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微積分の記号δ、d、Δ、∂の違い

微分や積分で使われる記号 δ、∂、d、Δ(ラプラシアンでなくて変量を表す記号でデルタの大文字を見たことがあります)の違いをおしえて頂けませんか。 ∂は主に偏微分を dは主に全微分を 表すと思うのですが他にも使用上の決まりがあるのでしょうか。 読んでいる本で P+∂Pδx   ―   ∂x という記述がありました。 この∂とδの使い方には特別の意味があるのでしょうか。

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回答No.4

●下記;『変分原理』・・・ここで最も代表的な用例がありますので,そこから・・・・ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%89%E5%88%86%E5%8E%9F%E7%90%86 作用積分I;   I=∫(t1→t2)L・dt  この積分範囲はt1のとき位置q(t1),t2のときq(t2)であり,t1≦t≦t2のときに『点q(t1)から点q(t2)に動く曲線C1』を考え,この曲線=経路に沿った積分をしています。積分Iはこの経路に沿った線積分です。   I=∫[C1:(t1→t2)]{L・dt}=∫[C1]{L・dt} と経路がC1であることを明示したほうが意味が解るのではないかと思います。  次に,もう1つの曲線C2;『始点・終点は同じで違う経路』を考えます。  この積分の変分δIは経路C1での積分I(C1) と経路C2での積分I(C2)との差をとったものです。  δI=I(C2) - I(C1)    =∫[C2:(t1→t2)]{L・dt}-∫[C1:(t1→t2)]{L・dt}    =∫[C2]{L・dt}-∫[C1]{L・dt}  これを簡単に表すために∂C=C2-C1を記号に使って,  δI=∫[C2-C1]{L・dt}=∫[∂C]{L・dt} と書くことも有ります。  このようにC1,C2,q1(t),q2(t)を定めたので,次のような関係が決まります。 (1)曲線C1,C2はあらかじめ定めたので,時間とともにその形が変わるものではない。(この図形のずれを示すものがδです。) (2)C1上の点q1(t),C2上の点q2(t)は,tの変化に伴ってそれぞれの曲線上を動いていくが、  ●始点・終点は同じである。   始点→t=t1で q1(t1)=q2(t1) ;δq(t1)=0   終点→t=t2で q1(t2)=q2(t2) ;δq(t2)=0  ●t1≦t≦t2に対して,C1上の点q1(t)とC2上の点q2(t)が定まる。   このとき    δq(t)=q2(t)-q1(t)  とすればこれはtの関数でえあり,ベクトル的に表すと『C1上の点q1(t) からそれに対して定まるC2上の点q2(t)に引いたベクトル』になる。  t1≦t≦t2について考えると,すべてのC1上の点について,その点がC2上の点にどのようにずれるかを表す無数のベクトルということになる。 (『C1上の位置』が決まるとδq(t)が1つ決まる=『δq(t)は位置の関数』と考えることもできます。例として適切でないので,ここでは触れません。)    一方,dtに対してdq1(t),dq2(t)を考えると,  dq1(t)/dt;C1上の点q1(t)での接線方向のベクトル →q1(t)に対してq1(t+dt)=q1(t)+dq1(t)を考えるとこれはC1上の点 ;dq1は同じC1上のq1(t)→q1(t+dt)に引いたベクトル  dq2(t)/ dt;C2上の点q2(t)の接線方向のベクトル →q2(t)に対してq2(t+dt)=q2(t)+dq2(t)を考えるとこれはC2上の点;dq2は同じC2上のq2(t)→q2(t+dt)に引いたベクトル  このようにδq(t)とdq(t),dq2(t)とは全く異なるベクトルです。特にδqはC1上の点からC2上に引いたベクトルであり,このベクトルはC1上の点が決まるとδqがただ1つ決まっているということに注意してください。単に違う記号を用いただけの違いと考えると意味が解らなくなります。 上記URLの記述にある次の2点が注意すべき点です。 ●1) この第3式・第4式に関しての次の記述。 『時間tとともに物体が運動する過程の上での微小変位dqとは異なった概念である。』『従って、変分δと時間微分(d/dt)は交換可能である。』 ・・・前半は上で示しましたので、後半部分を示します。  変分δ{dq/dt}の意味を考えると、これはtにおけるC1上のdq1(t)/dtとC2上のdq2(t)/dtとの差をとることです。そうすると,  δ{dq/dt}={dq2(t)/dt}-{dq1(t)/dt}  (∵変分はC1上の値とC2上の値の差をとるから)   =d{q2(t)-q1(t)}/dt   =d{δq(t)}/dt となって,『変分δと時間微分(d/dt)は交換可能である。』ことが示せました。 ※上記URLでは,これから,q(t)→q(t)+δq(t)ならば,   dq(t)/dt→d{q(t)+δq(t)}/dt=dq(t)/dt+d{δq(t)}/dt           =dq(t)/dt+δ{dq(t)/dt}   と書き換えられることが証明抜きで書いてあります。  ●2) ラグランジュ関数を求める際の積分で[(∂L/∂qドット)δq](t1→t2)=0となること(δIの積分での最後の行の第1項) 『δq(t1)=δq(t2)=0から第一項は0となる。』を使っています。 [(∂L/∂qドット)δq](t1→t2) ={(∂L/∂qドット)_t2・δq(t2)} - {(∂L/∂qドット)_t1・δq(t1)} ={(∂L/∂qドット)_t2×0} - {(∂L/∂qドット)_t1×0} =0 で第1項が消えています。その結果,きれいな『ラグランジュ方程式』が得られています。 以下の点についても注意してください。 ●3) 積分∫もδと交換可能です。   δI=∫[C2-C1]{L・dt}     =∫{L(q2)-L(q1)}・dt  と表される(同じtのときのC1上のq1(t)に対してLのとる値L(q1(t))とC2上のq2(t)に対してLのとる値L(q2(t))との差をとり,それを全領域で足し合わせればよい。)ので,     =∫δL・dt なので,   δ{∫L・dt}=∫{δL}・dt とすることができます。 ※ 変分原理は,簡単な場合には直接変分を用いて答えまで求めますが,そのように解を求めるのと等価な『ラグランジュ方程式の解を求める』ほうが簡単であり,ラグランジュ方程式から考え始めることが多く,『変分原理を用いてその式が作られている』ことが忘れられている場合が非常に多く有ります。 ●全微分と変分 F(x,y)が有ると,   dF(x,y)=(∂F/∂x)・dx+(∂F/∂y)・dy ですが,変分にも同じことが言えて,   δF(x,y)=(∂F/∂x)・δx+(∂F/∂y)・δy です。   質問の『P+(∂P/∂x)・δx』については,  平面上の点Q(x,y)についての関数P(Q)=P(x,y)があり,さらに二つの曲線C1,C2があって,x軸と平行な直線(δy=0)とこの曲線C1,C2との交点Q1(x,y),Q2(x+δx,y)がとってあり, P(x+δx,y+δy)でδy=0のときを求めていることになります。  P(x+δx,y)=P(x,y)+(∂P/∂x)・δx    

