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EGFP消失はなぜ?
現在、実験でEGFPをマーカーにしてあるサイクリン依存性キナーゼ阻害剤のRNAiを行い細胞分裂や分化能を調べています。 しかし、RNAiを行った細胞に始めはEGFPが発現しているのですが、2日目辺りから、急速に消失していきます。 コントロールではこのようなことは起こりませんし、ES細胞等が分化するとCMVが働かなくなるということも聞いたので、プロモーターをCAG等に変えてみたのですが同じことが起こります。 分裂して薄まるという可能性や細胞死の可能性も否定できませんがその検討もよいデータが得られません。 CKIが減少したり、分裂が一回起こっただけでGFPが消失してゆくという現象に対し他に原因は考えられるのでしょうか? 非常に困ってます。誰か助けてください。 よろしくお願いします。
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ある細胞にRNAiをやれるようなvectorをtransfectionし、transientに発現させて観察しているといった状況でしょうか? そして、そのvectorはshRNAとIRESかなんかでEGFPもともに発現するようになっており、EGFP陽性細胞=shRNAが発現していて、その細胞ではRNAi起こっていると考えるといった感じですかね。 実際、なんの細胞でどの遺伝子を叩いているのかわからないのと、それが解っても実物を見ていないので机上の空論となってしまいますが、とりあえず書かせてもらいます。 きちんとコントロール実験もやっておられるようなので、遺伝子を叩いたことによる影響と考えられるのではないでしょうか。叩いている遺伝子はどうやらCell cycleがらみのようなのですが、Cell cycleにからむ遺伝子は細胞の表現形に多大な影響を与えると私は経験上思います。 Cell cycleは細胞の分裂のみならず、分化やアポトーシスにも密接にかかわります。まぁ当たり前ですが。その点からすると私だったら次の点を考えた実験を組むと思います。 1、導入した細胞の増殖はどのくらいの速度になったのか。 2、死んだ細胞はいないのか。 この2つについては検討されているようですが、やはりGFP陽性細胞がいなくなっているということは、この2つが最も可能性が高いと思います。 3、そもそもこの細胞でこの遺伝子を叩くとどういった細胞になるのか検討する。これは、このこと自体がそもそもの実験の目的であると考えられるので支離滅裂ですが、 例えば、この遺伝子を叩くとCell cycleがある時期でとまり休眠期の細胞になるので遺伝子発現自体が落ちている、とか 遺伝子を叩いたことによる細胞の性質の変化のうちで予想できることで説明できることはないでしょうか。むしろこれは本来の実験の結果となるような気がしますが・・・。 そういう意味ではNo1さんもおっしゃる通り、GFPがどうなっていようが、影響が出ていてモノが言えればいいのではという気もします。
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- tatoo
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器官培養系で行っていることなので、細胞株の系みたいに簡単にはいかない実験系であることをお察しします。 実際に見てもいないところで、とやかく言うのはいかがなものかと思いながら書かせてもらいますが、 「遺伝子を叩いたことによる変化」という大きく、かついかんともしがたい原因以外で残っている可能性は少ないですが、思いつくことと言ったら次のことです。 shRNAがEGFPをもRNAiを起こしている。 ありえるでしょうかね・・・。ただ、shRNAの配列によってはありえるかもしれません(汗。別の配列のshRNAを作成し、既存のshRNAとともに実験してみるということも手かもしれません。 もしそれを行ってみても同じようなEGFPの減少が見られるのならば、このことはやはり遺伝子を叩いたことによって起こる、しょうがないことであるということがむしろはっきりするので、その意味でもいいかもしれません。EGFPの減少がみられなくなればラッキーですしね。
お礼
また回答していただきありがとうございます。 細胞株であれば、様々な困難を乗り切れそうな気がするのですが 苦労の連続です…泣 EGFPもRNAiを起こしている可能性があるとは全く考えていませんでした! shRNAのコントラストは幸い3つあるので他のを引っ張り出してきて調べてみようと思います。 tatooさんやga111さんのような専門家に答えていただき感激です。 本当にありがとうございました。
- ga111
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lipofectamine2000、Fugene6とかで、血清を含む完全培地で常にtransfectionしながら追跡できれば、イクかもしれませんね。しかし、細胞によるので、結果次第です。Fugene6は汎用される細胞株ではマイルドで、実際に常にtransfectionしながら、細胞はハッピーに増えていくことが多いです。 あと、HeLaとかのコントロールに意味があれば試してもいいかも。また普通のGFPはどうでしょう? ポジティブな結果かもしれない(!!!)ので、慎重に。
お礼
回答ありがとうございます。 コントロールの細胞でも消失していくかを調べるのはこの細胞特異的な現象であるかを検討するのに素晴らしいアイデアだと思います。 普通のGFPでもやってみたいと思います。 お忙しい中考えていただきまことにありがとうございました。
- ga111
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EGFPはCo-transfectionマーカーとして使っているのですか?ふつうはそうしませんが、Co-transfectionマーカーが必要な理由は何ですか? CKIが減るのが第一目的だと思いますが、違いますか?だとしたら、CKIは1,2,3,4日後にウエスタンでどれだけ減っていますか?
補足
回答ありがとうございます。説明不足で大変申し訳ありません。 EGFPはCo-transfectionマーカーとして別のプラスミドを混ぜて導入しています。器官培養系で行っているので、導入効率もそれほど高くなくウエスタンでの検出も難しい状態です。なので免疫染色のみで細胞の変化を追っているのですが、EGFPが消失してしまい途方にくれています。 免疫染色では2日目に免染レベルでかなり落ち、その後分裂も起こるのですがその後が全く追えなくなります…
補足
回答ありがとうございます。説明不足で大変申しわけありません。 叩いた遺伝子はp27で感覚器の器官培養系に導入しています。 tatooさんのおっしゃられるようにEGFPをマーカーにしてpEGFPN-1とshRNAを混ぜて導入しています。増殖は導入後2日目から現れ、2つになった途端にEGFPが顕著に消失してゆきます。しかし、Caspase3も陽性にならず、2つになっただけでEGFPが薄まるというのもあまりないと大学の方に聞いたので途方にくれています。 しかし、tatooさんのおっしゃられるようにCell cyclleに関与しているので表現系に大きな変化があるのかもしれません。そういう意味で大変勉強になりました。 また、この補足からアドバイスいただけると嬉しいです。