - 10
最初に述べたように、長方形PQSRが正方形になるためには、
縦の辺と横の辺の長さが一致すれば良いですよね。
よって
(縦の辺の長さ) = (横の辺の長さ)
-2a + 8 = 5a - 10
この方程式を解くとa = 18/7
点Pの座標は(a, -2a + 8)なので、このa = 18/7を代入すると
点Pの座標は(18/7, 20/7)となります。
問題の解説はここまででしょうか。
最後に質問者さんに質問です。
何故線分の長さを計算するのに引き算を使うかは分かりますか?
何故線分の長さを計算する時、大きい方の座標から小さい方の座標を引いたのか分かりますか?
もし分からなければ、補足欄に書いて下さい。