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和名抄 鶴の読み方について

鶴を調べようと和名類聚抄の鶴の項を読んでおりますが、なにぶんとも浅学の為以下の文を読み下してみましたので、間違いなどお気づきの点が御座いましたらご教示願います。 和名 巻第十八 鶴 四聲字苑云鶴 四声字苑に云う鶴 何各反和名豆流 ???和名ツル 似鵠長喙高脚者也 鵠に似て長いくちばし高い足の者なり 唐韻云(零+鳥) 唐韻に云う? 音零楊氏抄云多豆 音はレイ、楊氏抄に云うタヅ 今案倭俗謂鶴為葦鶴是也 今案ずるに倭の俗に謂われる鶴は、アシタヅ是為すなり 鶴別名也 鶴の別名なり 読み返し点も無いものですし、解説本も無いので困っております。 宜しくお願い申し上げます。

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  • kimosabe
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回答No.1

訓点付きの画像を見つけましたのでご紹介します。見にくい部分もありますが参考になると思います。 私自身の読みも示しておきます。 鶴 四声字苑に云ふ鶴は(何各の反。和名ツル)、鵠に似て長嘴、高脚なる者なり。唐韻に云ふ●は、(音レイ。楊氏抄に云ふタヅ。今按に倭俗、鶴を謂ひて葦鶴と?為る是なり)鶴の別名なり。 *( )内は割り注の部分です。 *「零+鳥」は●に置き換えました。 *「葦鶴と?」は「と」でいいかどうか自信がありません。 *「今按に」の部分も「今按ずるに」のほうがいいかもしれませんね。 「何各反」 これは中国で用いられた「反切法」と呼ばれるもので、漢字音を示すためのものです。「何各反」「何各切」といった形で出てきます。 tong という漢字音を例にとりますと、中国音韻学では、頭子音 t を「声(声母)」、ong の部分を「韻(韻母)」と呼びます。 「反切法」は反切上字で「声」を示し、反切下字で「韻」を示します。つまり「東、徳(tok)紅(kong)反」は「t+ong」で、「東」の音は「tong」になります。したがって「何各反」は、「鶴」の音が「カク」であることを示しているわけです。 以上ご参考までに。入力ミス・変換ミスがあったらお許しください。 余計なことですが締切をお忘れなく。

参考URL:
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/ho02/ho02_00180/ho02_00180_0003/ho02_00180_0003.pdf
hanatsukikaze
質問者

お礼

有難う御座います。反切法というのを初めて知りました。鶴以外でも多数あり、何だろうと思っておりました。 また早稲田大学のHP大変参考となりました。 もちろん締め切らず放置する様な恥知らずな真似を致しませんが、もう少しだけ皆様の御意見を拝聴したいと存じます。

その他の回答 (4)

  • kine-ore
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回答No.5

#3&4です。 柴田宵月→柴田宵曲の間違いでした。 >ご愛読書の「新編俳諧博物誌」岩波文庫を読んでみたいと思います。 できればまず、同じ岩波文庫中の「古句を観る」「評伝正岡子規」を尋ねられてはいかがでしょう。 文は人なりと申しますが、行間から滲み出てくる宵曲居士の人柄、その直(すぐ)な眼差しの先の境地の幾許なりとも翫賞が叶うとならば、これぞ生甲斐と呟きたくなる、そんな体験を「古句を観る」にはさせてもらえました。 ところで、「鶴」と季節に関しては、、万葉集中に44首ほどあるといわれる歌の中で、お挙げになられたそれぞれは、「多豆」の鳴き声にからんでいるように思われます。「たづむら」「たづがね」「たづさはる」「たづたづし」との縁語・類語の関係がやや勝った趣向を感じます。 曽良の句は、物の本によれば、「猿蓑」所収のこの句の前書「千鳥もかるや鶴の毛衣」として「無名抄」の典拠を示しており、また「松島」と「芦田鶴」が寄合(「類船集」)などの点を加味しての「擬人法」に気が惹かれます。(久富哲雄「奥の細道全訳注」講談社学術文庫) 芭蕉の方の「鶴脛」はそのままとも思えるし、山形の地であるからして、南の方の候鳥ではなく、北国の居鳥でもある丹頂の実景であるように漠然と思っていました。 有名な「蝉の声」の蝉の種類探しのように、一時の楽しみは得られても「句を観る」愉しみが薄れていく結果になってはもったいないことですし、そもそも「自分一個のおぼつかない標準によって、妄に古句の価値を判断してかかるよりも、もう少し広い意味から注意を払いたい」のであり、その観た結果がつまらないとしたら自分のような「観る者の頭がつまらないためで、古句がつまらないわけでは決してない」とも宵曲居士は呟いています。

hanatsukikaze
質問者

お礼

三度も有難う御座いました。曾良の句と無名抄については知っておりましたが、鶴脛の訳は、どの解説本も鶴の実景を見てとあります。 俳句は、季節をもっとも重視するのですが、秋にアムール川流域から飛来した鶴が明治初期に絶滅したのが、原因だと思っております。 大漢和辞典の鶴脛には、「衣が短いため、脛が長くあらわれてゐること」ということか、他の鳥を鶴と呼んでいたかです。 少なくとも季語ではないことだけは、事実かと思います。

