大きい政府と小さな政府の線引きはほとんど明確ではなく、曖昧です。基本的には、最近は北欧型の高福祉・高負担の国が大きい政府の例証としてあげられますが、いわゆる福祉国家のことですね。
戦後日本は表面的には福祉を強化し、いうならば企業中心型福祉国家という国をつくりました。年功序列体制の確立と同時に、福祉に対する安心感を与え、国民年金がある、健康保険がある・・・という一連のシステムです。
でも企業中心型だったので都合のわるいことには反応が鈍く、とくに生活困窮者や、在日外国人らには冷たく、また公害被害は深刻なものでした。国は長らくこれを放置し、無視してきました。そこで革新勢力の勢力が地方で伸びて、革新自治体が広がっていきます。福祉サービスはかなりのお金を投下するようになります。
でもオイルショック以降、地方財政が悪化したなかで、革新自治体は「ばらまき」政治として揶揄されるようになり、80年代には衰退していきます。「ばらまき」はようするに困っている人にお金をどんどんあげたら、国民の自立が損なわれ、行政依存者が増えてモラルハザート(道徳的崩壊)を起こすという今でも使われる批判的な言い方です。
これをやると結果的に、国の負担が肥大化します。でもオイルショック以後にはたえられなくなっていきます。そこではじまるのが中曽根政権以降の民営化・規制緩和による新自由主義政策であり、そこで日本はいちおう「小さな政府」となりつつあります。
小さな政府に属したというより中曽根以降のアメリカの圧力です。アメリカは自国が福祉国家をスリム化してのりこえようとする流れで日本を巻き込み、日本を規制緩和させることで外国資本の参入を容易にしてきました。今日本ではアメリカなどが乗り込み放題。
補足
回答ありがとうございます! 「小さな政府」の基準ってあるのでしょうか?