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回答No.3

#1です。 δについての補足です。 この文字δ(記号、デルタ)は、非常に小さい微小量、微小な差分を表す記号や特殊な関数の関数名などに使われる記号です。 級数や関数などの収束性を扱う場合(ε-δ論法)、 フルビッツの安定性判別などで、非常に小さい正の定数ε、δを表わす場合、変分法における変分(variation)作用素、 またディラックのデルタ関数δ(t)の関数名の記号、 クロネッカのδijの記号 などにも使われます。 その他詳細は参考URLをご覧下さい。

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%CE%94
gawal
質問者

お礼

やはりラウンドは変分用、dは全微分用でしたか。 たしかにデルタ関数や、クロネッカの記号などとしても使われいますね。一つの記号でもいろいろな分野で違ったものを表すために使われているのですね。 変文法は詳しくないのですが、いつか学ぼうと思っているので、心に留めておきます。 御回答ありがとうございました。

回答No.2

Δ、δについて >Δ;差分  実際に大きさを持つが、考えている変数xの大きさに対して、それを変化させる大きさΔxが無視できる程度に小さい場合。(|Δx/x|<1)  主に数値計算時にx=1に対してΔx=0.1や0.01のように実際の大きさを持つが、xに対して十分に小さいとき。  モデルを用いて考察するときに、実際の大きさΔxを持たせて考えておいて、極限としてΔx→dxと考えたりするのにも用いる。 >δ;変分  例えば「図形の面積」や「線分の長さ」のようにいくつもの点にたいして1つの値があり、その元の図形がちょっとづつずれた図形の面積や長さを考えその差を考える場合。(図形そのもののずれをδx、それに対する面積の変化などをδS。)  図形の変化などのように「変数の変域全体で『各点』のずれ」が有って、1つの点でなく「すべての点で場所の関数として変移が指定できる場合」(例;δx)やその全体の変化に対するある量の変化(例;δS=S(図形2)-S(図形1))などの場合に用いる。  それぞれに意味が違うので、考えるときはその意味に応じたd、∂(ラウンド)、Δ、δを使い分ける。微小量であることは同じ。  同じ切る道具でもカッターナイフとはさみと包丁とのこぎり。大工さんの小道具箱って感じ。

gawal
質問者

補足

御回答ありがとうございます。 読んでいた本の P+∂Pδx   ―   ∂x はichiro-hotがおっしゃる通り 「元の図形がちょっとづつずれた図形の面積や長さを考えその差」としてδが使われていました。 差分についての記述もわかりやすく、 「そういえば、そういう条件でよくΔを見たなぁ」と納得できました。 しかし、 >「変数の変域全体で『各点』のずれ」が有って、1つの点でなく「すべての点で場所の関数として変移が指定できる場合」 というのが未だはっきりと理解できません。 「場所の関数」というのはどういったものなのでしょうか。 δx以外にも具体的な例を教えていただけるとありがたいです。 もう少しだけ教えて頂けないでしょうか。

  • info22
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回答No.1

> ∂は主に偏微分を 偏微分では必ず∂を使います、 「独立変数を2つ以上有する関数」を1つの独立変数で微分する時は必ず∂を使います(ラウンドディ)。 z=f(x,y) dz={∂f(x,y)/∂x}dx+{∂f(x,y)/∂y}dy ∂f(x,y)/∂x など >dは主に全微分を 「独立変数が1つの関数」の微分や全微分で使います。 dy=f'(x)dx dy/dx=f'(x)など δは正しくは「∂」や「d」や「Δ」を使うべきだと思います。 > 読んでいる本で > P+∂Pδx >  ― >  ∂x この「δx」は「Δx」または「dx」のどちらかでしょう。 どちらかは、前後の文脈によります。