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計量経済学を学ぶのにおすすめの一冊
計量経済学を学びたいと思っている工学部出身者です。 自然科学を扱うフィッシャー流古典統計学は大学院レベルで理解しています(多変量解析,実験計画法など)。 ところが、計量経済学で扱う三大バイアスとか、アダプティブなモデル変更とか・・・、理論はともかく、なぜそんなことを考えるのか(背景)、なにが解決されるのか(目的)、が理解しにくいです。 そういう疑問を解決してくれる、和書を紹介してください。 よろしくお願い致します。 これまでマダラを紹介されましたが、高価なので躊躇しています。知りたいことが書いてなかったときに無駄だからです。
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なるほど。 その域でお知りになりたいなら原論文をたどっていったほうがいいかもしれませんよ。 ・初期の計量経済学の手法の開発は Cowles Comissionのモノグラフシリーズで一連の研究がなされています。不偏性、自己相関、同時方程式、二段階最小二乗法とかの基礎はほとんどここで着想・分析されています。半世紀以上前のとても古い文献ですが。 ・経済時系列分析なら Engle、Granger の論文を当るといいでしょう。1970年代初めのものです。 ・GMMはHoleの消費に関する論文(1978年頃)で脚光を浴びたので、その論文 ・パラメータの不安定性に関する根本的批判の契機は R.Lucas が主張したことにより始まりました。 ・回帰分析のデータ生成プロセスがバイアスを持つこととその解決については、共和分や単位根の問題とそれを解決するためのエラー・コレクションモデルが重要ですが、これについては和文では日本銀行金融研究所が1980年代末に出した論文が問題の所在や開発の経緯を説明しています。元々は米国と英国で1970年代以降別々に発展してきたものです。和文で丁寧に解説しているまとまった本は、畠中道雄「計量経済学の方法」(創文社)、山本拓「経済時系列分析」(同)とそこの参考文献一覧もよいと思います。ただしちょっと古い本ですが今でも定評があります。 地方にお住まいとのことですが、日銀の「金融研究」や畠中、山本などは政令指定都市の大きな書店か経済学部のある大学の図書館などなら置いてあると思います。
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- s_nak
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浅野皙・中村二郎「計量経済学」有非閣 3000+税 森棟公夫「計量経済学」東洋経済 2800+税 145頁~ 誤差項の諸問題 上級の計量経済学のテキストなら、回帰分析の結果が最小不偏推定量(BLUE)にならないから、この手法を使うといったようなことは書いてあります。 G.S.Maddala「計量経済分析の方法」CAP出版 にも書いてあります。高いと言っても3914円です。 経済学の理論を実証する際に用いるデータが、単純な多変量回帰分析で仮定している均一分散や誤差項の独立性を満たしていない場合が多いから、それぞれに対応した手法が発達しました。 科学の実験室で取る理想に近い実験データと、経済統計ではデータの性質が異なるという事です。 実際に仮定を満たしていない場合の推定量がBLUEにならないことは簡単に理解できるのですよね。それからその場合の検定量も当てにならなくなることも。 モデル選択に関しては経済の理論モデルをある程度知っていないと、分かりにくいと思います。
お礼
ご回答、ありがとうございます。 前の方へのお礼にも書きましたが、本日、大学の図書館にて色々な本を確認してきました。朝野・中村もよい本でした。 しかし、やはりマダラが実例も豊富でよかったです。 私は、質問でマダラは高価だから躊躇していると書きました。最新のは9998円(第3版)です。ご回答により、第2版があることが分かりました。図書館で見たのは第2版でした。第3版と第2版とは何が違うのか、別途、質問を致しますので、また、ご指導お願い致します。
- bigorange9
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質問者さんは計量経済学の統計的方法論自体にはさほど難しさを感じておられないわけですね。 その上で「なぜこういうモデルを使うのか」とか「どうしてこういう制約をかけるのか」という点に疑問をお持ちなのであれば、むしろ前提となっている経済理論のモデルについて少し読んでみてはいかがでしょうか。 数学的な苦労があまりなさそうならば、たとえばマクロ経済学ならば ローマー『上級マクロ経済学』 齋藤誠『新しいマクロ経済学』 辺りから読んでもいいかもしれません。いきなり経済学の基礎なしに読むには本来かなりしんどい本だと思いますが(しかもミクロの知識も必須です)。ただ、これら教科書で出てくるモデルは簡素化された長期均衡モデルが多いで、そのままでは計量分析の対象にはあまりなってません。計量分析が盛んなのは内閣府や日経新聞がやっている日本経済短期マクロ計量モデルなどです。古典的なケインズ経済学に基づく同時方程式体系です。こうしたモデルは理論的には古いのですが、なぜ不偏性や自己相関や同時方程式バイアスが「問題」となるのかはわかります。内閣府『経済分析』のバックナンバーなどをみると、経済理論モデルをどのように推定可能な統計モデルにするか、どこを割り切っているのかなど苦労の跡をよみとることができます。 しかし、この手の大規模モデルがもはや流行でないのは確かです。今はカリブレーション(数値実験)によるマクロ経済学が盛んになってきています。たとえば加藤涼『現代マクロ経済学講義』などを読むと、古典的マクロ計量モデルの何が問題か、といったことも書いてあります。 ぜんぜん答えになってないかもしれませんが、ご参考まで。
