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民法96条の強迫について

 続けての質問をお許しください。民法総則の勉強をしていて気になったのですが、民法96条の2項と3項には強迫についての規定が存在していないようです。  そこで、私が講義で解説されたのは強迫につき類推解釈の可能性があるというものでした。私はこれを聞いて確かにそういった法意が読み取れるような気がしていました。ところがあるサイト(先の質問のものと同様)では、反対解釈を採っていました。これも考えてみると理にかなっているところもあるように思えます。  詐欺の場合と強迫の場合とでは本人の帰責性に差があるという考え方でしょうか?第三者の要保護性の度合いは変わらないと思うのですが。またどちらの考え方が通説なのでしょうか?

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  • DoubleJJ
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回答No.3

>>講義で民法第96条3項の類推適用の可能性とおっしゃったのは、(大判 S4.2.20)の判例に対する疑問からのようです。詐欺の場合と強迫の場合とで第三者の法的地位に差が出ることが合理的であるのかと疑問を呈しておられました。 判例に対する疑問というよりは強迫の第三者保護がなされないことに対する疑問ということでしょうね。 おそらく詐欺の場合にも強迫以上に悪質な例があるにもかかわらず第三者がいると本人が保護されなくなるのに強迫は無条件で保護されるのはおかしいということでしょう。 そして詐欺は意思表示を自らなしているのだからその責任は自分で負うべきであるという民法の意思表示論に疑問を投げかけておられるのでしょうね。 私の口からはそれに対して有効な反論はできそうにありませんが、普通の理解としては通説のような理解でいいのではないでしょうか。 判例は私はよくみていないのですが、傍論で強迫は保護すべきである・・ということを述べただけで反対解釈等は示していなかったようです。

rakufu
質問者

お礼

 早速のご回答ありがとうございました。また、補足につきましてもご回答いただきありがとうございます。民法の96条についてとても勉強になりました。  私見ですが96条の3項を強迫につき類推適用して、第三者には詐欺よりもレベルの高い注意義務(善意・無過失)を必要とするというのはどうでしょうか。詐欺よりも強迫によって意思表示している人のほうが、一般的にそれと気づく可能性が高いような気がするからです。やはり有無を言わさず第三者の法的地位に差が出るのは気になってしまいます。  これからも初歩的な質問をするかと思いますのでよろしくお願いします。

その他の回答 (3)

noname#4720
noname#4720
回答No.4

判決の原文は、民集を見ない限り分かりませんが、模範六法によると、「抵当権の放棄および抹消登記を、強迫による意思表示であるとして適法に取り消した者は、回復登記をしない間でも、その取消しをもって、右抹消登記後に抵当権を取得した第三者に対し、その善意・悪意を問わず対抗しうる。(大判昭和4・2・20民集8-59)」となっており、取消し原因が「強迫」か「詐欺」かではなく、第三者が善意であったか悪意であったかが争点になった判例であるように私には思われますが。

rakufu
質問者

お礼

 早速のご回答ありがとうございました。また、補足につきましてもご回答いただきありがとうございます。民法の96条についてとても勉強になりました。  今日が試験だったのですが、ちょうどこのあたり(意思表示の瑕疵)が出ていました。手ごたえはもうひとつだったのでこれを機に精進していきたいと思います。  これからも初歩的な質問をするかと思いますのでよろしくお願いします。

noname#4720
noname#4720
回答No.2

既に回答がなされていますが、通説的見解は、96条1項では「詐欺」「強迫」の2つの文言をつかって取り消すことが出来る場合について規定し、2項・3項では、わざわざ「強迫」の文言を使用していないことから、「強迫」の場合には常に取り消すことが出来る、と考えています。 要は、本人の帰責性と何も知らない第三者と、どちらをより厚く保護するかという利益衡量になります。 何も知らない第三者も保護する必要はあるかもしれないけれども、強迫されて仕方なく意思表示をした人の方をより厚く保護すべきであろうという考えです。 各種国家試験などでここが出された場合にも、この反対解釈に従っていて間違いありません。 ただ、学科試験において出された場合には、教授自体が、第三者の要保護性を理由にして、強迫の場合にも2項・3項を類推解釈して、第三者が強迫したことを相手方が知っている場合や、強迫による意思表示の取消を善意の第三者に対しては対抗することが出来ないと考えるべきであると授業で述べている以上、そのような考えもある旨一言触れておく方がbetterだと思います。

  • DoubleJJ
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回答No.1

通説は文言通り強迫には第3者保護の規定はないという考え方で、学説の大勢ではないでしょうか。 >>詐欺の場合と強迫の場合とでは本人の帰責性に差があるという考え方でしょうか? その通りです。詐欺の場合は自分の意思で最終的に行動していることから帰責性がありますが、強迫の場合は本人の力ではどうしようもないですので、本人保護が手厚いのです。

rakufu
質問者

補足

 補足にて失礼いたします。講義で民法第96条3項の類推適用の可能性とおっしゃったのは、(大判 S4.2.20)の判例に対する疑問からのようです。詐欺の場合と強迫の場合とで第三者の法的地位に差が出ることが合理的であるのかと疑問を呈しておられました。  取消を(第三者に)「対抗できる」とした判例のようですが、私は初学者なため有効な検索が出来ず判旨が分かりませんでした。反対解釈によるものだったのかお教えいただけませんか?もしくは判旨についてお教えください。  

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