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代数的重複度が幾何学的重複度より大きくなっている例を挙げよ
宜しくお願い致します。 [問]Vを有限次元線形空間とする。 ある固有値の代数的重複度(固有方程式の解の重複度)が幾何学的重複度(固有空間の次元)より大きくなっている例を挙げよ。 という問題なのですがどのような例が挙げられますでしょうか?
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固有値が、次の特性方程式から得られるのは、ご存知と思います。 det(A-λE)= (λ-λ1)^(n1)・(λ-λ2)^(n2)・・・(λ-λn)^(nm)=0 ここで、dim(F)=n,n1+n2+・・・+nm=n で、Eは単位行列です。一方、ケイリー・ハミルトンの定理より、同じ固有値λ=λ1,λ2,・・・を用いて、 (A-λ1E)^(n1)・(A-λ2E)^(n2)・・・(A-λnE)^(nm)=0 です。 (A-λiE)^(ni)Vi={0} で定義される部分空間Vi(部分空間になります)の事を、固有値λiに属する高さniの根空間と呼ぶ事にします。 まず、ケイリー・ハミルトンの定理と、線形写像としてのAの性質から、全空間Fは、根空間Viの直和になる事が導けます(たいていユークリッドの互助法を使いますが)。(+)は直和です。 F=V1(+)V2(+)・・・(+)Vm 次に、det(A-λE)=0 が、(A-λE)x=0 かつ x≠0 の必要十分条件である事を考えると、各根空間Viが、少なくとも一本固有ベクトルを含む事は明らかです。従って、 固有空間の次元 ≦ 根空間の次元 = 固有値の重複度(=は、あなたがやったように示されます) になります。さらに全ての 重複度=1 なら、全空間は固有空間で直和分解されるので、Aは対角化可能で、固有空間の次元 = 固有値の重複度 = 1 です。そうでない時は、Aは対角化できるかできないかのどちらかです。対角化できるならば、必ず固有空間の次元 = 固有値の重複度 ≠ 1 です。対角化不能なら、必ず固有空間の次元 < 固有値の重複度 ≠ 1 になります。 こっから先は、いくつかの方法があります。単因子論を用いれば、純代数的に Jordan の標準形が得られます。根空間の基底をうまく整理して Jordan の標準形を系統的につくる方法もあります(グラム・シュミットの直交化に一種似ています)。 ここまで来れば、例は明らかと思います。対角化できない Jordan の標準形を見つければいいだけです。例えば 2×2 の Jordan の標準形に対して、直接固有ベクトルを計算して、固有空間の次元 < 固有値の重複度 を示し、任意の正則行列で相似変換したものを、例にするなんて手もあります。
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このままでは「丸投げ質問」と判断されて、削除対象になる可能性があります。補足を書いて下さい。 わかってしまえば、例は一瞬で出てくるのですが、固有値の重複度と固有空間の次元の関係は、最初はやはり戸惑うと思います。それに完全に説明するためには、対角化可能定理とか Jordan の標準形とかも絡んで来ますし、この場で完全な説明は不可能です。出来るのは、背景説明と方針を述べるのが、関の山だろうと思います。 ・講義でどこまで聞いたか、または覚えているか。講義の内容によって、応え方も変わります. ・例えば、Jordan の標準形をググってみたら(調べたら)、どんな事がわかったか. などを補足に書いて下さい。
補足
ご回答有難うございます。 > などを補足に書いて下さい。 下記の命題は証明できました。 [問] 固有値の幾何学的重複度は代数的重複度を越えない事を示せ。 [証]nを有限次元のF線形空間Vの次元とし,fをVからVへの線形写像,S(λ1)をfの固有値λ1に対する固有空間,{v1,v2,…,vm} (m=dimS(λ1))をS(λ1)の基底,{v1,v2,…,vm,v(m+1),…,vn}をVの基底とするとfの表現行列は λ1E_m (*)1 O (*)2 という形に書ける(E_mは単位行列,Oは零行列)。 その時,λ1の固有多項式は λ1E_m-λE_m (*)1 O (*)2-λE_(n-m) の行列式でこれは det(λ1E_m-λE_m)det((*)2-λE_n-m) =det((λ1-λ)E_m)det((*)2-λE_(n-m)) =(λ1-λ)^mdet((*)2-λE_(n-m)) 従ってλ1の代数的重複度はmでdimS(λ1)より小さくならない。 よって 固有値の幾何学的重複度は代数的重複度を越えない というのは示せたのですが…。
お礼
詳細なご説明誠に有難うございます。 1 1 0 1 の場合が代数的重複度は、2、幾何的重複度は、1となりました。