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(無限小解析)自然延長の定義と公理D(解の公理)について解説ください
キースラー著の無限小解析からです。 変数及び定数に実関数を何回か施して得られる式を項という。 x,c,x+c,f(x),g(c,x,f(y))はどれも項である。 項の正確な定義は (i) 変数は項である。 (ii) 実定数は項である (iii) x1,x2,…xnが項でfがn変数実関数ならf(x1,x2,…,xn)は項である。 変数を含まない項を定数項という。 方程式とはa=bの形の式である。但しa,bは項である。不等式とは a≦b,a<b,a≠bの内のどれか一つの形の式である。 二つの項の間の方程式及び不等式を合わせて式と言う。式の有限集合を式系という。 式系Sの解とはnこの定数組(c1,c2,…,cn)でSの各式の中の全てのxiにciを代入した時,得られる式の両辺が定義されしかもその時が全て正しくなるようなものを言う。 という前置きで 公理A Rは完備順序体である。 公理B R*はRの真拡大順序体である。 公理C(関数の公理)任意のn変数実関数fに対し,fの自然延長と呼ばれるn変数超実関数f*が対応する。特にR*の体演算はRの体演算の自然延長である。 公理D(解の公理)二つの式系がちょうど同じ実解を持つならばそれらはちょうど同じ超実解を持つ。 と記載されてます。 例: f(x)=√xの式系Sはx=y^2,y≧0である。 ここで公理Cと公理Dがイマイチよくわかりません。 まず公理CではRからR*への埋め込みの事をR*ではf*と表記しようという事を言っているのでしょうか? 例えばhをRからR*への f(x)=x^2なら(h(x))^2の事をf*(x)という意味でしょうか? 次に公理Dでの二つの式系がちょうど同じ解を持つとは {(x,y)∈R^2;y=f(x)}={(x,y)∈R^2;y=g(x)}というような事を言っているのでしょうか?
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- rinkun
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> 有限回で書ける式は「項」と考えて差し支えないでしょうか? そうですね。 > {c1,c2,…,cn}∈Sの時{c1,c2,…,cn}は式系Sの解と表現するのですね。 この部分は全く分かっていないのではないかと思います。 まず、組(c1,c2,…,cn)と集合{c1,c2,…,cn}は全然別物です。また式系Sは式の集合であって定数の集合ではありません。 式系Sが変数x1,x2,...,xnを持つとき、x1=c1,x2=c2,...,xn=cnを代入してSの式が全て正しく成立する場合に組(c1,c2,…,cn)を式系Sの解と言います。 埋め込みだけでは駄目な場合については、関数については全てそうです。そもそも埋め込みはRの元をR*に埋め込むのであってR上の関数をR*上の関数に埋め込めるわけではありません。 R上の関数はR上では定義されてますが、R*\Rの元については定義されていません。これをR*上の関数にするにはR*\Rでの値を決めてR*上の関数に拡張しなければいけません。 その拡張の一つに自然延長があり(公理C)、それが公理Dを満たすというのが無限小解析の要請です。
- rinkun
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公理Cについて。 Rの元は公理Bにより埋め込めば良いですが、R^n上の関数は何らかの手段で拡張しないとR*^n上の関数にはならないことに注意しましょう。 公理CはR^n上の関数f:R^n→RをR*^nに拡張する手段を提供しています。 自然延長f*:R*^n→R*は、R^nではfに一致するような関数です。 すなわち元x∈R^nに対しては、f*(x*)=(f(x))* です。 # Rの元x∈RのR*への埋め込みは*で表します *:R∋x|→x*∈R* 公理Dの前提については、質問に書かれているようなことで間違いないでしょう。ただそれぞれ一つの式とは限りませんけどね。 質問の例を使えば {(x,y)∈R^2;y=√x,x≧0}={(x,y)∈R^2;x=y^2,y≧0} ですね。
お礼
ご回答有難うございます。遅くなりまして申し訳有りません。 大変参考になってます。 所で確認なのですが 『変数及び定数に実関数を何回か施して得られる式を項という。 : 変数を含まない項を定数項という』 の部分について疑問なのですが有限回で書ける式は「項」と考えて差し支えないでしょうか? 有限回の操作でも「項」にならならいものってあるのでしょうか? 『式系Sの解とはnこの定数組(c1,c2,…,cn)でSの各式の中の全てのxiにciを代入した時,得られる式の両辺が定義されしかもその時が全て正しくなるようなものを言う』 の部分はつまり、{c1,c2,…,cn}∈Sの時{c1,c2,…,cn}は式系Sの解と表現するのですね。 > 公理Cについて。 > Rの元は公理Bにより埋め込めば良いですが、 > R^n上の関数は何らかの手段で拡張しな > いとR*^n上の関数にはならないことに注意しましょう。 うーん、ちょっと意味がわかりません。埋め込み丈ではダメな時があるのですね。例えばどんな例が挙げられますでしょうか? > 公理Dの前提については、質問に書かれているようなことで > 間違いないでしょう。た > だそれぞれ一つの式とは限りませんけどね。 > 質問の例を使えば > {(x,y)∈R^2;y=√x,x≧0}={(x,y)∈R^2;x=y^2,y≧0} > ですね。 納得です。 この時,{(x,y)∈(R*)^2;y=(√x)*,x(≧*)0}={(x,y)∈(R*)^2;x=y^(2*),y(≧*)0} (√*や≧*や^2*は夫々R*での平方根,順序,平方を表す) なのですね。
お礼
ご回答有難うございます。 >> 有限回で書ける式は「項」と考えて差し支えないでしょうか? > そうですね。 了解致しました。 >> {c1,c2,…,cn}∈Sの時{c1,c2,…,cn}は式系Sの解と表現するのですね。 > この部分は全く分かっていないのではないかと思います。 > まず、組(c1,c2,…,cn)と集合{c1,c2,…,cn}は全然別物です。 そうでした。前者は順序も関係してくるのでした。 「(c1,c2,…,cn)∈{(x1,x2,…,xn)∈R*^n;(x1,x2,…,xn)はSを満たす}の時,(c1,c2,…,cn)は式系Sの解であるという」 と言いたかったのです。 > また式系Sは式の集合 > であって定数の集合ではありません。 > 式系Sが変数x1,x2,...,xnを持つとき、x1=c1,x2=c2,...,xn=cnを代入してSの式が全 > て正しく成立する場合に組(c1,c2,…,cn)を式系Sの解と言います。 納得です。 > 埋め込みだけでは駄目な場合については、関数については全てそうです。そもそも埋 > め込みはRの元をR*に埋め込むのであってR上の関数をR*上の関数に埋め込めるわけで > はありません。 > R上の関数はR上では定義されてますが、R*\Rの元については定義されていません。 R*\Rの元についての話しだったのですね。それなら関数の定義を拡張せざるえませんね。 > これをR*上の関数にするにはR*\Rでの値を決めてR*上の関数に拡張しなければいけ > ません。 > その拡張の一つに自然延長があり(公理C)、それが公理Dを満たすというのが無限小解 > 析の要請です。 飽くまで自然に定義できる事にするという事ですね。取り敢えず四則演算はR*でも計算できるように自然に定義拡張したのですね。