アリストテレスは、自著『自然学 第4巻』の第10章から14章までにかけて時間について考察していますね。
まず、幾つかのパラドックスを展開して、時間の「非存在性」を明らかにしようとしています。
アリストテレスはあらゆるモノを「存在するモノ」と「存在しないモノ」に分けましたが、「時間」は「存在しないモノ」に入ると結論付けています。
まず、我々が時間を考えたとき、「過去」「現在」「未来」と分けられます。
1)「過去」は存在するが、既に過ぎ去ったモノで(今は)存在していない。
2)「未来」は存在すると予測できるが、後から来るモノで(今は)存在していない。
3)「現在」は(存在するものは全体と部分に分けられるので)「時間の部分」であると考えられるが、1)2)より、「存在していない」と考えられ、「現在」は「部分」では無いと言える。
つまり、「過去」と「未来」は存在していないので「現在」もその存在は否定される。
よって、時間は「存在しないモノ」という事になる。
存在しないのだから、「現在」の連続と捉えることも出来ない。
そこで、彼は「時間は一つの動きであり,変化である」と捉え論を展開していきます。
「時間」はあらゆる所に存在するし、運動や変化の速さ・遅さは時間によって計られる。
よって、「時間は運動そのものではない」が、「運動や変化のあるところには時間がある」のだから、「時間とは運動や変化を示す尺度」であると捉える事が出来る。
つまり、「今」を起点にして、「過去は○○だった」とか「未来は××になる」と言うことが出来る。
よって、「時間は運動や変化と相関的なものである」と結論付けることが出来る。
大まかに書くとこんな感じかと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 だいたいのことが理解できました。 自分でも「自然学」を読んでさらに理解していきたいと思います。