警察がする検問は、交通安全を守るために必要な措置として、法律の権限に基づいて実施されます。
実は、検問に応じるか否かは、任意であって、拒否できます。
つまり、
検問を行うことは合法。
しかし、強制的に車を止めるのは、合意に基かないといけないため、権利の濫用どころではなく、不法行為です。
なのですが、実質的に、車を止めないと物理的に検問はできないので、このあたりは、法律が実態と乖離してうやむやになっているのでしょう。
検問を拒否するにしても、車を止めてからでないと、出来ない訳ですし。
その気になれば、検問を受けない、と意思表示して道を空けるよう警察に言い、検問を抜けることは法的には可能なんです。
任意で拒否されたら、警察官にはそれを強制する権限がありません。
ですが、ややこしいのはその後でして。
検問をどう抜けるかにもよりますが、警察官が「怪しい奴だ」とか、検問突破したとみなしたら、職質権限や、反抗的態度の如何によっては、現行犯逮捕権限を行使してくるかもしれないんです。
それで身柄を押さえられたら、権利回復のため裁判しないといけないかもしれません。
それは恐らく、やましいことがないほとんどの人は、検問に応じ、そうでない人は突破するだろう、という、先入観念があるからだと思います。
検問に応じなかった=怪しい奴だ=職質掛ける権利を行使しよう、という風に、検問を逃れようとすると、職質に掛ける口実を与えかねないし、疑われてマークされるかもしれません。
それが国家権力というものなのでしょうか。
ただし、警察官が「お忙しいところ恐れ入ります。検問中です。ご協力願えますか。」と尋ねてきて「はい。」とか答えたなら、少なくとも検問に係る任意の聴取にも応じたと判断されると思われます。
また、交通違反の検挙も目的でしょうから、ちら、っとお子さんを含め全員がシートベルトをし、アルコールの匂いもしなかったことが確認できた、そのまま戻ったんだと思います。
実際のところ、検問に応じない理由、って何なんだろうと思いますし、気分は悪いかもしれませんが、落ち度がないのなら、応じておけば間違いないでしょう。