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売主の引渡義務・登記に協力する義務
売主の義務として、引渡義務や不動産の場合には登記に協力する義務があるそうですが、条文上は明示的に書かれている条文はありませんが、 555条の「財産権を相手方に移転する義務」の内容としてこれらの義務があるとしているのでしょうか?
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>555条の文理解釈< 私は、売主の登記協力義務などは、555条の「文理」ではなく「趣旨」から導かれる結果であると理解しています。 そういう意味では、ご質問の趣旨は、民法555条の趣旨解釈から導かれる-ということになると考えています。 「売主は、売買の目的である財産権を買主に移転すべき義務を負い、買主をして完全にその財産権を取得せしめるために必要な一切の行為をなすことを要する。したがって、…売主は、財産権が占有を伴うときは、その占有を移転し、その財産権の移転について対抗要件を必要とするときは、その完成に協力し、その財産権の存在等を証明する証拠書類があれば、買主に引き渡すべきである」(松坂佐一「民法提要 債権各論」第4版[有斐閣、昭和56年])という指摘は、同旨のことをいうものと思われます。 また、判例が「立木の売買契約の目的がその立木の伐採にある場合には、通常は、伐採後引きつづいて伐採した立木の造材および造材された素材の搬出が行なわれるのであるから、このため、売主としては、買主に対し、目的たる立木を引き渡すことをもつてその義務の履行が終わつたものと解すべきではなく、さらに、期間の約定がある場合にはその期間、また、期間の約定がない場合においても、右伐採、造材、搬出に必要な相当の期間、買主をして当該山林敷地を使用させる売買契約上の義務を負担するものと解するのを相当とする。」(昭和47年5月30日・最高裁判決)のも、同旨の考え方によるものと思います。 この判例も、買主のこのような義務を、信義則上のものではなく「売買契約上の義務」としていることにご注意いただければ、幸いです。
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- talkie(@utilityofa)
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#2の回答者です。 「趣旨解釈」の意味については、お見込みのとおりです。 「趣旨解釈」は、実務用語だったかもしれません。 「制度趣旨から言えば…」と申し上げれば、最初から混乱はなかったですね。申し訳ございません。 大変、失礼いたしました。
お礼
回答有難うございました。 お礼が遅くなって失礼しました。 システムについて勘違いをしておりました。
- good10player
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そうだと思いますよ。ちなみに他人物売買でも移転登記義務を負いますので注意しましょうね。
お礼
回答有難うございました。 お礼が遅くなって失礼しました。 システムについて勘違いをしておりました。
補足
回答有難うございます。 愚問かも知れませんが、 この場合には、555条の文理解釈と考えてよいのでしょうか? 「拡張解釈(論理解釈)或いは信義則を持ち出すまでもなく、所有権移転義務の内容と考えられる。」 ということでしょうか?
補足
懇切丁寧な回答有難うございます。 民法が不慣れなために、言葉に振り回されてしまって困っています。 私のテキストには、「趣旨解釈」というものが載っておりません。 テキストには、文理解釈と論理解釈に大きく分けられ、更に論理解釈は「拡張解釈又は縮小解釈」と「類推解釈又は反対解釈」に細分されています。 ただ、解釈をする時には、その条文の制度趣旨を考えて、具体的案件に妥当するように文理解釈又は論理解釈をするみたいな説明をうけたような気がしますが、このことを言うのでしょうか?