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この写像がwell definedである事の証明
[Q] Let V,W be finite dimensional vector spaces over the same field. {x1,x2,…,xn} is a basis for V Tx1=y1∈W,…,Txn=yn∈W then you can define∀x∈V x=c1x1+c2x2+…+cnxn T(x)=c1y1+c2y2+…+cnyn (1) Show that this function is well defined. (2) Show that this funciton is closed under scalar multiplication. という問題で質問があります。この問題の意味は下記の通りだと思います。 "well definedである事示せ"とは具体的にどうすればいいのかわかりません。 [問]V,Wを体F上の有限次元ベクトル空間とし、{x1,x2,…,xn}をVの基底とする。線形写像Tに於いて、 T(xi)=yi∈W (i=1,2,…,n) …(1)、 そして、∀x∈Vに対して, x=c1x1+c2x2+…+cnxn …(2) T(x)=c1y1+c2y2+…+cnyn …(3)と定義すれば (1) この写像がwell definedである事を示せ。 (2) この写像がスカラー倍に対して閉じている事を示せ。 [(1)の証] T(x)=T(Σ[i=1..n]cixi) (∵(2)) =Σ[i=1..n](ciyi) (∵(3)) =Σ[i=1..n]ciT(xi) (∵(1)) これからα,β∈Fとすると T(αx+βy)=αT(x)+βT(y) …(4)が成立している事も表している事が分かる。即ち、Tは線形写像。 よって,この定義は妥当である。 [(2)の証] ∀c∈F,∀x∈V,T(cx)=cT(x)∈Wとなる事を示せばよい。 0をVの零ベクトルとすると T(0)=T(Σ[i=1..n]0・xi)=Σ[i=1..n]0・yi (∵(1),(2),(3))=0 …(5). y:=0と採ると,(4)からT(cx)=cT(x) (∵(5)) を満たす。 従って、Tはスカラー倍に対して閉じている。 という風に解いたのですがこれで正解でしょうか?
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パソコンの調子が悪くて、せっかく書いた回答が二回も消えてしまった。(>_<) 一回目はまだ前半だったが、二回目は、ほとんど完成していたのに・・。 悲しくて、放っておいたが、気を取り直してもう一度書きます。 まず、問題の意味を少し取り違えていると思います。 正しくは、次のようになると思われます。 [問]V,Wを体F上の有限次元ベクトル空間とし、 {x1,x2,…,xn}をVの基底とする。 このとき、写像T:V→Wを次のように定義する。 Wの元y1,y2,…,ynを選び、 T(xi)=yi (i=1,2,…,n) …(1)、 とする。 (各xiの行き先を、まず決めるということですね) そして∀x∈Vに対して, x=c1x1+c2x2+…+cnxn …(2) のとき、 T(x)=c1y1+c2y2+…+cnyn …(3) と定義する。 (1) この写像がwell definedである事を示せ。 (2) こうして定義される写像たち全体の集合が、スカラー倍に対して閉じている事を示せ。 解 (1) Wの元y1,y2,…,ynを選んだとき、Tは一意に決まることを示す。 {x1,x2,…,xn}はVの基底なので、任意のx∈Vに対し、(2)の表現は一意である。 よって(3)により、任意のx∈V に対して、T(x)は一意に定義される。 あとは、(1)が(2)(3)と矛盾しないことを確認すればよいが、 x=xiのとき、ci=1,cj=0(j≠iのとき)となるので、 (つまり、(2)はxi=xiとなるので) (3)はT(xi)=yiとなり、(1)と一致するからOK。 (2) (スカラー倍とは、写像のスカラー倍、ということです。つまり、写像に対し、それをスカラー倍した写像を考える、ということです。) 上のように定義される写像全体の集合をSとする。 T∈Sとし、cを任意の定数とする。 このとき、写像T'を、Tの定義における各yiを、c×yiで置き換えた写像 とする。T'の定義よりT'∈S である。 すると、任意のx∈Vに対し、T'(x)=cT(x) となる。 以上より、cT∈Sである。 T,c は任意であったから、Sは定数倍について閉じていることが言えた。 たぶん上記のような問題だと思われます。 問題文、ちょっと分かりにくいですね。 ちなみに、Sは加法についても閉じていて、一種のベクトル空間になります。 以上です。
