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八角墳や八角形の建物がつくられた理由は?
みなさん、こんにちわ。 このところ、数字の8に悩まされています。 法隆寺の夢殿は八角円堂、 奈良の西大寺の東塔の跡の基壇は四角ですが、 称徳天皇は八角七重塔を建てるつもりだったようです。 (何かの祟りでダメになったそうです。) 京都吉田神社の斎場所大元宮は八角形の本殿に六角の後房を付けた建物ですね。 明日香村の野口王墓(天武持統陵)など八角墳もたくさんあります。 茶寿といって108歳のお祝いをすることもあります。 (草冠が二つの十、下は八十八に分解できるので20+88=108だそうです。) 8という数字には何か意味があるのでしょうか。 また、他のそれぞれの数字にも何らかの意味があるのでしょうか? 陰陽道では奇数を陽の数字、偶数を陰の数字と考えるそうですが・・・ このままではユメの中に8が出てきそうです~
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仏教では八に深い意味があります。 お釈迦様が亡くなり荼毘に付したのち、遺骨(佛舎利)は八分され八方に送られ祀られました。 四方八方ですね。 仏教では八大菩薩、八大竜王、八功徳、八解脱(げだつ)ほか多くの八のついた言葉があります。 それは別として佛舎利はさらに分けられ、多くの舎利塔に納められ信仰の対象になりました。 余談ですが佛舎利は限られた量です。 多くの舎利塔には換わりに水晶などの貴石が納められています。 初期の舎利塔はどこからでも拝めるよう円形でしたが、木造になるにつれ円形に近くより作りやすい、八角塔に変わって行ったといいます。 さらに六角、四角となり現在主流の四角の五重塔(これは舎利塔です)になりました。 八角三重塔などもかなり残っています。 八角円堂などのほか、仏教以外の建物にも応用されました。
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- dulatour
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お礼有難う御座います。 >ところで5角形や9角形などの建物というのは建てるのが難しいのでしょうか? 八角形は、一本の紐さえあれば作図ができます。5角形や9角形は、分度器などで角度を均等にしなければいけません。これは、古代人にとっては非常に難しい技術でしょう。 ただ、飛鳥や奈良朝のはじめでは、コンパスのように一本の紐を使って八角形が作図できるという知識すら最先端技術だったでしょうね。 「規矩術」という製図用の用語がありますが、「規」はコンパス、「矩」は物差しのことをいいます。コンパスと物差しを使って建築用材の計算をするというのが「規矩術」です。こうした、設計術にまず初めに注目したのが、渡来人との接触の多かった藤原氏ならではと言えるでしょう。
お礼
何度もありがとうございます! ナルホド、分度器ですか。 広隆寺の「ちょうな始め」を見に行ったことがあります。 ちょうなや墨壷、L字形の物差しなどが祀られていましたが そういえば分度器はありませんでした。 ただ下記を読めば、奈良時代にはすでに角度を測る方法はあったと考えられると思いますがどうでしょう。 http://blogs.dion.ne.jp/pentacross/archives/7224381.html それにしても、みなさんの深い洞察力には驚かされました。 みなさんのおかげで今まで知らなかったことや 考えるためのヒントをたくさんいただくことができました。 本当にありがとうございました。
- dulatour
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八角は藤原氏の美意識です。 本来、仏教の構築物は円であることが理想です。インドの墳墓は円形です。墳墓から発生した仏閣も円が理想ですが、土盛りでなく木材を利用する中国や日本の古代の建築技術では、円形の建造物を造ることは難しかった妥協の産物といるでしょう。 方形よりも円に近い「八角形」という複雑な構造物を作り上げたのか、藤原氏の権威の象徴であったのでしょう。 最古の八角堂である「夢殿」も聖徳太子の死後に藤原氏の財力をもとに建立されたものです。また興福寺も藤原氏の氏寺ですよね。 このように考えていくと、その建造物の由来が見えてきます。 因みに八角形というのは、半径で円周を分けていけば、簡単に作図できるものなので、狂いのない設計が可能です。また、正方形の角を均等に面取りしていけば、八角形が簡単に得られます。こうした点が八角形が多用された理由にもなるでしょう。
お礼
ありがとうございます! >八角は藤原氏の美意識です。 なるほど、そうかもしれません。 法隆寺、興福寺の他、栄山寺も藤原氏の寺ですし、 西大寺に八角形の塔を建てようとした称徳天皇は藤原不比等の孫ですものね。 ところで5角形や9角形などの建物というのは建てるのが難しいのでしょうか?
