物理学はおおよそ3つのステージに分解できます。
第一ステージがアリストテレス派が活躍した西暦1500年くらいまで。
第二ステージが古典力学(ニュートン力学)の1900年くらいまで
第三ステージが量子力学と相対性理論の現代物理学です。
アリストテレスの古代ギリシアでは自然科学が大いに発達したのですが、
それが即西洋に取り入れられたわけではなく、1200年頃に神学として紹介されてからです。
アリストテレスは不動の神が最上位におり、地球は動かないと天動説を唱え、
これが当時のキリスト教観にあっていたことから採用されます。
アリストテレスの力学を簡単にいえば見た感じ、触った感じ重視の感覚主義です。
約300年ほどアリストテレス派が幅を利かせていましたが、
1500年頃から観測技術、微積分の概念、対数などが整い初め、実験による物理学が登場してきました。
こうしてアリストテレス派に反抗していったのがコペルニクス、ガリレオであり、
天才ニュートンがそれらの理論を体系化し、新しい物理学が始まります。
アリストテレス派の考えは哲学なので非常に難しいので、それは別途勉強して頂くとして
天動説の考えとなった事例を紹介しましょう。
ニュートンはりんごが落ちることから万有引力を発見したという故事は
日常生活での発想の大切さを説いたものですが、実は裏があるのです。
アリストテレス派はリンゴを高いところから落とした時、地球が動いていれば
時間差で別のところへ落ちる筈だと説いていました。これが天動説の根拠です。
ニュートンの成人した頃には地動説が当たり前になっていますが、
これに対してニュートンは万有引力という概念を導入することによって
上記のりんごの件は勿論、惑星の運行も応用できると考えました。
ニュートンはリンゴのことは予め知っていたので、発想の転換とは少し違いますね。
もう1つアリストテレス派の理論を紹介しておきます。
重たいものは軽いものより早く落下するというものです。
しかし、これもガリレオのピサの斜塔からの落下実験で否定されています。
重力加速度は物体に関わらず一様にかかりますから当然ですね。