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若山牧水の酒は静かに....の歌について
「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり」という歌の白玉とは何の事か教えて下さい。
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こんばんは! 牧水は『白玉』を,他の歌でも使用していますが, その場合でも『真珠』として解釈使用してはいません. 明治40年,実家がある日向の東郷村坪谷に帰省します. ところが父:立蔵が出稼ぎで宮崎県南部の海岸部にある, 南那珂郡都井村に出稼ぎに行った父を尋ね行っているが. そのときの旅で眼前に広がる海の歌を読み, その作品の中の二首で『白玉』を使用していますが, その際,明確に『水・海水・水滴』として使用しています. それが下記の二首です. 白つゆか玉かとも見よわだの原 青きうへゆき人恋ふる身を (注)ご存知のように『わだの原』は『海』のことです. 大うねり風にさからい青うゆく そのいただきの白玉の波 同旅での,他の作品を三首…掲載しておきます. これで海(水)に関する作品とも理解されるでしょう. 潮光る南の夏の海走り 日を仰げども愁い消やらず わが涙いま自由(まま)なれや雲は照り 潮ひかれる帆柱のかげ 日向の国都井の岬の青潮に 入りゆく端に独り海見る これを詠んでいる牧水が, 『白玉』を『真珠』と解釈して詠んでいないことは明確でしょう. つまり私の解釈はこの旅で 『海』=『海水』=『波』=『白』+『玉』=『白玉』と変化し その後の作品:「白玉の歯にしみとほる」で, 『白玉』=『水滴』=『お酒』と 『究極のお酒の表現』に深化したものとする わたしの解釈に通じる, 新しい証左とも言えるのではないでしょうか. つまり!明治43年の作品の 白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしずかに飲むべかりけり と言う,『究極の酒の表現』へと深化したと解釈されます. もちろんこれは私だけの解釈です. わたしの知る限りではあるが, 大悟法利雄氏も含む,今までの牧水研究者の多くの方々は, 『真珠』の解釈が当然のように通用していることも事実です. ところが皆さんと違って(と認識),わたしが詠む場合には, 「白玉の」で心の中で一度区切るのです. それから「歯にしみとほる秋の夜の…」と詠むのも, 他の方々との視点の違いによるのが原因かもしれません. それに先に発表された先の二首を知らなかったら, 『白玉』を『真珠』と解釈するのも当然であると思います. ただし先日投稿した後に,「主張を裏付ける作品はないか」と, むかし購入した大悟法利雄(著)の若山牧水の歌を紹介した 「旅と酒と歌」と言う表題の書物を読み直しました. そこにわたしの主張を裏付ける,先に紹介した二首があったのです. これで「自分の解釈に問題はない」との確信と自信がもてました. ちなみに大悟法利雄氏は,明治31年大分県に生まれ. 大正6年ころから作歌.大正11年より牧水宅で寄寓, 牧水門下として多年牧水の助手を勤められ, 「創作」「詩歌時代」などを編集. その没後牧水研究を続けてきた人物です. 参考になれば幸いです.
