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酵素について
はじめまして。 学生です。 さっそくですが、酵素タンパクの発現をする際に20℃と37℃で発現させるのとでは、後者の場合酵素が不溶性タンパクになってしまう?ようなこと聞いたのですが、この温度の違いにより可溶性から不溶性に移行していく(しやすい?)のはなぜなのでしょうか? そもそも酵素はなぜ可溶性に画分されるのでしょうか? どなたかよろしくお願い致します。
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プラスミドベクターなどを使って、可溶性のタンパク質を大量発現させようとした場合に、 思惑と異なって、可溶性タンパク質が不溶性の画分にきてしまうことがよくあります。 これを避ける手段の一つとして、20℃のように通常の培養温度よりも低い温度での 培養が行われています。 もともと可溶性のタンパク質が不溶性となってしまう原因の一つには、大量発現という 非生理的な条件下にあるため、タンパク質のフォールディングがうまくいかないこと が考えられています。可溶性のタンパク質は正常にフォールディングすると、分子表面に 親水性のアミノ酸が、分子の内部に疎水性のアミノ酸残基が配置される傾向となります。 したがって、フォールディングが正常に行われないと、タンパク質分子の表面の疎水性が 高まるなどして、不溶性となります。当然、活性も失われます。 低温で培養することの意味は、低温ではタンパク質のフォールディングがゆるやかに 起こるので、上記のようなミスフォールディングが起こりにくいと考えられることから です。ただし、万能な手段ではなく、あくまでも解決策のひとつだと思ってください。 (低温培養では解決できない場合も多々ありますので。。) なお、ご質問の内容は、特に酵素タンパクに限定されるものではなく、 可溶性タンパク質一般に関することですので、上記の回答では「酵素タンパク」ではなく、 『可溶性タンパク質』と表記させていただきました。 また、酵素は可溶性のものばかりではなく、膜タンパク質に分類される不溶性の酵素も 多くありますから、「酵素はなぜ可溶性に画分されるのでしょうか?」 という質問の表現は適切ではないですよね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 タンパク質のミスフォールディングが低温だと起こりにくいと考えられているからなんですね。大変勉強になりました。 不溶性の酵素も存在するのに、自分の実験のことばかり考えて不適切な表現をしてしまいました。ご指摘ありがとうございます。 何かと質問しにくることがあると思いますが、その時はまたよろしくお願い致します。