- ベストアンサー
ベクトルポテンシャル
電流密度の式を導くには、 なぜ、ベクトルポテンシャル(A)を考慮すべきなのか? 自由電子の運動量がmvではなく、 mv+qA となるが、第2項目の意味は何か?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
おそらく、電磁場(真空)内で運動する質量m、電荷qの粒子に関する問いだと思います。違っていたらゴメンナサイ。 とにかくこのような系では、電場、磁場をそれぞれE、Bとすると、粒子に働く力は、 F = q{E + (v×B)} ・・・・・・・(1) なので、これからNewtonの運動方程式を書いていけばこの運動を記述できます。しかし、一般化された運動量Px,Py,Pzは、 ラグラジアンL が解らないと求められないですね、つまり、Px,Py,Pzは、ラグラジアンをそれぞれ、x,y,zの時間微分 x', y', z'(以後このように書きます)で偏微分したものですから。しかし、(1)を見れば解るように、力は速度vに 依存していますから、ラグランジアンを「(運動エネルギー)-(ポテンシャル)」から求めるのは非常に難しく、 それよりも逆に、オイラー・ラグランジュの方程式において、上の運動方程式と同値になるようなラグランジアンを見つ けた方が簡単になります。そのラグランジアンとは、 L=運動エネルギー+q(x'Ax, y'Ay, z'Az)-qΦ ・・・・・・・(2) です。これをx', y', z'で偏微分すると、「269nk」さんが書いた運動量、 Px=mx'+qAx, Py=my'+qAy, Pz=mz'+ qAz ・・・・・・・(3) が導かれます。 ところで、質問にずばり答えましょう。 この運動量の式のqAの項は、この系が速度に依存した力の場である特色を表しています。 ベクトルポテンシャルAを考慮する理由は、単に、EとBからAとΦ(スカラーポテンシャル)に代えることで計算が ラクになるからです。 (注意・・・上文中のF、E、v、B、Φ、Aはベクトルですから、太字にするか矢印が要ります)
その他の回答 (2)
- siegmund
- ベストアンサー率64% (701/1090)
siegmund です. 前の回答では大変失礼しました. さて,alien55 さんが回答書かれていますので,補足を少し. ベクトルポテンシャルと磁束密度の関係は B = rot A ですから 同じBを与えるAは無数にあります(rot grad Λ = 0 だから). ゲージの選び方の自由度と称しています. スカラーポテンシャルの方と合わせて表現すれば, A → A* = A - grad Λ φ→ φ* = φ + ∂Λ/∂t としても,EとBは変わりません. > ベクトルポテンシャルが、計算するうえで楽なので架空のものを想定したのか、 > あるいは、 実際、磁場の周りに回転して存在するのか。 上のように見ると,単に計算が楽のためにあるようにも見えます. それでも,Eのポテンシャルが電位(⇔電位差⇔電圧)ですから, 同じような意味でベクトルポテンシャルの存在意味はあります. ラグランジアン,ハミルトニアンでは直接のEやBではなくて ポテンシャルが入ってきますから,ハミルトニアンをつかう量子力学では ベクトルポテンシャルが本質的です. さらに,アハラノフ-ボーム効果というのがあります. 電子の通り道を途中で2つに分けまた一緒にする. 図が書けないので困るんですが, ドーナツに2本の棒をつけたようなものを想像してください. ドーナツのところが道が2つに分かれたというところです. で,分かれた道の中空部(ドーナツの穴)だけに磁場を通します. 電子は中空部を通らないから,磁場のないところばかり通るわけです. では,磁場を通しても通さなくても同じか? そうはならなくて,磁場を通すと干渉効果に違いが出てくることが実験で 確かめられています. 実は,磁場はドーナツの穴のところだけでも, ベクトルポテンシャルは全体に広がっています. このアハラノフ-ボーム効果は, 電子がBそのものではなくてAの効果を感じていることを直接示す実験です. 超伝導での同様な効果はジョセフソン効果として知られています. そういう意味でも,ベクトルポテンシャルは実在的意味があります.
お礼
回答ありがとうございました. もう少し,勉強してみます。
- siegmund
- ベストアンサー率64% (701/1090)
質問の言葉遣いからして, レポート問題(?)をそのまま書いているように思えるのですが..... 違っていたら失礼. どういう立場の方で,どの程度のレベルの話か, どこが困っているか,など補足下さい.
補足
大変、遅くなってしまってすみません。 レポート課題では、ありません。 本を読んで勉強していたのですが、 電流密度の式は、ベクトルポテンシャルを考慮すべきだ という具合にかいてあったのですが、 なぜ、考慮すべきかわからなかったのです。 ベクトルポテンシャルが、計算するうえで楽なので架空のものを想定したのか、 あるいは、 実際、磁場の周りに回転して存在するのか。だとすると、、、という具合でした。 もしよろしければ、 説明等、おねがいします。
お礼
ずばり答えていただいて、ありがとうございました. もうすこし、勉強してみます。