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絵画の価値とは?
こんにちは。 絵画の価値というか価格に関する質問なのですが、 とある番組を見ていると、百年以上もたった絵画は、 絵の具が退色し、当初の色と違っているということを言っていました。 だとすると、古い絵画は作者の表現したかったものではなくなっているということになりますよね。 その不完全な絵画(表現は悪いですが・・)を見て、いいとか悪いとか言うのはなんだかおかしいような気がしました。 ましてや、大金を出して購入するというのもおかしいような気がしました。 また、本当にそのような作品・作風が気にいったのなら、 真贋なんて関係ないのではないかとも感じました。 何が言いたいのか分かりにくいと思いますが、 有名絵画を大金をだして買う人の心理を知りたいのです。 単純な成金趣味で購入する人もいると思うのですが、 真に芸術を理解して購入している人のほうが多いと思うのです。 ですので、私がいだいた疑問に対しても矛盾のない答えがあると思うのです。 やっぱり分かりにくいですね。ごめんなさい。 でも、気になってしまったものですから。 よろしくお願いいたします。
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>真に芸術を理解して購入している人のほうが多いと思うのです。 そんなことはありません。 「有名絵画を大金をだして」買う場合は、投資目的が多いのではないでしょうか。株券や土地を買って資産を分配保存する感覚で絵を買うのです。有名絵画なら価値がそれほど下がることはありませんから。(バブルのときに大失敗した企業や個人が多く居ましたけど) そういう投資目的の人は、絵が素晴らしいから買ったのではなく、高額なものだから(高額であると社会が認めているから)購入したのです。 成金趣味の所有欲半分、投資半分という人が多いでしょうね。 企業や企業社長が購入する場合は、自社の宣伝を目的としている場合もあります。投資や税金対策にもなるうえに、TVや新聞で取り上げられれば宣伝効果もばっちりです。 >百年以上もたった絵画は、 >絵の具が退色し、当初の色と違っている モノによるし、保存状態にもよります。 油絵の具は完全に乾くまで100年近くかかるという専門家も居ます。ちゃんと描かれてちゃんと保存されていれば、100年やそこらで目だった退色はありえません。ミケランジェロが描いたバティカンの天井画はフレスコという技法ですが、近年大清掃がされてかなり鮮やかな色がよみがえりました。 油絵やフレスコに比べて、水彩絵の具は退色します。紙の質が悪ければ短い時間でかなり色が変わります。 >不完全な絵画(表現は悪いですが・・)を見て、いいとか悪いとか言うのは 絵の話ではないのですが、宮大工の故・西岡さんが薬師寺の西塔を再建した際に、東の塔よりも高く作りました。 なぜかと問われると、塔は自重で年々低くなるから1000年たったときに同じになるように建てたと答えたそうです。 絵描きがすべてそこまで計算しているかはわかりませんが、時代による変化も「味」です。それに、絵の価値というのはその絵の美しさだけではなく、こめられた思想や描かれた時代背景なども関わってきます。 絵の値段についてもう一つだけ、 絵も商品ですので、みんなが欲しがるもののほうが値段が高くなります。 無名作家の素晴らしい絵よりも、有名作家のつまらない絵のほうが値段は高いのです。
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- noname002
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「歳古りて美しい」 というコトバを思いました。 これは絵画だけでなく、陶芸、彫刻、建築物等々、果ては人間についても言えることだと思います。 私は「クメールの華」と称されるアンコールワット寺院遺跡の映像を見るたびに、長い歳月が付け加えた美というものを強く感じます。 そのかみ建築成ったばかりのアンコールワットと、こんにちのそれとは同じアンコールワットにして、違うものであると思います。 >古い絵画は作者の表現したかったものではなくなっている たとえば陶芸では燃焼窯の蓋を開けてみるまで分からないとか、歳月がもたらす効果というものも、人の意図を軽々と重々しく超えたものですね。言わば人知が産み出した作品に、自然が手を加えた。 こうしたことを含めて、その作品を愛するのだと思います。つまり「絵画も人格をもっている」ということにも通じるでしょう。 だから作品というものは、作家の手を離れ独自の命を持つというのでしょう。 私も、ある作家の絵画作品を持っております。 これはステンドグラスを背景にして一羽の鳩がたたずんでいるという光景を簡素に、しかし優美に描いたもので宗教的暗示や敬虔な雰囲気を漂わせていると同時に、鳩の、どことなく寂しげな、でも何とも言えず慎ましく愛らしいようすなどを私は愛でております。 この作品の作者のことは何も知りません。けっこう有名な作家なのかもしれないのですが私にとって、それは別に重要なことではありません。 専門家でもなく、ただ美術が好きなだけの私には、知識ではなく自分の感性しかありません。 この絵は、ある近しい人の形見の品ですが、残した人が生前どんな気持ちで、これを飾っていたかも私は知っております。そういうことも含めて愛しているのです。 単なるコレクター心理でしたら、他の御回答者様の仰るところかと思います。 美術作品に限らず、服飾品その他でも、いわゆる「ブランド信仰」に浸かっているかのような人を見かけますね。こういうのは、本当に、そのものを愛でているのではないのだろうと思います。
