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なぜ王様をカストラートが担当したの?(オペラ『クセルクセス』)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%95 リンクにあるように、ヘンデルのオペラ「クセルクセス」の有名なアリア「オンブラマイフ」は今ソプラノで歌われることがほとんどですが、もともとはカストラートが歌うパートだったそうです。 疑問なのは、なぜ王様という威厳のあるべき役をカストラートが受け持つの?カストラートはなよなよしい女性っぽくないでしょうか?当事の音楽的な流行だったの?

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noname#44623
noname#44623
回答No.3

1600年にオペラが誕生し、最初にカストラートが起用されたのは モンテヴェルディの「オルフェオ」(1607)のエウリディーチェでした。 ただ、この頃はまだ、カストラートの起用は補助的なものでした。 1680年代にはいると、カストラートは「男性主役」を歌う歌手となります。 そして、18世紀、イタリアオペラが欧州中(除フランス)に旋風をまき散らす様になると、カストラートは主役を務める様になります。 男役、女役の隔てなく。 カストラート=スターという図式が出来上がり、スターは性別に関係なく「主役」を演じるわけです。ファリネッリなどは有名ですよね。 その後19世紀にはオペラの男性タイトルロールは軽い声のテノールに移っていき、その後、ヴェルディ、ヴェリズも等では重い声のテノールが主役となっていきます。 さて、カストラートの時代、本来の男性の声、バスやバリトンの声は 「現実的な声」であるため、脇役や、喜劇の主役は歌いましたが、 神話の神々やローマ時代の英雄などが主役となる「オペラセリア」では、「現実的な声」よりも「非現実的な」カストラートの声の方が 神々(こうごう)しさを、より表現できると考えられました。 「セルセ」も一般人を思わせる声ではいけなかったわけです。 その為、(性格的にも異常ですし)尋常でない王の役は、一般人の声とは違うカストラートが担当しました。 ヘンデルの「ジュリオチェーザレ(1724)」でも、初演の配役では Giulio Cesare: Signor Senesino, castrato mezzo-soprano Tolomeo: Gaetano Baerenstadt, castrato contralto Nireno: Giuseppe Bingonzi, castrato contralto と3役がカストラートで占められ、 Sesto: Margherita Durastanti, soprano という、少年は女声(ソプラノ)です。

その他の回答 (2)

  • Mumin-mama
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回答No.2

当時オペラ歌手になるには、ドームのクナーベンコアー(大聖堂の少年合唱団)またはホーフのクナーベンコアー(宮廷少年合唱団「ウィーン少年合唱団」)を経てオペラ歌手になることが多く、例えば、いつもソロを歌っているような少年はカストラートにされたということもあったようです。 ヘンデルやモーツアルト、ベートーベンの時代のオペラ歌手の人気はすごいもので、特にカストラートには貴婦人のパトロンが多く付いたようです。親が一攫千金を狙って自分の子供をそうしたり、また、王様が直接、気に入った少年をカストラートにするよう指示した時代もあったようです。 と言うことで、当時の流行だったようです。

  • ZUMIN
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回答No.1

カストラートは通常のコントラルト(=アルト、女声の低い声域)の声域のみならず非常に幅広い音域をカバーするのが普通で、しかも独特の音色を持つため、ほかにはない強力な表現力を誇っていました。しかも去勢された男性とはいえ、肺の力を含む体力面ではむしろ屈強な男性そのものですので、きわめてパワフルな声を出すこともできます。そんなカストラートが闊歩した時代、とくに17~18世紀のオペラ・セリア(喜劇ではないシリアスなオペラ)では、その比類ないキャラクターをアピールすべく、男性の主役をしばしば担当させたのです。

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