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ゲル電気泳動法について
核酸を電気泳動で測定する場合、単位質量あたりの電荷を等しくするためにSDSを用いる必要はあるのでしょうか? また、サンガー法では、測定するときのDNA断片は二本鎖みたいですが、なぜ複製に用いられた相補的DNA(複製で生成されていない側の鎖)も切断されているのでしょうか? また、SDS-PAGEの時には、変性剤としてΒーメルカプトエタノ-ルや尿酸を用いて、ジスルフィド結合や水素結合の切断を行うと思うのですが、これらを用いずにSDSのみを用いて電気泳動を行った場合、どのような違いが生じるのでしょうか?SDSにも変性の効果があるみたいなのでどうなるかわからなかったので教えてください。
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- geneticist12
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電気泳動での移動度は、分子の分子量とチャージの量、立体構造が関係します。同じ分子量とチャージをもつ分子でも、立体構造によってゲルマトリックスの通り抜けやすさがちがいます(球状だと移動度が小さく、直鎖状だと大きいとか)。分子量に応じて分離するには、分子の形状を直鎖状にそろえる必要があります。一分子あたりのチャージ量が同じなら分子量が大きいほど移動度が下がり、同じ分子量ならチャージ量に比例して移動度が上がります。分子量に応じた分離をするには、分子量あたりのチャージが一定でなければなりません。 まず、2本鎖DNAの塩基泳動で説明すると ・形状はすべて直鎖状である(環状などは除外したとして) ・チャージはリン酸基の-(マイナス)によるので、塩基対数とチャージは比例し、塩基対あたりのチャージは一定である。 なので、鎖長(≒分子量)に応じて分離されます。 RNAのような一本鎖の場合は、水素結合で二次構造をとり鎖長と移動度の関係が成り立たなくなるので、変性条件で水素結合を解いて泳動します。 タンパク質の場合は、タンパク質ごと、アミノ酸組成によってチャージ量が異なり(さらにプラスになることもマイナスになることもある)、立体構造もいろいろです。Native条件では、すべてのパラメータ総合的に移動度が決まるので、分離は出来ますがそれは分子量に応じたものではありません。SDS-PAGEではSDSがタンパク質の鎖長に比例して結合し、二次構造を解き、分子量あたり一定ののマイナスチャージを与えます。これにより、分子量に応じた分離ができます。 >変性剤としてΒーメルカプトエタノ-ルや尿酸 メルカプトエタノールやDTTの還元剤はS-S結合を切ります。分子内のS-S結合は立体構造の原因になりますし、分子間S-S結合は多量体を生じます。 尿酸ではなく尿素でしょう。尿素は水素結合を切って立体構造を解きます。ふつう、SDS-PAGEではSDS存在下で加熱して、熱による水素結合の解除をしたところにSDSが結合して、変性状態を保ちます。加熱が出来ないような特殊なタンパク質を扱うときは、加熱のかわりに尿素添加をすることがあります。 >、サンガー法では、測定するときのDNA断片は二本鎖みたいですが、なぜ複製に用いられた相補的DNA(複製で生成されていない側の鎖)も切断されているのでしょうか? 質問の意味がよくわかりませんが、 サンガー法では鋳型に対して合成されたDNA鎖のみに標識が入り、鋳型は標識されないので泳動されても検出されません。変性条件(普通は尿素と、ゲルマトリックスの温度を高く保つことによる)で電気泳動するので、合成され標識の入ったDNA鎖は一本鎖状態で分離されます。