お礼
>「歳古りて美しい」 一言で、まさに私の疑問を解きほぐす言葉ですね。 遺跡が大好きな人たちは、そういった感覚を強くお持ちなんでしょうね。今までは、何しに行ってるのかなーと物好きだなーと思っていたのですが、今の風景をみて昔の情景を思い浮かべたりしているのでしょうね。 >だから作品というものは、作家の手を離れ独自の命を持つというのでしょう。 作者の意図したものが全てではないのかもしれませんね。作者がどう感じるかは分かりませんが。その絵画の絵そのものだけでなく、その絵に関係した人たちの思いなども積み重なって、価値を決めているのかもしれませんね。 芸術を愛でる人たちと、単にブランド信仰の人たち、はては成金趣味の人たちが絵画市場に混在していることが、少し残念ですね。 お礼が遅くなり申し訳ございませんでした。 これで回答を締め切ります。 回答を寄せてくださった皆さん本当にありがとうございました。 疑問が解消されただけでなく、すごく勉強になりました。心に響く部分が多くありました。本当にありがとうございました。
- hirarno36
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破損した絵を求める骨董的コレクターもいるのでしょうが、本来古い絵画で国家レベルで保存しようとしたらキチンとした修復師がいることはご存知ですよね。 この修復師の方々の努力により私たちは古い絵画を展覧会で見ることができます。しかし彼らも人です。なん百年レベルの絵を忠実に再現する人も居れば、○○(画家の名前)はこんな絵を描き、こんな色使いをするだろうとの推測に頼らなければならない、修正師本人の力量もたぶんに入り込んでいます。 別物とは言いませんが、博物館レベルでも画家の色でないかも知れません。いくら気に入っていても違う絵に感心したり欲しいと思っているかも知れません。 あなたのおっしゃる不完全な、は少しは上記の意味でも当たっています。 私の描いた絵をAさんは絶賛、Bさんはこき下ろし。しかもBさんは有名な画商。Aさんは一般人。これで価値は決まってしまいますよね。 ゴッホを支えた弟の画商テオのような人物がいなければゴッホはどうなったか。死後とはいえ人気がでたでしょうか。何億も価値が出たでしょうか。 その絵に価値をつける人物、民衆が居なければ絵の価値は変わってくるのでは。 よく死後に値打ちが出る絵があることがそれを物語っているのではないかと思います。成金で億を出して買う人が芸術を解っているとはいいがたいですが、価値を高めるのに(良し悪しは別として)絡んでいるとおもいますがどうでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。お礼が遅くなってしまい申し訳ございません。 修復師ですか。宮大工や、遺跡の絵画の修復なんかのニュースがたまにながれますが、絵画にそのようなことを国家的にやっていたとは知りませんでした。 有名絵画をX線解析したら修復の跡があったとかっていう話もTVで見たりしますが、作者以外の人の手が入ってしまったことで価値がさがるものだと思っていました。 価値を維持するということと、作品を維持するということは別個に考えないといけないのかなと感じました。 本当に芸術を大切にする場合は、修復というのもありで、 価値(価格)を維持するためには、オリジナルという部分を大事にするということでしょうか? 確かに、高く買う人(お金持ち)がいなければ、どんなに良い絵でも高価なものとはならないですよね。 絵を描くという労力と創造性などに対して相当の対価は支払うべきとは思うのですが、一枚数百万円以上するというのは高すぎだろうという気がして、ずっと疑問を感じていました。購入者はどのような心理で購入しているのだろうかと。 だんだんと疑問が解けてきました。 ありがとうございました。