- yuhkoh
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中国や日本の八画形の仏教建築は、円を表すものです。 釈尊の遺骨(仏舎利)を納めた塚、つまりストゥーパはインドでは半球状で造られました。 ストゥーパを漢字に音写したものが「卒塔婆」であり、その略称が「塔」です。 塔は釈尊そのもの、あるいは仏教の真理を表すとして、各国の寺院で盛んに建立されます。タイでは半球状の塔をパゴダといいますね。 石造建築では半球状の巨大建築が可能ですが、木造ではそうはいきません。そこで円に近い形として、多角形の木造仏塔が考案されました。 日本では八角形の重層仏塔はほとんど建立されることなく、近世以前の建築で現存は長野県上田市の安楽寺八角三重塔(国宝)のみです。 もともと、六角や八角形の円堂が仏塔からの発展ですから、主に故人の冥福を祈る霊廟として建立されるものが多いです。 国宝の円堂は、法隆寺夢殿、栄山寺八角堂、興福寺北円堂、広隆寺桂宮院本堂があります。 参考『仏教美術事典』(東京書籍)
お礼
ありがとうございます! 確かにインドの塔は丸いですね。 法隆寺の夢殿はなぜ「八角円堂」というのかと思っていましたがそういうわけだったのですね。
補足
すいません、お礼の続きをこちらに書かせていただきます。 木造の建物で円形が作りやすいということはよくわかりました。 でも、土をつきかためて造る墳墓は円形ってそう難しくないですよね。 わざわざ8角形に造ってあるところを見ると、 やっぱり8に何らかの意味があるように思われるのですがどうでしょう?
- pri_tama
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取り合えず、8という数字の意味は…。 日本(中国の影響の有る地域)では8という数字は、大変縁起の良い数字です。(だから北京オリンピックは8月8日) 漢字の八は末広がりにも繋がりますし、特に古代日本においては、8 は聖数とされ、また、漠然と数が大きいことを示すのにも使われました。 (例:八島、八雲、八咫鏡、八重桜、八百万の神々) それ以外にも、方位を示す基準に八方(北・南・東・西・北東・南東・北西・南)があり、転じて八卦(乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤)があり、これが方位を示すと共に、万物・吉兆を示す物と呼ばれます。 そして、人が身につけなければ成らない8徳(仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌)というのも有ります。 さらに、仏教の基本教義に八正道(正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念および正定)というものが有り、涅槃に至る修行の基本となります。 取り合えず、宗教建造物が八角形なのはこの辺から来ているのではないでしょうか?
お礼
ありがとうございます! ナルホド末広がりですか。 北京オリンピックが8月8日に始まったのは縁起がいい日だからということは聞いた記憶があります。 数が多いのを示すのであればなぜ9ではいけなかったのでしょうか? また縁起がいいのであれば陰の数字ではなく 陽の数字の方がふさわしいんじゃないかと思ってしまいます。 9月9日は陽の極まる日で重陽の節句とされていて これ以上縁起のいい数字はないのではないかと思うのですが 陰陽道とは関係ないのでしょうか? 九重とか九十九髪という言葉もありますね・・・ 時代とともに数字のイメージが変わってきたということもあるかもしれないですね。 北京オリンピックが縁起のいい8月8日より行われたということは 現在中国では8は縁起がいい日だと考えられているということでしょう。 でも飛鳥時代や奈良時代に造られた塔や墓にそれがあてはまるかどうか? オニという言葉は陰(オン)よりくると聞いたことがあります。 鬼をあらわすのは方角では丑寅(東北)で京都御所の東北隅はわざわざ内側に凹ませて東北の角を作らないようにしているくらいで とても忌まれていたことがわかります。 なので八は末広がりで縁起がいい、と考えられるようになったのは もうちょっと後の時代じゃないかなあ、と思ったりしますがどうでしょう。 でも八は末広がりであるとか、八徳、八正道などとても参考になりました。 ありがとうございました!
お礼
ありがとうございます! 8は仏教的にみて深い意味がある数字なのですね。 ちなみに京都に蛸薬師というのがありますが 蛸が仏になったのは脚が8本あるからでしょうか。 他にも仏教用語には6のつく言葉も多いですね。 六道、六地蔵、六波羅蜜、六斎日、六字など・・・。 六道というのは死後輪廻する六つの世界のことですから 6というのは死後の世界を表す数字なのかなあ、と思います。 では8はどういう意味があるのでしょう? 単に数が多いことを示すのではないような気がします。 佛舎利が8分割されたというのもたくさんに分けられたことを意味しているのではないような? とても参考になりました。ありがとうございます。