- ベストアンサー
感覚運動的知能とは
心理学でいう感覚運動的知能とは何でしょうか? 調べてもいまいちピンとこないので困っています よろしくお願いします。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
こんにちは。 「感覚運動的知能」といいますのは乳幼児に備わる主に「空間認知能力」でありまして、0~2歳までの最も初期の「発達段階」に当たります。 生まれたばかりの赤ちゃんでも感覚神経や運動神経は何とか使えますが、知覚処理や運動命令といった中枢の認知機能は全く働いていません。ですから、まず赤ちゃんは自分に使える感覚機能や運動機能を用い、「空間認知」の学習から始めることになります。従いまして、「感覚運動的知能」といいますのは、赤ちゃんが初めて習得する「自分と外界との関わり」ということになります。 この0~2歳までの感覚運動的知能に対しまして、それ以降を「概念的知能」あるいは「操作的知能」などと区分します。 0~2歳までの空間認知学習を経て大脳皮質における認知機能の発達が伴いますと、今度は「外界との関係」を主体的に捉えることができるようになります。そして、これができますならば、更に次の段階ではそれを操作することが可能になります。 空間認知に始まる乳幼児の認知機能の発達は、概ねこのような段階を辿るわけですが、最も初期の「感覚運動的知能」から次の段階へと移行する際、まず最初に行なわれるのは外界との関係を主体的に捉えるための「表象能力の獲得」です。これにより、乳幼児の学習様式はそれまでとは全く次元の異なる飛躍的な転換を遂げることになります。そしてこれ以降、それが「感覚運動的知能」という状態で脳内に現れることは二度とありません。従いまして、「感覚運動的知能」とそれ以降の「概念的知能」といいますのは、果たしてこの「表象能力の獲得・有無」により、生後2歳を境にすっぱりと区分されることになります。 このように、「感覚運動的知能」といいますのは、それは乳幼児の最も初期に当たる「認知機能の発達段階における区分」であり、いわば全く混じり気のない特別な知性であります。
その他の回答 (1)
- kogureta6
- ベストアンサー率55% (10/18)
No.1さんのお答えでokでしょうが、蛇足ながら書かせていただきます。 私は、一応は心理の専門家ですが、ピアジェの専門家ではないので、「感覚運動的知能」が分からないで困りました。今でも、分かっていないのでしょうが、たぶん・・・という状態で書いてみます。 まず、「感覚運動的知能」はピアジェの考え(概念)です。ピアジェの思考の発達段階は、ご存じのように、第1段階-感覚運動期、第二段階-前操作期、第三段階-具体的操作期、第四段階-形式的操作期、という四段階とされています。 例えば、赤ちゃんの頬に母親の乳首が触れると、その方向へ口を持って行く反射(ルーティング反射、頸の動き)があります。頬を指で触れてもこの反射は起こります。触れた刺激の特徴と頸の動きの対、つまり、感覚-運動の特定の対を「シェマ」と呼びます。この場合、ルーティングのシェマとなります。このシェマとお乳を吸うシェマがつながって、実際のお乳を吸うという行動が現れます。 シェマとは何か、そこが私には分かりませんでした。ここからは推測ですが、感覚と運動が一対になっている、つまり、ある感覚とある運動の結びつきが強固で、バリエーションが少ない状態である感覚と運動の結びつきをまとめて、シェマと呼んでいる様です。 すなわち、情報処理や心の働きによる反応のバリエーションが現れにくい状態であれば、感覚をどう処理しているか、運動をどうプランしているか、という問題を明らかにしないまま、感覚と運動の間の処理を括弧でくくって、全体をシェマと呼んでいるのではないか。そのようなシェマとシェマの組み合わせで、初期の思考の発達(変化)を把握出来るとピアジェは考えたのではないかと思います。 少し悪口になりますが、思考の最初期の現れ(現象)を記述することは出来たが、思考のメカニズムを明らかには出来なかったため、シェマと括って済ませてしまったのではないかと思った次第です。 ちょうど、原子が分からない時代に、分子を最小単位と考えて済ませていたのと同じなのではないでしょうか。 ちなみに、ちょっと見たところでは、感覚運動的知能を詳しく解説したホームページはありませんでした。「知能の誕生」というピアジェの本が「感覚運動的知能」の本です。少し厚い本ですが、是非お読み下さい。
お礼
なるほど!ありがとうございます。 私もホームページをいろいろ探してみたけどなくて困っていたんです。 ピアジェの本早速近所の図書館にいったのですがなかったです。 他でも探してみます。
お礼
どうもありがとうございます。 本当に分かりやすく、納得できました。 そうゆうことだったのですね。 非常に丁寧で理解しやすく教えてくださってありがとうございます。