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- パブクシャンnoチビ枯淡(@tibikotan)
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重要表明と文章訂正 まずここで重要なことを表明しておかなければならない. わたしはパソコンライフでは『tibikotan』名を使用しているのだが, 今回,(厳密に言えば以前も同じことが一度あったが) この質問での初回投稿ANo.3では, 家族,厳密には息子が使用するパソコンから 『totoro2085』名で誤って投稿してしまった. 投稿直後すぐさまスタッフに削除依頼をしたのだが,何も対応してもらえなかった. その状態のままで数時間が過ぎ,質問者からの回答のお礼が投稿されたので, ANo.7でも,やむなく『totoro2085』名をつかい投稿を続けた. 我が家にはパソコンが3台あります. 私のパソコンが正常に動作をしないので, 『totoro2085』のパソコンから投稿したら 『tibikotan』ではなく『totoro2085』で投稿されていたしだいです. 今後は本来の『tibikotan』で投稿します. では!気分をかえて訂正の報告をやります! 前回投稿の下記文章部分に表現の誤りがありましたので, 下記部分について訂正をいたします. 【訂正前】 >ところが皆さんと違って(と認識),わたしが詠む場合には, >「白玉の」で心の中で一度区切るのです. >それから「歯にしみとほる秋の夜の…」と詠むのも, >他の方々との視点の違いによるのが原因かもしれません. 【訂正文】: ところで,皆さんと違って(と認識),わたしが詠む場合には, 「白玉の」で心の中で一度区切るのです. それから「歯にしみとほる秋の夜の…」と詠むのです. 他の方々との視点の違いがあるとすれば, この区切ることによって, 文章読解の差として現れているのではないでしょうか? 以上. 再びせっかくの投稿ですので, 牧水と酒の関係を明確にしておきたいと思います. 牧水はアルコール中毒症であったことはまぎれも無い事実です. 牧水宅で晩年の数年起居を共にした,大悟法利雄氏の弁では, 「牧水は,酒聖とまでいわれた愛酒家だったから, 旅行中にももちろん酒に親しんだ」とある. 昭和3年(亡くなる年)の「合掌」には,家族の目を盗んで酒を探す歌もある. 妻が眼を盗みて飲める酒ならば 惶(あわ)て飲み噎(む)せ鼻ゆこぼしつ うらかなしはしためにさえ気をおきて 盗み飲む酒とわがなりにけり 足音を忍ばせて行けば台所に わが酒の壜(びん)は立ちて待ちをる 牧水の死因の病名は, 『急性腸胃炎兼肝臓硬変症』とあります. その死亡後,机上に残された雑誌の裏に, 酒ほしさまぎらわすとて庭に出でつ 庭草をぬくこの庭草を 牧水の哀れさとも… いや人ならではの弱い部分の哀れさも, これらの歌から垣間見ることができる こんな一人の牧水にも共感できる自分があります. ちなみに『tibikotan』は, 通常まったくアルコール類はたしなみません. ただし!年に1~2度のお付き合いとなると, 人並み以上の飲み口は持っています. 失礼しました.
- obatariann
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#4です。 #3様の回答も一理あると思い、気になってあれこれ調べ直しました。 白玉(はくぎょく):酒の異名、酒の色 とあります。 http://www.alpha-net.ne.jp/users2/negotoya/imyou.htm (「酒の色」のところです。) この歌の読み方は「しらたま」なのですが、 歯を美しく例える枕詞としての「しらたま」と、 酒を讃えた意味での「はくぎょく」と、両方を「白玉」に込めたのかもしれません。 何度もすみません。明言はできませんので、ご参考まで。
- 莽翁寒岩 一笠一蓑一杖(@krya1998)
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ANo.2 歌も人生も、こうでなければならないという、一義(単意義)なる、固定的解釈や生き方はどうも無理だということを、牧水は図らずも示してくれているのですね。 内心のものから、外界に対象的存在となった文章も、法律条項も、もう一定の内心での、造った時の状況や意味という内心性を離れるざるをえませんので、とうぜんなのでしょうね。 牧水は、無理な操作も必要なく非常に広がる、しかもしっかりイメージを持たせてくれますね。 聖典だって、発した時の意味や状況から、ずいぶんふくらんでいるのでしょうね。 ANo.3さんの酒の状況をそこに見るのも楽しいが、それに限ると牧水が、酒をこよなく愛するだけになりますので、そういうことも含めながら味わいたいものです。
- obatariann
