- ベストアンサー
地方自治法の解釈について教えてください
地方自治法第1編第2条第14項では、 「 地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と規定されています。 とすれば地方公共団体は何かの事務を処理した場合、最小の経費で最大の効果を挙げていることを実証する責任と義務があるということになるのでしょうか。 もし実証できなければこの法律に違反することになるのでしょうか。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
これは訓示規定、言ってみれば努力目標というやつです。行政法にはよくあります。 >もし実証できなければこの法律に違反することになるのでしょうか。 法律を含むルールの考え方ですが、 「違反するかしないか」ってのは法律的にはそんなに重要ではありません。 (社会的、政治的には重要でしょうけど) 法律的に重要なのは「守らなかった場合にどんな制裁があるか」です。 で、多くの法律規定は守らなかった場合の制裁(たとえば刑罰、行政処分)が存在するものですが、 努力目標を掲げた規定の場合はそういったものがない場合もあります。 地方自治法2条14項もその類です。 以上にも書きましたが、誤解しないでほしいのは 「守らなくても法律上の制裁がない」というのは 「守らなくても問題ない」とイコールではありません。 『法律的に』問題があるかないかの判断基準は法律ですが、 (単に)問題があるかないかの判断基準は法律だけではありません。
お礼
回答頂き誠に有難うございました。 訓示規定という言葉には大変おどろきました。 この歳になるまで、法律の文章に「・・・しなければならない」と書いてあれば、全てその通りしなければ法律違反になり、告訴の対象とされて裁判で何らかの罰則を受けることになるものと思っていました。 確かに「道路交通法」を見ると、最高速度の規定には違反した場合の罰則が明記されていますが、地方自治法2条14項には罰則は書かれていませんね。 罰則が書かれていない法律の規定は訓示規定であって、その通りしなくても制裁はない、というのは目からうろこでした。法律の基礎を勉強しなくてはと思っています。