幾つか、参考書をテーマ別に挙げてみます
・哲学入門書
『哲学入門 』(ちくま学芸文庫)
バートランド ラッセル (著), 高村 夏輝 (翻訳)
有名なイギリスの現代哲学者、B・ラッセルの哲学入門書の邦訳です。
哲学とは何かと言うことを教えてくれる、入門書として優れた一冊です。
『高校生のための哲学入門』 (ちくま新書 666)
長谷川 宏 (著)
こちらは、日本人がかいた哲学入門書です。
高校生のため~と銘打っていますが、大学1年~2年が読んで丁度良い感じですね。
こちらも、哲学とは何かを示唆してくれます。
・哲学史
『西洋哲学史―古代より現代に至る政治的・社会的諸条件との関連における哲学史 』全3巻 ( みすず書房)
バートランド・ラッセル (著), 市井 三郎
こちらは、上記の『哲学入門』同様B・ラッセルの哲学史の本です。
こちらの特徴は、副題に「政治的・社会的諸条件との関連における」と付いているように、歴史的時代背景と哲学の関係を考察しながら、哲学史を説明しています。
戦時中に書かれたことから、ドイツや日本に対する批判も入っているけれども、訳者がその都度注記してくれているので、問題なく読めると思います。
『ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙 』(日本放送出版協会)
ヨースタイン ゴルデル (著), 池田 香代子 (翻訳)
こちらも、90年代後半にはやった哲学史の本ですね。
ソフィーという女の子が不思議な手紙を出す謎の先生と文通しながら、哲学史を見ていくという感じで進んでいきます。
ミステリー小説タッチで描かれているので、取っつきやすいと思います。
後半には、まさにミステリー小説並のどんでん返しもあって楽しめます。
ただ、重要な哲学者がところどころ抜けていたり平易にするために、少し表現が曖昧になっていたりします。(まぁ、素人が教養を身につけるには問題無い程度だと思いますけど)
・哲学書
『ソクラテスの弁明・クリトン』(岩波書房)
プラトン(著),久保 勉(翻訳)
ギリシア哲学の雄の一人、プラトンがソクラテスの裁判の様子を記録した本です。また、牢獄に捕らわれたソクラテスが何故不当な裁判であるにも拘わらず、死刑判決に服したのかを説く『クリトン』も、もれなく付いてきます。
二つ合わせても100ページあるかないか程度なので、結構気軽に読めます。
そのくせ、「民主主義とは何か、法とは何か、国家とは何か」という事について考えさせられる本です。
『歴史の哲学 ー現代の思想的状況』(講談社学芸文庫)
渡邊二郎(著)
こちらは、日本の現代哲学者が書いた本です。
哲学は哲学でも「歴史とは何か、歴史をどう見るか」という「歴史哲学」について書かれた本です。
「南京大虐殺」や「慰安婦問題」など、歴史認識問題がしばしば取り上げられる昨今において、「歴史は客観的でなければならない」という「実証主義」の立場が強調されがちです。
しかし、一方で「歴史とは何か」という根本的な「問い」は、なかなか顧みられることがありません。
それを考えるのに丁度良い本であると思います。
以上、個人的な選書ですが参考になれば幸いです。
参考URLは、結構分かり易く纏められているサイトです。