まず前提としてTVの購入者と質問者さんの金銭価値や価値観 を考慮しない場合で書き出してみたいと思います。 1・コレクター心理による 2・一種のフェティシズムの対象として 3・専門家やその道の知識をもった人の資料的価値 4・歴史的価値 5・一目ぼれによる 6・すごい作品といわれて購入者がすごいと思ってしまった場合 ざっと考えられるものを箇条書きにしてみました。 1・については誰も持っていないものを所有する優越感です。 コレクター心理としてはより状態の良いものを求めますが 購入できる作品が少ない場合、良い状態ばかりは手に入らない でしょう。しかし欲しいので買う。購入者の総数が多ければ 価格は上昇する。 2・たとえば質問者さんが好意を寄せている異性の私物を 愛でる感覚といえば分かり易いでしょうか。 憧れの有名作家の作品を手元に置くということはその作家 との繋がりをその作品を通して感じる、または感じたい 心理といえるのではないでしょうか。作家や作品との 出会いのドラマの出演料と考えれば安いのかも知れません。 この場合真作でなければ作家との繋がりをより強く感じる ことは出来ませんし偽物では意味のない物体です。 3・私は趣味で絵を描きますが、作品をみればある程度作品の 制作過程や制作意図を想像することは可能です。 またできなくてもなにかの資料になるのではないかと 思ったりもします。作者の考えを覗きたい欲求。 この場合作品の状態が悪くともデッサンや構図や絵の具の 使い方が知りたいわけですから色が悪くともデッサンや 構図がわかれば十分資料的価値はあります。 なにより制作の痕跡を見るわけですから知らない人の 補修の跡はジャマですし偽物では意味がありません。 ただ美術品を購入するひと全員には当てはまらない項目です。 4・歴史的価値といってもプライベートなことも当てはまります。 たとえば亡き父が生前好きだった絵を息子が購入することは 亡き父と息子さんの歴史を語る上で価値があります。 また絵そのものの価値より絵にまつわるストーリーにお金を 払うこともあるでしょう。ゴッホが高額なのはゴッホの人生が あまりにも有名な為の付加価値も付け加えられています。 5・一目ぼれに理由なんてありません。好きになった、お金が たまたまあった、欲しかったので買ったそれだけです。 人を一目ぼれすることがあるのなら美術品に一目ぼれ してもいいのではないかと思います。人を判断するのに あれこれ理由をつけても結局は好き嫌いです。作品購入 にあてはめてもよいと思います。 6・すこしひねくれた考えですがこの項目も加えておかないと すべての美術作品は高額で価値が高くても良いということに なってしまいます。美術品も商品です。商売は売り手と買い手の せめぎ合いだと思います。法律上、倫理道徳上問題がなければ どのような商売の仕方も許容しなくてはいけません。 購入者はすごいと思った、質問者さんはそう思わなかった だから欲しいとはおもわないだからあの価格はおかしい アタリマエの考えだと思います。 作品の出来についてですがデリケートな問題です。作品のでき 不出来は作者が基本決めるものなので作者が死んでいる場合 分からないというのが本当のところのように思います。 しかし作品の状態が例え悪くとも手慰みではなく作品として まとまったものは、人をひきつけるものがあります。 色が悪くなったとしても絵を描いたことがある人は絵の具の 元の色を知っているわけですから想像することは可能ですし、 デッサンや構図にも出来不出来があって良い評価をもった 作品は状態が悪くともデッサン構図ともにすばらしい出来なのです。 ですが結局はあとは鑑賞者の手に委ねるしかないのではないか というところだと思います。 2~6に共通して言えることは作品一つ一つに人格のようなもの があるように扱っており、また作品を神聖視しているという ところです。 また2~5は単なるモノ・物体としてあまり扱っていない点です。 作者に人格があるのだから作品に人格があっても良いのではないかな と思いますし、美術品自体を偶像崇拝しているような市場が 一般購買層を???とさせる理由かもしれません。
お礼
詳しくご説明くださりありがとうございます。 とても勉強になりました。 ものには色んな見方があるものですね。 私は少し芸術を斜めに見すぎていたようです。 >好意を寄せている異性の私物を愛でる感覚 この一文は素敵ですね。 あー、なるほどそういうことかって思いました。 製作過程などを創造したり、やはりその道に精通している人が 見ると感じる部分があるのでしょうね。 >作者に人格があるのだから作品に人格があっても良いのではないかな そうですよね。 絵画も人(人格がある)として捉えれば 私が感じていた疑問も、矛盾なく理解できます。 正直、llamaさんのお答えを拝見し、納得したのですが、 もう少し他の人の意見も聞いて勉強させて貰おうかなと思っています。 ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど投資目的ですか。 それは、盲点でした。 そのような人のほうが多いとはなんだか少し残念です。 企業が買う理由も良く分からなかったのですが、 税金対策と宣伝を兼ね備えた妙案だったわけですね。 >時代による変化も「味」です。それに、絵の価値というのはその絵の美しさだけではなく、こめられた思想や描かれた時代背景なども関わってきます。 なるほど、No.1の方の回答にある「愛でる」「絵画も人格をもっている」感覚とあわせて考えることによって、より一層理解が深まりました。私は、今まで絵画の良さを何一つ理解しようとしてこなかったのですが、もったいないことをしてきたような気がしてきました。 お二人のご回答でかなり満足してきたのですが、 欲をだして、もうしばらく回答を募集したいと思います。 ありがとうございました。