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抵当権無効の裁判の相手方は誰か?
- X社代表者がBからY社の株式を譲り受け、抵当権を承継することを約束したが、Bが行方不明になった。
- Aは、役員変更登記をしたが、配当期日直前にY社代表を解任し、A自身が代表者に就任した。
- Wは、抵当権が不実であることに気付き、Aを相手に配当請求権無効確認訴訟を提起することを考えている。
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X社は、先日のご質問(下記参考URL)におけるB社にあたるという前提で、ご回答申し上げます。 先日のご質問(下記参考URL)でもご回答申し上げたとおり、X社のY社に対する配当請求権不存在確認請求訴訟は、実質的には配当異議の訴えであり、不適法とされるのではないかという疑問があります。 既に専門家からのアドバイス等に基づき、この問題点はクリア可能であるという見込みをお持ちであればよいのですが、そうでないのであれば、以下のご提案をご検討ください。 1) X社が、債務者(先日のご質問(下記参考URL)におけるA社。S社、とします。)に対する債権(X社の債権、とします。)を被保全債権として、S社の国に対する剰余金交付請求権を仮に差し押える。 2) X社が、S社を被告として、X社の債権の履行請求訴訟を提起するとともに、S社及びY社(代表者A)を被告として、S社のY社に対する債務不存在確認請求訴訟(及び本件抵当権の不存在確認請求訴訟)を提起する。 3) X社が、執行裁判所の配当金交付事務担当書記官に対し、上記1の仮差押決定の写し及び上記2の債務不存在確認請求訴訟の訴状の写しを添付のうえ、Y社に配当金を払い渡さないよう依頼する旨の上申書を提出する。 4) X社が、上記1の仮差押決定及び上記2の各訴えの勝訴確定判決に基づき、執行裁判所から剰余金の交付を受ける。 若干の補足説明をさせていただくと、まず、上記1の仮差押えは、執行裁判所がY社に配当金を払い渡すことを差し止める法律上の効果を有しません(釈迦に説法となり、恐縮です。)。 そこで、Y社への払渡しの後Y社が無資力となり、X社が、X社の債権を被保全債権として、S社に代位してなす、Y社に対する不当利得返還請求が不奏功に終わった場合に備えて、国に対する国家賠償請求をなすための布石として、上記3のような上申書の提出をご提案する次第です(この布石が奏功するかは、未知数ですが。)。 また、こうすることで、執行裁判所がY社に配当金を払い渡すことを差し止める事実上の効果を期待し得るものと思われます。 次に、登記簿上Y社の代表者がAである現段階においては、Y社を被告として訴えを提起するためには、代表者をAとせざるを得ません。 それゆえ、ご懸念の点については、訴状に、「なお、Y社について株式・代表権の帰属をめぐる争いがあり、役員の変更が繰り返されているが(商業登記簿謄本(甲○)ご参照)、便宜上、現在の登記簿上の代表者Aを代表者として、本訴手続を追行することとした。」と付記しておかれればよいでしょう。 Aとの間の株式・代表権の帰属をめぐる争いは、別途の手続により解決をお図りになるべきです。 上記のご提案が奏功するか否かについては、恐縮ですが、自信がございませんので、専門家へのご相談を強くお勧めいたします。 ご参考になれば幸いです。
お礼
いつもいつも懇切丁寧なご説明、有難うございます。 大変参考になりました。 貴殿の貴重なご回答、誠に重宝させていただいております。 蛇足ですが、裁判所の見解としては、上申書が提出され、客観的に(経営権の)争いが認められる場合は、配当金払渡手続は、その解決を見るまで(基本的には判決)、しないようです。 裁判の相手方、特に代表権を表記する方法の下りは、特に参考になりました。 その点についてのみ、専門職方々に対し、問題が無いか、相談してみることにします。 重ねて御礼申し上げます。