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枕草子 望月のくまなきを千里の外・・読み方
枕草子 「花は盛りに」(137段)の中の 「望月(もちづき)のくまなきを千里(ちさと)の外までながめ たるよりも、曉ちかくなりて、待出たるがい」の箇所につきまして、 この「千里の外」の「外」は「そと」でしょうか「ほか」でしょうか。私は千里のそと(空間的な外部?)と理解していたのですが、これは「千里のほか(千里以外)の意味だ」といわれまして、確かにそう書いてあるものもありました。どうも釈然としません。教えていただけますと幸いです。
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>枕草子 望月のくまなきを千里の外・・読み方 まず、「枕草子」ではなく「徒然草」だと思います。 次に「千里の外」は「ほか」のようです。岩波書店「新日本古典文学大系39 方丈記 徒然草」の本文は、「望月のくまなきを千里(ちさと)のほかまで・・・・」と「外」を「ほか」とひらがな表記しています。 本文がひらがな(変体仮名を含め)で書かれている場合、漢字に直すことはあります。しかし、漢字で書かれていた場合は、明らかな間違いである場合は除き、ひらがなに直すことはまずありません。難しい読みなどの場合はルビを振るようになっています。伝本は何種類かあるでしょうが、「新日本古典文学大系」に取られているほどですから、オリジナルに近いと考えられている伝本であったと考えられます。 そのような訳で影印本等で本文確認をしているわけでは無いのですが、「ほか」とひらがな表記しているのは、本文がひらがなで「ほか」と書かれていたからと想像されます。 しかし、なぜ「外」を「ほか」と読むかの根拠は分かりません。 そこで、大漢和で「外」を引いてみましたが、「そと」「ほか」は併記で、ほぼ同じ意味として扱っています。(地方などの意味はべつ) さらに、安良岡康作「徒然草全注釈下巻」ほか4、5冊の注釈本を読みましたが、全て「ほか」とルビが振ってありました。「新日本古典文学大系」を含め注も似ており、「白文集」または「和漢朗詠集」の白楽天の「二千里外、故人心」を念頭に置いてこの文は書かれているとあります。そこで「和漢朗詠集」の白楽天の「二千里外、故人心」を見ると、「じせんりのほか」とルビが振ってありました。どうも、平安から鎌倉期では「ほか」と読むのが通例であったようです。 以上、まとまりませんが、分かる範囲で書きました。参考までに。
お礼
タイトル間違えてしましご面倒だったと思います。たいへん詳しく教えていただきまして感激です。よくわかりました。ありがとうございました。