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プロジェクトのキャッシュフローについて
リチャード・ブリーリーが著したコーポレートファイナンスで勉強しています。その中の問題で、「プロジェクトのキャッシュフローは、プロジェクト資金を調達するための借入金に対して払った利子を考慮にいれる必要がある」この正誤を問われるものがあるのですが、この答えは誤となっています。なぜ、この場合利子を考慮に入れる必要はないのでしょうか。教えていただければ幸いです。
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・プロジェクトのキャッシュフローの価値は、そのプロジェクトを実施することによって生み出される毎期の収益を現在価値に割り引いたものを合計したものです。 ・一方、プロジェクトのために資金調達を行う場合、自己資金と借入の割合を最適に調整することでプロジェクトの価値が最大になるのであれば、プロジェクトのキャッシュフローには借入金の利息を考慮する必要が出てきます。 ・しかし完全競争市場(情報が完全で、流動性が十分にあり、取引コストや税金が無視でき、倒産がない)の場合、資金を提供する投資家は裁定取引によってプロジェクトにおける最適な資本構成を自分のポートフォリオとして市場で複製することができてしまうため、プロジェクト側で資本構成を最適にする行動は相殺されて価値を生み出しません。したがって、借入金の利息を考慮することは意味がないのです。 ・しかしプロジェクト主体と投資家の間に投資の成果についての情報が非対象だったり、証券市場の流動性が低かったり、負債利息の税控除や証券取引コストが無視できない場合、またプロジェクト自体の倒産・中止リスクがある場合には上記の想定は成り立たないため、最適な資本構成は存在することになります。 ・プロジェクトを企業と読み替えると、これはモディリアニ=ミラーの定理(MMの第一命題)といわれるものに相当します。
お礼
ありがとうございます。理解することができました。