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「逃退く」のよみ
こんにちは。 「逃退く」はなんと読めばいいでしょうか。 「しりぞく」でしょうか。 どの辞書を見れば正解がわかるかも、一緒に教えていただけると嬉しいです。辞書にあたって確かめたいので。
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質問者が選んだベストアンサー
青空文庫に「後の業平文治」(三遊亭圓朝)という作品があり、 その中に --- 時に石川土佐守殿、 「其の方の心底(しんてい)はよう相分ったが、 左様の義侠心を持ちながら何故其の場を逃退(にげの)きしぞ」 --- という文がありました。 私の持っている国語、古語辞典には載っていませんでしたが、 「にげのく」と、ひらがなで検索すると、 幸田露伴など昔の文章が数件ヒットしたので、 これであっていると思います。
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- jo-zen
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ANo.4のjo-zenです。肝心の質問への答えが一つ抜けていたようなので補足します。 >どの辞書を見れば正解がわかるかも、一緒に教えていただけると嬉しいです。辞書にあたって確かめたいので。 ⇒辞書には収録されていない言葉のため、残念ながら「逃退く」をそのままの形で調べようと思っても見つけることはできません。そうした場合、言葉を分解して調べればいいのです。あとは、そこから得られた情報を元に合理的判断をするしかありません。 一例として「わらう」で考えましょう。「嘲笑う」「冷笑う」「高笑う」「弱笑う」などという言葉の見かけた場合、「嘲笑う」「冷笑う」については、「嘲笑(ちょうしょう)」「冷笑(れいしょう)」を辞書で見つけることができますから、比較的簡単に、「嘲笑う」「冷笑う」の形で「わらう」と読ませたいということがわかると思います。「高笑う」についても、「高笑(こうしょう)」は辞書にはありませんが、「高笑い(たかわらい)」という言葉は辞書にありますので、「高笑う」の形で「わらう」と読ませたいということが推測されると思います。そしてここからが肝心ですが、「弱笑う」については、「弱笑」を辞書からは見つけることはできないと思います。私が思いつきで作った造語ですから。しかし、#4で説明したような考えを進めれば、これを「わらう」と読むことは難しくないと思います。
補足
その後、「日本国語大辞典」に「にげのく(逃退)」という項目が載っているのを見つけました。用例2個もあわせて載っていました。 一応、今後この質問を参照する人のために、書き残しておきます。 失礼致します。
- jo-zen
- ベストアンサー率42% (848/1995)
一般には「逃退く」という言葉はありません。小説家などの造語の可能性が高いと思います。 漢語「○○」+「送り仮名」の形で、漢語を和語に転換することがあります。「嘲笑」+「う」で「わらう」だったり、「激怒」+「る」で「おこる」だったりという用法です。この用法は、字面(見た目)ではより細かいニュアンスを表現するけれども、音としては「和語」として話言葉にする働きがあります。「ちょうしょうする」「げきどする」ではなく、「わらう」「おこる」とすることで、声に出して読んだ時、自然な感じになるのです。 同じように、「逃退く」の場合も、「逃退」+「く」(「退(しりぞ)く」の「く」です)と考えれば、「しりぞく」という読み方もできると思います。前後の文脈がわかりませんので、確定的なことはわかりませんが、「しりぞく」と読んでも間違いではありません。元々漢語には、「逃退」という言葉はありません。「逃」+「退」の造語であり、それを元に考えれえば、「しりぞく」が妥当だと思います。 この他に、「逃げ退く」の「げ」が無表記になっているという解釈もできます。その場合は、「にげしりぞく」または「にげのく」という読みになります。 どちらの場合でも、意味するところはまったく変わりません。前者の場合「しりぞく」と読んでも、字面から「(逃げて)しりぞく」ことは明らかだからです。この手の「造語」または「複合語で、最初の語の送り仮名が無表記になっているもの」については、あまり声に出して読むことを想定していない場合があります。目で見て理解するという効果を狙ったものがあるのです。
お礼
ていねいにありがとうございます。 ですが、そのようなことは知っているのですが、 周辺知識じゃなくて、「逃退く」という言葉のよみが実際に、具体的に知りたいのです。 「難訓辞典にこう載ってるから、こう読むよ」とか 「別の小説の文に同じ例がこう読まれているよ」とか。 でもいろいろ詳しくありがとうございました。
恐らく、「逃げ退く」だと思うのですが、「にげひく」か「にげしりぞく」のどちらかだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございました。 やはり「逃げ退く」と「げ」を補うんですかね。
- watanabe55
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どのような文章の中に出てきた言葉なのかわかりませんが、 これは誤字なのではないでしょうか。 パソコンで「遠のく」を間違えて「とうのく」と打ち込んで変換したために 「逃(とう)退く(のく)」となってしまったのではないでしょうか。
お礼
少し古い文章の中です。 打ち間違い等ではないです。 「逃退く」で検索すると何件かヒットしてくるので、確かに存在する語句であることは確かなのですが、訓みがわかりません。
お礼
ありがとうございます!! 同じ字を書いて「にげのく」とよんでいるものがあるなら「にげのく」である可能性は高いですよね。 とても参考になりました。 ありがとうございました。
補足
その後、「定本 円朝全集(巻の四)」(世界文庫 昭和38年9月10日発行)という本の中で、上記のふりがなを確認しました。 たしかに「にげのく」と訓んでいるようです。 ありがとうございました!