協力義務が判例によって肯定されているとは即断できないと思います。
自動車検問の適法性については、リーディングケースとして最高裁昭和55年9月22日決定(刑集34-5-272)がありますが、本決定は検問に協力すべき義務を肯定しているのではなく、自動車検問の適法性の根拠として、「合理的に必要な範囲で交通の取り締まりに協力するべき」であることを示しているに過ぎず、これは自動車検問に限らないことですので、直ちに自動車検問に協力すべき義務があるとまではいえないと考えられます。
特に自動車検問はあくまでも強制できない任意捜査の一環として認められているに過ぎないので、義務を認めてしまうならば刑訴法197条により強制処分法定主義がありますので、条文化しなければならないことになってしまいます。
ここにご質問の答えもありますが、要は相手方の任意の協力で行われるのものであるから、最高裁でも条文化する必要は無いと判断されているともいえるかと思います。逆に言えば協力する義務はないものと思われます。
ここらへん、中途半端なので立法化すべきだという主張は多いですが、
N0.1の方の仰るように捜査機関の便宜もあって条文化されないんでしょうねえ・・・
お礼
詳細な説明をありがとうございました。
補足
強制処分法定主義ですか、罪刑法定主義は聞いていたものの、勉強になりました。