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白玉:私自身は、学生時代に「真珠のような歯」「歯の白さや硬さを強調する枕詞」と習いました。 歌は、人それぞれ、さまざまな解釈ができるところがすばらしいところだと思います。 ですからこれが正しいと言う答えは無いのかもしれませんが、サイトで検索した研究家の通常的な(一般的な)解釈を参考までにアドバイスさせてください。 http://www.geocities.jp/jimu254/page067.html 白玉:一般の国語辞典では白玉の説明はあるが白珠はないようです。 白玉とは食用の小さな白いだんごの意もあるが、 雅語では古来から真珠の意。しかし、この歌で牧水は歯を美しく 例える枕詞として「白玉の」を使っている。雅語では古来から真珠の意。しかし、この歌で牧水は歯を美しく例える枕詞として「白玉の」を使っている。 (以上:引用) http://www.bokusui.jp/bbs/index.cgi?page=50 「白玉の~」についてですが、この短歌、よく見ると、「白玉の」「しみとほる」「しづかに」と「し」を3回使ってます。要するに 韻をふむ といえば良いのでしょうか。 あと、リズム的なことを考えてもよく考えられている短歌だと思います。 他の解釈としては、体の中で、最初にお酒が対面するのが口。そこにある歯は、体の中でもっとも硬い存在。 その歯にお酒が染みこむということは、体全体で酒を味わうとことになる。つまり、「お酒というものは、体全部を使って味わいなさいよ」というメッセージ (以上:引用) また、牧水は「白」と「青」と言う色を大切にしていて、歌によく使っているそうです。 参考になれば幸いです。
こんにちは,40年から続く牧水の大ファンです! わたしは牧水の生家の隣村で生まれ, 生家には何度も訪れ,牧水自筆の書まで鑑賞しました. そんなわたしの意見です. ご指摘のように枕詞の意味もありますし, 確かに『白玉』とは『真珠』のことでもありますが, わたしはもう少し深く 『きらきらまぶしく光を放つうまい酒』と解釈しています. 「白玉の」に続く「歯に染みとおる」は, 真珠の玉では絶対染みとおりません. いやむしろ真珠の玉であれば,歯に当たるとガチガチと音がします. 『白玉』は酒好き牧水ならではの『お酒』の究極表現です. なぜなら牧水はご存知のように部類の酒好きでした. その酒好きの牧水が酒の別の表現として, 『お酒』を『一滴のしずく:水滴』から『白玉』と連想させ 「究極の『酒の表現』として使ったとしてもおかしくない」からです. つまり下の句に「酒は静に飲むべかりけり」と続きます. 当然上の句で「お酒」は使えませんので, 先の「きらきらまぶしく光を放つうまい酒」との, 枕詞的意味を持たせ,『酒の究極の表現』を, 『白玉』と位置づけ開花させたものと, 個人的に解釈しています. 参考になれば幸いです.
お礼
素晴らしい解釈です。 究極の『酒の表現』であるとは思ってもみませんでしたが、 流石に牧水の大ファンである方の解釈と敬服してしまいました。 ありがとうございました。
- 莽翁寒岩 一笠一蓑一杖(@krya1998)
- ベストアンサー率20% (605/2887)
牧水はいいのが、そしていろいろに解釈や世界をえがくことができるのが他にもいくつ知っていますが、いいですね。秋はまたいいですね、この歌でまた一盃になったりして。 http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%C7%F2%B6%CC&kind=jn&mode=0&kwassist=0 (1)白色の美しい玉。古くは真珠のことをいった。 と出ていました。 単に枕詞と思っていましたが、真珠にかけていたのですね。 昔から、皓歯とか、きれいな歯や、歯そのものを真珠の歯といいますのもね。日本人の肌とよく合う表現方法ですね。
- wild_turkey
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これ大好きな歌なんですが、歯をキレイっぽく修飾してるんだろうと漠然と思ってて、 そういえば白玉って何だろう? とあらためて考えたことなかったです・・・^^;) ちょっと調べてみたんですが、真珠のことみたいです。 http://www.fsinet.or.jp/~bivalves/shiratamanouta.htm
お礼
白玉の歌のサイトを見て、やっと疑問が解けました。 奇麗な歯を真珠に見立てていたようですね。 最初は白玉という銘柄のお酒があるのかと思っていました。 恥ずかしい限りです。 ありがとうございました。
お礼
いろいろと調べていただき、恐れ入ります。 白玉(はくぎょく)が酒の異名、酒の色であったとは想いもよりませんでした。様々な解釈ができるというのは、釈然としない部分もありますが、想像力も逞しくなり、牧水の心情を想いを巡らすことも実に楽しいですね。 実は、質問をしたときには、ズバッと回答をいただけるのではと思っていました。予想外の回答をいただき、感謝しています。ありがとうございます。 秋の夜長を楽しみたいと思います。