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農耕と稲作の起源について
人類の農耕と稲作の起源について調べています。 いくつかの説があるようですが、定説となっている発祥地と年代などについて、原典とされている資料と合わせてご教示いただけると幸いです。 よろしくお願いいたします。
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一考古学ファンとして大いに関心があり、詳しい方の回答を待っています。 私は回答できる立場ではないのですが、何らかのお役に立てればと思って回答します。 既読かも知れませんが、安田喜憲著『文明の環境史観』(中公叢書2004年5月発行)に記述されている「稲作の起源」は、核心をついていると思い、自分の考えの基本としています。 著者の主張の一部を紹介します。 稲作起源論を論じる上で注意しなければならないことは、「考古学者のお国自慢」である。 とくに農耕の起源は文明の先進性という問題と密接に関連しており、農耕の起源が恣意的に不当に古く論じられている。 そうしたなかで湖南省道県玉蟾岩遺跡から出土した最古の土器と4粒の種籾が、これまでのところ一定程度の信頼がおける稲作起源の最古の事例である。 (一部省略) それ故、稲作の起源は、(各地の遺跡の例を挙げてありますが略)1万4千年以上前までさかのぼりうる可能性はきわめて高い。 しかしそれと断定するためには、さらなるデータの蓄積が必要である。 (一部省略) 以上の理由により、現時点における筆者の仮説は、1万5千年前のベーリング亜間氷期の温暖化が、野生稲の分布の北方への拡大を促進し、その分布の北限地帯において、稲作が起源したというものである。 私は、研究者が上記のように自著で述べておられることから、農耕と稲作の起源については、「研究途上であるというのが定説」と思っています。 なお、この著書には、原典を含む多くの参考文献が記載されています。 また、麦作の起源についても考察されています。 人類が最初に麦作農耕を開始したのは、ヤンガー・ドリアスの寒冷期であると主張されています。 http://joumon-juku.com/books/2004_8.html
お礼
詳しい解説ありがとうございました。 例示いただいた本は寡聞にして知りませんでしたが、 とくに「考古学者のお国自慢」というご指摘には膝を打ちました。 参考にさせていただきます。