抵当権登記無効の裁判の相手方は誰？

質問

抵当権無効の裁判を提起するつもりです。
　なお、この会社の全株式は既に売買されており、現在の代表取締役A（雇われ社長）は、抵当権の存在を知っていますが、その抵当権が虚偽の登記であることについては不知です。
　実際に抵当権の設定登記手続をしたのは、全株式を買い取ったB（及びその配下の者）です。
　そのとき、まだ役員変更の手続をしていなかったので、当時の代表取締役Cが、土地所有者Dの委任を受けた形で、債務者をEとする、抵当権設定登記をしました。
　ところで、Bは、今、夜逃げしていないし、Bが登記手続きをした証拠は何もありません。
　なお、この設定登記は、保証書でなされており、保証人FとGが登場しますが、この保証人が何かの意図があって、Bを言いくるめて、抵当権設定登記をさせたものと思われます。
　しかし、保証人は、ややこしい方々のようなので、裁判の相手にしたくありません。
　そこで、C,D,E　を相手取って、抵当権の原因となる金銭消費貸借も存在しないし、登記手続きも第三者が勝手にしたもので、全く無効の登記であることの確認訴訟を起こしたいと思います。
　この判決文をもって、抵当権の無効は正当に主張出来るでしょうか？
ちなみに、私の立場は、土地所有者の債権者ですので、債権者代位（被代位者　土地所有者）という形で原告になるつもりですが、被告の代位をするというのも変だと思うし、その辺りも含めて、どなたかご教示願います。

回答No.1

iustinianus · ベストアンサー

結論的には、gotetsuさんは、Ｙ社を被告として、Ｄに代位して、抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟を提起なさればよいと考えます。

１　前提事実
　私が前提とした事実関係は、以下のとおりです。
(１)　Ｄは、Ｙ社（当時の代表取締役はＣ）のＥに対する債権を担保するため、その所有地（本件土地、とします。）について、抵当権（本件抵当権、とします。）を設定したが、その際、Ｆ及びＧを保証人とする、いわゆる保証書による抵当権設定登記手続をとった。
(２)　本件抵当権の被担保債権は、実在しない。

２　本件抵当権の設定登記（本件登記、とします。）の抹消方法
　仮に、ＤがＣに対して、本件登記の申請手続について代理権を授与していないのであれば、本件登記は、手続的有効要件を欠いており、無効です。
　また、本件においては、根抵当権ではなく、抵当権が問題となっていますから、被担保債権が存在しない以上、本件抵当権も無効です（附従性）。

　したがって、Ｄは、所有権に基く妨害排除請求権の行使として、登記簿上本件抵当権の権利者とされているＹ社に対し、本件登記の抹消登記手続をするよう請求することができますから、Ｄの債権者であるgotetsuさんは、民法４２３条所定の要件を満たせば、債権者代位権に基づき、Ｄに代位して、Ｙ社に対し、本件登記の抹消登記手続をするよう請求することができます。
　そのうえで、無事勝訴の確定判決をご獲得になれば、当該判決を添付書類として、所轄の法務局において、本件登記の抹消登記を申請なさればよいわけです。

　なお、本件においては、ＤがＣに対して代理権を授与した事実や、Ｙ社のＤに対する債権（被担保債権）の発生原因事実は、Ｙ社が主張立証責任を負います。

３　補足説明
　本件においては、Ａ及びＣは、Ｙ社の機関（手足）にすぎず、独立の権利義務の主体とはなりませんから、被告となさる必要はありません。
　また、gotetsuさんは、Ｙ社及びＥを被告として、債務不存在確認の訴えを提起なさることもお考えのようですが、ご質問を拝読するかぎり、現段階においては、Ｙ社の優先弁済権を排除なされば足り、本件土地の執行手続においてＹ社が配当加入を申し立てるのをお待ちになって、Ｙ社を被告として、配当異議の訴えを提起なさればよいのではないかと考えます。

　ちなみに、Ｙ社が本件抵当権及びその被担保債権を転々譲渡し、gotetsuさんからの抹消登記手続請求を妨害するおそれがある場合には、本件抵当権について、処分禁止の仮処分をあらかじめお申し立てになることをご検討ください（仮処分の申立ては、手続的な専門知識が要求されますので、弁護士にご依頼になるべきです。）。
　ご参考になれば幸いです。

お礼

懇切丁寧なご説明、いつも有難うございます。
私なりに理解が出来たと思いますし、私の予測（考え）と一致する部分もありましたので安心しました。
実は、後日談がありまして、別立てで質問いたしますので、アドバイスの程、宜しくお願い申し上げます。

回答No.2

tk-kubota

gotetsuさんはＤの債権者ですよね。
そして、ＤはＥの物上保証人ですよね。
そうしますと抵当権者とＥとの関係は直接にはgotetsuさんと関係ないですよね。
ですから抵当権の無効確認はできないと思われます。
gotetsuさんがＤの抵当権者か又は一般債権者かわかりませんが、いずれにしても、Ｄ所有の土地が競売になったときの配当の問題と思われます。そこで配当異議の訴えで争うべきで、今回は、無効確認の訴えや抵当権抹消訴訟はできないと思います。

お礼

どうもありがとうございました。
ひとつの参考とさせていただきます。