アリストテレスの「不動の動者」
アリストテレス哲学に「不動の動者」という概念がありますね。
目的論的自然観の頂点に位置する純粋形相、完全な現実態のことです。
ところが、八木雄二『神を哲学した中世』という本を読むと、
「アリストテレスの形相質料論が新プラトン主義と結びついて、純粋な形相や、上位の形相と下位の質料という考え方が生まれた」
と書かれています。
つまり、「不動の動者」という考え方は新プラトン主義の産物とのことです。
しかし、私の記憶では、「不動の動者」「上位の形相と下位の質料」という考え方は、『形而上学』において示されていたはずです。
つまり、アリストテレスの自然観は新プラトン主義の産物ではなく、アリストテレス自身の思想だと思うのですが、どうでしょうか?
あるいは、「不動の動者」の箇所はアリストテレス自身が書いたのではなく、後世に加筆されたのでしょうか。
お礼
丁寧に教えていただきありがとうございます。とても参考になりました。