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白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに
- 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は、しづかに飲むべきか
- 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒の発音は「しらたま」か「はくぎょく」か
- 終わりに過去形を使う意味とは何か
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1.白玉はしらたまと読みます。はくぎょくでは韻が悪くてしょうがない。 しらたまの、しみとほる、しづかに と重ねているからしんしんと深まる秋の夜の感じが出ているのでしょう。 ここに自書の複写がありますが「しらたま」と平仮名で書いています。 http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~mmh-s/contents21.html#kansho16 「白玉の」は「緒」の枕詞なので、牧水のこの歌の場合は枕詞ではなくて単なる比喩表現です。歯と酒に掛かっていると解釈されます。 「しらたま」についてはごらんになった辞書もしくはその見方が悪いと思います。 —————————————————————— しら-たま【白玉・真珠】 (1).白色の美しい玉。 はくぎょく。 古事記上「赤玉は緒さへ光れどーの君が装ひし貴くありけり」 (2)真珠しんじゅの古名。 あこやだま。 武烈紀「あが欲る玉の鰒あわびー」 (3)白玉粉を水でこね、小さく丸めてゆでた団子。 汁粉に入れたり、冷やして白砂糖をかけたりして食べる。 (4)白玉椿の略。 〈広辞苑〉より引用 —————————————————————————————— 「白玉粉」はしらたまが先にあってつけられた美名と解釈するべきでしょう。 2.「べかりけり」はべし+けりで間違いないのですが。この「べし」は「当然の意」、「けり」は詠嘆と解釈して「べきだなあ」という意味と解釈するのが一般的です。(短歌のお約束事) http://www.hello-school.net/haroajapa009003.htm http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/intro/jodousi01.html http://受験.net/kobun-ki-keri-1018 この酒は一人で飲んでいて、それをそれで良いのだと強調している。 (以下は筆者自身の言) http://www.aozora.gr.jp/cards/000162/files/2210_20356.html 短歌ですから「けり」は韻律(音数律)の都合上でもあって、意味としては無くてもいい物ではあります。 ですが「べかりけり」で終わらせているのはこの歌の小気味の良さを生んでいるように思います。 しかし誤読というのも文学の醍醐味・一種の創造のたねと思うので通例と違う鑑賞をする事には私は否定的ではありません。 なお自筆が「べかりけれ」と終わっているのは当初の作がそうであって後日に本人が改作した物が今流通しているとの事です。 http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~mmh-s/contents31.html#kiroku18
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- 莽翁寒岩 一笠一蓑一杖(@krya1998)
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和歌にも俳句にも詳しくないが、牧水と芭蕉は大好きです。 質問1:私はずぅっと「しらたま」読んできました。「歯」の枕詞だと理解しています。 白い歯に常温の日本酒がすっと触れてのどに落ちていく。美しさですね。 長い落ち着く秋の夜の酒。庭を眺めながら独酌も、黙って酌み交わすもいいですね。 質問2:過去形であるが故に、”あぁ。そうあるべきだよなぁ、っていう感嘆と思いを込めている”ことが伝わります。 白鳥(しらとり)はかなしからずや海の青空の青にも染まずじっと漂う 白鳥っていう名前の鳥でもありません氏ね。たとえ白鳥だったとしても、ここはしらとりでしょうね。つまり青との対照でもあるんですよね。
お礼
ありがとうございます。 この歌、krya1998さんよりの別の投稿から知りました。 良い歌ですね。とくに酒飲みの心に染み入りますね。
お礼
ありがとうございました。 お蔭様で大好きな歌を深く理解できました。 なお、「白玉の」と「の」まで含めて検索すると下記のように「連語」という用例が見つかりました。奥が深いですね。 ==== 大辞林 第三版の解説 しらたまの【白玉の】 一 ( 連語 ) 美しいもの,白いものの隠喩的表現。白玉のような。真珠のような。 「 -人のその名をなかなかに言を下延へ/万葉集 1792」 二 ( 枕詞 ) 白玉は緒に通すところから「を」にかかる。 「逢ふ事の片糸なれば-をやまぬ春のながめをぞする/古今六帖 1」