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利益相反取引(親会社-子会社間)について

親会社甲会社 代表取締役A 平取締役B,C,D 子会社乙会社 代表取締役B 平取締役A,C,D,E,F 親会社は子会社の株式を90%保有 (のこり10%は、E,F) という2つの会社なのですが、このたび子会社乙の銀行からの借り入れ対して、親会社甲の不動産を担保提供する必要に迫られています。 この不動産担保提供は、Bが子会社乙の代取であるため、利益相反取引にあたると思うので、親会社甲の方で、取締役会の決議をもって、不動産の担保提供を承認したいと思っています。 ところが、親会社甲の代取A,平取C,Dも、全員子会社乙の平取であるため、親会社の取締役全員が特別利害関係者となってしまって、親会社甲の取締役会での決議ができないのでは???と危惧しております。 当事例だけではなく、親会社甲が、子会社乙の銀行からの借り入れを保証したり、子会社乙の増減資に対して親会社が出資したりするときも、親会社甲の取締役会での決議ができないにでは、、、と悩んでおります。 すべてのケース(担保提供、債務保証、子会社増減資に出資)で、親会社甲では、株主総会での決議が必要になるのでしょうか? よろしくお願いします。

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  • 17891917
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回答No.1

 下記判例によれば,代表取締役をしている会社のためにする保証契約は利益相反行為に当たります。 【最高裁昭和45年4月23日判決】  「甲乙両会社の代表取締役を兼ねている者が、甲会社の債務につき乙会社を代表してする保証は、甲会社の利益にして、乙会社に不利益を及ぼす行為であつて、会社法356条にいう取締役が第三者のためにする取引にあたる。」 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=27346&hanreiKbn=01  担保提供,保証,増資のすべてについて,親会社に損失を与える可能性があることから,乙の代表取締役B氏を基準に考えれば,利益相反行為となるでしょう。  これらの行為について,親会社の取締役が子会社の平取締役を兼ねている場合に特別利害関係人(会社法369条2項)となるかについて,明示した判例は見当たりません。  特別利害関係があるとされた事例としては,「代表取締役の解任に関する取締役会の決議については、その代表取締役は、特別利害関係人にあたる。」とした判例(最高裁昭和44年3月28日判決)があります。  この判例は,特別利害関係人にあたるとすることについて,取締役が一切の私心を去って,会社に対する忠実義務(会社法355条)に従い公正に議決権を行使することが必ずしも期待できないことを理由としています。 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/B2FD21040F4C72D249256A85003122CC.pdf  最高裁判例のような事例では,公正さを求めることは明らかに無理がありますが,本件において,子会社の代表取締役B氏はともかく,平取締役までが「一切の私心を去って,会社に対する忠実義務(会社法355条)に従い公正に議決権を行使することが必ずしも期待できない」とまで言えるのかは疑問があります。  貴社において,取締役が公正に議決権を行使できるという合理的理由(株主に説明できる理由)があれば,平取締役については,特別利害関係人としなくともよいのではないでしょうか。

yue2008
質問者

お礼

丁寧な解説で、非常に参考となりました。 平取締役の兼任について、同族会社では兼任しているケースなどが多いような気がしますので、特別利害関係者とみなされる判例等がないというのは意外でした。 ありがとうございました。

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