  • kine-ore
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回答No.4

#3です。 >そもそも万葉集の夏歌にたづが出てきたために調べ始めました。 これはどの歌を指しているのでしょう。 もし4-575や11-2490での「蘆鶴の」であるなら、これは形容詞「たづたづし」を起こす「同音の序」として、延いては「哭(ね)」にかかる「枕」的役割でしょう。 私の敬愛する柴田宵月にいわく、 「鶴に関する文学は支那に多いが、漢土の鶴はいささか仙界に偏し過ぎた嫌がある」、 また「日本の歌にもまた鶴を詠じたものが少なからずある。しかし『万葉集』中のものを除けば、概して生趣に乏しく、動もすれば松上に巣を営んで画裡に化し去ろうとしている」、と。(「新編俳諧博物誌」岩波文庫)

hanatsukikaze
質問者

お礼

二度も拙い質問にお答え頂き有難う御座います。ご愛読書の「新編俳諧博物誌」岩波文庫を読んでみたいと思います。

hanatsukikaze
質問者

補足

新体系なので、旧国歌大観番号ですが、 8-1453 鶴之妻喚難波潟 閏三月 10-2138 多頭我鳴乃 秋の雁の前に飛来 10-2249 鶴鳴之 秋相聞 10-2269 鳴鶴之 秋相聞 15-3595 多豆我許恵須毛 六月 18-4116 多豆我奈久 たづがなく 閏五月二十七日 また、 松島や鶴に身をかれほとゝぎす 曾良 汐越や鶴はぎぬれて海涼し 芭蕉 は夏です。

  • kine-ore
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回答No.3

#2さんが「鶴の古代中国語の発音はhak(ハック)という音であった」と指摘されてますように、形声文字「鶴」はその音符(声)「カクが白い語源(白)から来ている。全身白色であるところから、この名がついた」(「角川漢和中辞典」)のであり、全身真っ白の大きな鳥の総称でもあったのでしょうか。 その「鶴」という文字は、万葉時代には歌語として「たづ」の訓(仮名書き)以外では鳥の名詞としては現れず、ただ助動詞「つる」に宛てられているだけです。 したがって和名としての「鶴」つまり「豆流」は、「鵠(くぐい・こうのとり・はくちょう)」に似てはいるが、実は「零+鳥」「多豆」のことであり、おそらく「葦鶴」を指すものだろう、とこの文献は言及しているのでしょう。 また、この「多豆」の漢字は「鶴」や「零+鳥」の他にも「霍乱(かくらん)」の「霍(かく)+鳥」の場合もある(「名義抄」)。 そういう意味ではむしろ「多豆」の方が「鶴」を含む白鳥の総称で、その中の特に「鶴」を限定するために「葦鶴」とわざわざ「葦」を冠したものでもあるのでしょうか。

hanatsukikaze
質問者

お礼

詳しい説明有難う御座います。漢和辞典の最高峰「大漢和辞典」は図書館で零+鳥は、チェックはしたのですが、鶴はしておりませんでした。 鶴を限定するためにあしたづ説深く参考になりました。 お三方に20点を差し上げたくなりました。 そもそも万葉集の夏歌にたづが出てきたために調べ始めました。ツルはそもそも冬鳥ですから。コウノトリ説は、鳴かないという決定打があり、他の鳥を調査中です。

  • Big-Baby
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回答No.2

kimosabeさんの回答でほぼ完璧だと思いますが、わたしの読みを付け加えさせていただきます。 何各反和名豆流 何各(かかく)の反(はん)、和名つる 何(k-a)、各(k-aku)なので、k-aの最初の子音kとk-akuの後の部分-akuから、k-akuという音だということがわかる。 ただ、現代中国語と比較しながら読むと、何は(ha)という音、各はkakという音なので、鶴の古代中国語の発音はhak(ハック)という音であったことが推定される。反切を調べることによって古代の音がわかります。 今案倭俗謂鶴為葦鶴是也 今案ずるに、倭俗、鶴を謂ひて葦鶴(あしたづ)と為(な)す、是(これ)なり

hanatsukikaze
質問者

お礼

ご回答有難うございます。古代の音が分かるというのは凄いですね。 この訓だと少し意味が違ってきますね。日本で所謂あしたづという鳥を鶴と書いているのか、中国で言う鶴をあしたづと呼んでいるのか。 1日だけ考えさせて下さい。

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