お礼
ご回答、どうもありがとうございます。 今度、大手書店に立ち寄れるときがあれば、捜して立ち読みしてみます。 私は、地方在住のため、専門書はAmazonで購入するしか手がありません。確実に希望に沿う内容のものが分かればいいのですが・・・ わがままを言って申し訳ないですが、前提ではなく、手法にどう反映されているか数理面に興味があります。#2さんへのお礼で書き足らなかったのですが、通常の入門書では「さわり」しか書いていなくて、#2さんがチラッと書いてみえる手法への落とし込みが書いていないのです。 ○○という背景で、古典統計では問題(バイアス)が出るので、○○手法を開発して、○○部分に関しては解決を図った。その数理的手順は・・・・・であり、証明は・・・・・。 という本を探しています(証明は省略してあっても可)。 引き続き、計量経済学を学んだ方、お知恵をお貸し下さい。 宜しくお願いします。
- at9_am
- ベストアンサー率40% (1540/3760)
> 知りたいのは、なぜ、目的変数と誤差に相関を設けなければならないのか、誤差は独立だと仮定できないのか!、 例えば消費関数を考えましょう。すると、消費は所得によって影響を受けることは理解できると思います。いわゆるケインズ型の消費関数であれば C = a + b Y C:消費、Y:所得 と定式化できます。一方で所得は、結局のところ誰かが支払った額ですから、消費によって影響を受けます。海外関係を除けば Y = C + I + G I:投資 G:政府支出 と書けます。したがって、CのショックはYへと波及することになります。これを無視すると、パラメータはバイアスを持ちます。 このような問題は、計量経済学が操作変数法やGMMを取り入れる原動力になりました。 この辺りのことであれば、#1の方の挙げたGREENEなどには必ず載っているはずです。 > なぜ内部従属関係があるような変数で説明しようと試みるのか!というようなことです。 基本的には、内部従属関係があってもロバストな手法を使いたい、というのが本音です。多くの場合、入手できるデータには制約が非常に厳しい物があります。たとえそれが上場企業のそれであっても、です。
お礼
詳しいご説明をありがとうございました。 たしかに、このような話です。 私は、このような話から出発し、サンプルセレクション・バイアス,削除変数バイアス,内生変数バイアスまで踏み込んで説明したような本を探しています。 先日、大手書店で立ち読みしてきましたが、at9_amさんのご説明された内容まででした。 やはりマダラじゃないと書いていないんでしょうか。
- bigorange9
- ベストアンサー率75% (171/227)
計量経済学の大学院レベルの教科書といえば Hayashi "Econometrics" Greene "Econometric Analysis" ではないでしょうか。躊躇するかもしれませんが。 どうしても和書で、かつ網羅的に書いてあるものということならば 蓑谷・縄田他編「計量経済学ハンドブック」朝倉書店 とか。これもお値段的に躊躇しますが。というより、図書館で眺めて必要なところだけコピーするで十分なのでは。
お礼
ありがとうございます。 蓑谷先生、縄田先生の名前はよく出てきますね。縄田先生の書かれた入門書でも、いわゆる古典統計学との差について述べてあるのでしょうか。もし、ご存知でしたら教えて下さい。 私の質問のしかたがまずくて意図が伝わらないといけませんね。 私は、計量経済学の手法論(数式)は簡単でそれは理解可能ですが、想定しているモデルが複雑で簡単ではないのです。知りたいのは、なぜ、目的変数と誤差に相関を設けなければならないのか、誤差は独立だと仮定できないのか!、なぜ内部従属関係があるような変数で説明しようと試みるのか!というようなことです。 なお、私はサラリーマンです。近くに専門書を置く図書館がありません。この点も、ごめんなさい。
お礼
ご回答ありがとうございます。 大学の図書館というご提案、思いつきませんでした。 調べたら、車で数10分以内のところにある、この地方の有名私大(文系)の図書館が土曜日は10:00から13:00まで市民開放しているということが分かったので、本日、行ってきました! いろいろな蔵書があり、大手書店の経済コーナーのラインアップとは全く違い、納得のいくものでした。大手書店の経済コーナーは誰かの自慢話しか置いていませんもんね。手に取って較べてみたところ、やはり、マダラが実データも豊富でよかったです。 私は、マダラが高価と書きました。9998円(第3版)ですが、第2版(3990円)があることが分かりました。図書館で見たのは第2版でした。第3版と第2版とは何が違うのか、別質問を致しますので、また、ご指導お願い致します。