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抗体を作りにあたって。

このたび目的の遺伝子をpGEXに導入し融合蛋白質を作ったのですがどうも出来た蛋白質は封入体の形として存在しているようです。 出来た蛋白質を使いウサギで抗体を作ろうと思っているのですが、話によるとこの場合ゲルから切り出しそれを使えばいいと言われたのですがあまり理解が出来ません。 まず今回得た蛋白質をSDS-PAGEで泳動したものを切り出すと言われたのですがなぜ蛋白質が変性してしまったものを使えるのでしょうか。 またゲルを切り出す方法、その後の作業はどのようにすればいいのでしょうか。

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回答No.3

補足:リフォールディング タンパク質発現誘導させた大腸菌を破砕し、遠心して沈殿画分を取ってきます。これをTriton X-100を含むバッファーに懸濁させ、超音波で完全に分散させ、遠心します。沈殿を回収し、同じ操作を3~4回繰り返し、封入体を洗浄していきます。 つぎに、沈殿を塩酸グアニジンを含むバッファーに溶かし、遠心して上清を回収します。これを透析チューブに入れ、DTT入りのバッファーで透析します。このとき、段階的に塩酸グアニジンの濃度を下げていくとよい場合があります。また、透析ではなく希釈が有効な場合もあります。アルギニンが有効であるという話も聞きます。なお、タンパク質にS-S結合がある場合は穏和に酸化させる必要があります(還元型と酸化型グルタチオンを混ぜる等)。 透析後、イオン交換クロマトグラフィーなど通常のカラムクロマトグラフィーで精製します。GST等のタグを除去したい場合はこの段階で酵素処理するとよいかもしれません。 リフォールディング条件はタンパク質によって異なるので、条件検討が必要です。リフォールディングさせる必要がない場合は他の方法を選ぶのがよいでしょう。抗体作製の抗原だと、既に答えてくださった方のおっしゃるとおり、封入体そのものを抗原として用い、結果得られた抗血清をアフィニティ精製するというのも有効な手段ですね。ご検討ください。

kishi1986
質問者

お礼

長々と本当にありがとうございました。 とても参考になりました。 これからいろいろと検討させていただきたいと思います。

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回答No.2

ちょっと免疫の勉強をして、どのように抗体が産生されるかを理解するといいでしょう。 免疫細胞が適合する抗原の刺激を受けて増殖したり抗体を産生するとき、鍵になる抗原はまるのままのタンパク質ではありませんね。抗原提示細胞やマクロファージに貪食され断片化されたペプチド(おおよそ20残基以下)が細胞表面に提示されて、それがヘルパーT細胞に認識されることで免疫系が刺激されます。抗原タンパク質は断片化されて働くので、変性であろうと未変性であろうと同じことです。 タンパク質の立体構造に関係なく抗原決定基となる部位は存在しますから、たまたま、主にできた抗体が、未変性タンパク質では分子内部に折り込まれた部位に対するものであると、変性タンパク質でないと反応しにくいということは起こりえます。合成ペプチドで免疫するときは、親水性の領域をとか、両末端とか、外側位置する領域を予測して、そこから抗原に選びます。 >またゲルを切り出す方法、その後の作業はどのようにすればいいのでしょうか。 簡単には、CBBで染めてナイフで切り出し、そのまますりつぶす、あるいは乾燥させてすりつぶして粉末にして、アジュバントに混ぜるだけでいいです。 切り取ったゲルから電気溶出する方法もあります。CBBのかわりに冷KClにつけるとタンパク質が白濁して見えるので、バンド切り出し、透析膜に入れて電気泳動にいれて溶出します。 また、封入体はほとんどが発現させたタンパク質由来ですので、そのまま沈殿をバッファーで洗ったものを免疫に使うことも出来ます。

kishi1986
質問者

お礼

すみません丁寧な説明ありがとうございました。 免疫に関しては興味はあるのですがまだあまり勉強していない状態なものでご迷惑をおかけしました。 抗体を作る際ポリクローナル抗体ができるのは知っているのですが立体構造に関係なく抗原決定基になることは知りませんでした。 立体構造がとても重要だと思っていたものですから。 今回は本当にありがとうございました。

回答No.1

抗体の結合部位は抗原タンパク質の数アミノ酸を認識しています。SDS-PAGE後のタンパク質は高次構造は失われていても、その一次構造(=アミノ酸配列)は保たれています。ですので、変性タンパク質を抗原として用いても、そのタンパク質に対する抗体は得られます。ただし、変性タンパク質を抗原とした場合、問題がおこることがあります。目的タンパク質の認識配列がネイティブな状態では内部に隠れてしまっている場合は抗体が結合できなくなります。つまり、免疫沈降などの実験が困難になります。このような問題は合成ペプチドを抗原とした場合にも起こりえます。 SDS-PAGEゲルからバンドを切り出す場合は、コンタミネーションに気をつけて目的バンドのみを回収し、これを生理食塩水等に拡散させ免役します。私は業者に依頼しているため、自分ではやったことはないです。 封入体からタンパク質を回収・精製し、リフォールディングさせることもできると思いますので、いろいろ検討してみてはいかがでしょうか。

kishi1986
質問者

お礼

封入体のものもリフォールディングできるんですか?? 全く知りませんでした。 囲まれてしまうももうむりなのかと思いました。 つまりそれは可溶性蛋白質に変えることが出来るということでしょうか??