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普通こういう問題でwell-definedを示せと言われた時、 何を問題としているかというと、 Vの基底が一つだけではなく、一般には複数の取り方が存在し、 Vの元xに対する表記が何種類もあるため、 Tの定義にVの基底を用いて定義すると、 Txが一意に定まらないという不具合が起こるかもしれない、 だから、Tがそうなってないかチェックしないといけない、 ということなんです。 具体例で言うと、xを基底の線形和で書かれた時に、 Txはxの第一基底の係数を返す、というふうにTを定義したとします。 しかし、これでは、別の基底を使ってxを表現したとき、 もちろん、xの第一基底の係数はことなるので、 Txが一意に定まりません。 これでは関数とは呼べないので、well-definedではないとなります。 で、この問題の場合を考えてみますと、 問題には、Vの基底が与えられていて それに対してTが定められているようなので、 上のような、 「基底の取り方を変えたときに結果が変わるのではないか」 という問題は発生しないことになります。 よって、この問題では、well-definedかどうかは 明らかなのですが、あえてやるなら、 xに対する表記(c1x1+c2x2+…+cnxn)が一意であること、 (これからTxが一意に決まることがわかる) Vの元はすべてc1x1+c2x2+…+cnxnの形で書けること (これからすべての元に対しTが定義できることがわかる) について触れればOKだと思います。 両方とも規定の定義から明らかなんですけどね。
お礼
皆様御回答有難うございます。 > よって、この問題では、well-definedかどうかは > 明らかなのですが、あえてやるなら、 > xに対する表記(c1x1+c2x2+…+cnxn)が一意であること、 > (これからTxが一意に決まることがわかる) > Vの元はすべてc1x1+c2x2+…+cnxnの形で書けること > (これからすべての元に対しTが定義できることがわかる) > について触れればOKだと思います。 > 両方とも規定の定義から明らかなんですけどね。 示すべき事は x=x'(x,x'∈V)⇒T(x)=T(x')で x:=α1x1+α2x2+…+αnxn, x':=α'1x1+α'2x2+…+α'nxnと置け(∵{x1,x2,…,xn}はVの基底であり、基底の定義より)、 ここで T(x)=T(α1x1+α2x2+…+αnxn)=α1y1+α2y2+…+αnyn (∵仮定) 一方、T(x')=T(α'1x1+α'2x2+…+α'nxn)=α'1y1+α'2y2+…+α'nyn (∵仮定)と書ける。 そこで、α1y1+α2y2+…+αnyn=α'1y1+α'2y2+…+α'nyn が言え(∵基底を使っての一次結合としての表し方は一通りなので、x=x'よりαi=α'i(i=1,2,…,n)). 即ち,T(x)=T(x'). ∴ T is well defined. (Q.E.D) でいいのでしょうか?
- nakaizu
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(1)については well difined であることを示せとありますが、線型写像であることを示せとはどこにも書かれていません。 Tが写像としてきちんと定義されていることを示せと言っているだけです。 Vの任意の元 xにたいして T(x)が定義できることと、xに対してT(x)が一意に定まることを示せば充分です。 (2)は[(1)の証]を少し書き直せばよいかと思います。
お礼
有難うございます。 > (2)は[(1)の証]を少し書き直せばよいかと思います。 [(2)の証] c∈F,x∈V⇒T(cx)∈Wとなる事を示せばよいのですね。 ∀x∈Vに対し、∃α1,α2,…,αn∈F such that x=α1x1+α2x2+…+αnxn。 そこで T(cx)=T(c(α1x1+α2x2+…+αnxn))=T(cα1x1+cα2x2+…+cαnxn) (∵線形空間の定義) =T((cα1)x1+(cα2)x2+…+(cαn)xn) (∵線形空間の定義) =(cα1)y1+(cα2)y2+…+(cαn)yn (∵Tの定義) ∈W (∵線形空間の定義) 従って、Tはスカラー倍に対して閉じている。 これでよろしいでしょうか?
お礼
詳細なご説明誠に有難うございます。 お陰様で漸く納得できました。